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水無月蔵光の冒険譚~第二部 古代地下帝国の謎を追え  作者: 銀龍院 鈴星
第三章 マリガトリア帝国
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第51話 最後のコント

出来るときに出来ることをする。

投稿出来るときに投稿する。

予防はしているが、もしコロナで死んだら続きが投稿出来ないことになって困るというか後悔するかもしれないから。

では、続きを始めます。


第51話 最後のコント

ガロヤスミカンダの討伐が終わった。


地下に作られていたマリガトリア帝国には平穏が戻ってきていたというよりも、アズマンの時限魔法で閉じ込められた時、既に全ての住民がガロヤスミカンダの企みにより支配、若しくは消されていたと言えた。


そして、蔵光達が辿り着いた、地下帝国と繋がるこの場所は、クリスタルの体となってしまったアズマンが自分の体を維持していくための亜空間ホールであり、あくまでも一時的な場所だった。

つまり、本当のマリガトリア帝国の全貌は結局のところ謎に包まれたままということになってしまった。


だが今、アズマンの作ったホールは、戦いを終えた蔵光達戦闘員達のほか、ゼリーの体内空間にいた非戦闘員の者達も集合していた。

当然だが、チョッコ・クリムもいた。


それは、アズマンの願いを叶えるためであった。


それは、精神世界に行く前にアズマンにクリム&カリスマの『コントを見せること』であった。

借りを返すという意味では、若返らせて貰ったということもあるが、アズマンの前身、東万紀男の父親、東忠男から世話になっていたからだ。

そんなわけで、ホールではチョッコとゼリー、エージ達はしばらくはネタの打ち合わせをしたり、時間が空けば、アズマンと転生前の頃の話をしたりして時間を過ごしていた。


そして、ある程度、リハーサルを行った後、彼等はアズマンのホールを使ってライブで本番コントを開始したのだった。



『クリム(チョッコ)&カリスマ(エージ)&ゼリー&ヴィスコ』の異世界deコント~『蘇生魔法』~


ゼリーのアナウンス「ここは凶悪な魔物が闊歩すると言われる、とある森の中、ギルドの冒険者のパーティーが魔物と戦っていた。何とか魔物は倒したが、強い魔物だったため、冒険者の一人ヴィスコが命を失う事態になってしまった。」


エージ「おい、ヴィスコ!大丈夫か?しっかりしろ!くそ!ダメだ!死んでいる。」

若い(エージ)が仲間の女冒険者(ヴィスコ)の心臓が止まっていることを確認し、ガックリとうなだれる。

しかし、その直後、どこからか魔法使いの姿をした(チョッコ・クリム)が現れた。


クリム「おい、お前、一体どうしたのだ?こんなところで寝ている女にやらしいことはしてはダメだぞ!」

エージ「寝てないし!そんなことしないし!というか彼女は先程の魔物にやられて死んでしまったんだー!」

クリム「ふむ、仲間が死んだのか…では私に任せるがよい!」

エージ「え?貴女は?!」

クリム「私の名はチョッコ・クリム!泣く子も黙る世界的超絶有名上級魔法使いである!」

エージ「胡散臭いです。チョコクリームですか?名前を聞いたことが無いんですけど?」

クリム「(だま)らっしゃい!チョッコ・クリムや!それではお前、その目をよーく()穿(ぽじ)ってとくと見なさい!」

エージ「えーっと、かっぽじるのは耳の穴じゃなかったっけ?」

クリム「黙らっしゃい!文句を言うのは私が編み出した人体蘇生魔法を見てからにしなさい!!」

エージ「なんと!人体蘇生魔法?それは一体どんな?」

クリム「文字通り、死んだ人間を生き返らせる魔法だ!」

エージ「そんなことが出来るのですか?!」

クリム「多分な…」

エージ「えっ?今、多分って言いましたよね?もしかして確率低いんですか?」

クリム「黙らっしゃい!ではいくぞ!チョッコの秘技人体蘇生魔法『エーイーディー』!」

エージ「えっ?今、『AED』って言いましたよね?それって俗にいう『自動体外式除細動器』のこと?、それ魔法じゃないよね?機械じゃね!?」


アナウンス「そんなエージのツッコミを完全に無視し、魔法使いチョッコが懐から取り出したのは、魔石に蓄えられた魔力電気を使い、それを停止した心臓に引っ付けてショックを与え、心臓を再度動かすという能力がある『人体蘇生魔導器』であった。」


エージ「あれーモシモシ?チョッコさん?自分が編み出したって…それってやっぱり市販品ですよね?」

クリム「黙らっしゃい!正真正銘これは私が作り出した魔導器だ!そして使う魔法は基本的には私の秘技魔法の力である。」

エージ「イヤイヤイヤイヤ~それって絶対に見たことあるしー!なんかこの人、秘技魔法とか言って、あくまでも自分の魔法だと言い張ってるし!それになんか色々と無理矢理ぶっこんでるトコあるよね?」

クリム「黙らっしゃい!…静かに見ておけ。」


チョッコがエージに魔法の杖を突き付ける。

ツッコミを入れたものの、チョッコの凄みに負けるエージ。

エージ「わかりました…どちらにしても仲間が生き返るのなら何でもいいです。」

クリム「さあ、行くぞ!奇跡の蘇生魔法『エー』!『イー』!『ディー』!」

チョッコが叫ぶと魔石の中から電流のような魔力が流れはじめ、死亡した冒険者の体に流れる。

するとビクンビクンと何度か大きく冒険者の体が震え、やがて手の指や(まぶた)が動き出した。

エージ「おお!生き返ったぞー!って、やっぱり『自動体外式除細動器(AED)』だよ!」


とここでネタが終わったと思ったはずのエージだったが、何故かチョッコはさらにコントを続けていく。


クリム「あかーん!まだや!まだ生き返ってはおらん!」

エージ「えっ?」

驚くエージ。

クリム「死者が生き返るにはまだもうひとつの魔法がいるんや!」

エージ「えっ?それ…ネタと違う…」

クリム「黙らっしゃい!では、最後の魔法の説明だが…、それは愛の魔法『目覚めのキス』!勇者エージによる死者ヴィスコへの『愛のキス』により蘇生魔法は完成する!」

エージ「ええーー!!?」

エージの顔がひきつる。


クリム「さあ!早くしなさい、この魔法は過去にも『白雪姫』や『眠りの森の美女』等と言った伝説的逸話で、深い死の眠りから美しい姫を叩き起こした事があると言われる程、実績のある絶対魔法だ!さあ、早くしないと死者の命は戻らないぞ!」

チョッコとゼリーがニヤニヤとしながらエージを見ている。

エージがヴィスコを見ると死者役のヴィスコも心なしか唇を突き出している。

実はヴィスコはこのネタと、その相手がエージだとゼリーに聞かされると二つ返事でコントの要員に志願していた。


エージ「ま、まさか!?全員グルかよ?くそ!はめられた!!」

騙されたことを知りエージの顔が真っ赤になる。

クリム「さあさあ!」

とうとうチョッコがニヤニヤしながらエージの腕を引っ張り出した。

グイグイとヴィスコの前に連れて来られ、さらにエージはチョッコに後頭部を押さえ付けられる。

チョッコの力は転生前の千陽子に勝るとも劣らない程とんでもない力だった。


「嘘だあ~!!」

ヴィスコの顔の前にエージの顔が来た瞬間、ヴィスコの方からエージに抱きつき自分の方からエージにキスをした。

エージの目が白黒となる。


「これってもう、生き返ってるやん!」

最後のエージのツッコミが入る。


「キャー!!」

コントを見学していたヘルメスとオルビアがそれを見て悲鳴をあげた。

「よっしゃ!ドッキリ大成功や!」

とゼリーが言ったところでコントが終了した。


「そんな…こんなハズでは…」

エージはしばらく呆然としていたが、そんなエージにアズマンが尋ねてきた。


『あの、さっきのコントの話なんですが…』

「なんやおもろなかったか?」

『いえ、かなり僕的には面白かったです。でも、それより気になったことが…』

「気になったこと?」

『ええ、『AED』の事です。あのAEDの機械というか魔導器とかは実際にこの世界に実在するんですか?あと蘇生魔法とかこの時代にあるのでしょうか?』

「えっ?あ、ああ、あれね、うーん、あると言えばある、ないと言えばない。そんな感じかな…」

エージがアズマンの質問にそう答えるが、先程のコントの後のドッキリのダメージが多少残っている様子で中途半端な応え方となったが、その答えはアズマンにとっては十分な様であった。


「あるんですね?!」

クリスタルの体のため表情は見て取れないが、アズマンの声が上ずっている様子だ。

「何か焦っているみたいだけど、どうしたのさ?」

エージがアズマンの様子がおかしいので逆に尋ね返した。


「いえ、…その、もし、その蘇生魔法とかAEDが存在するのなら、空間魔法に入れている死んで間もない人間に、それは使えるんでしょうか?」

アズマンの言いたいことに横にいたゼリーがピーンと来る。

「何や、それってお前の従者のことか?」

『はい。』

クリスタル化したアズマンがゼリーの質問を肯定する。


「うーん、蘇生魔法は知らないけど、AEDについては、僕のところでも開発が始まったばかりだけど、試作品なら実際に有ることはある。だけど、こちらの世界では市販までにはまだまだの段階で、今のアレを使用するにはかなり高価な魔石とそれに見合う膨大な魔力の充填が必要なんだよ。」

『高価な魔石に膨大な魔力ですか…なるほど…』

エージの説明にアズマンも納得する。


「そう、アズマンの魔力なら十分なんだろうけど、その…魔導器を動かせる魔石が無いんだよなあ。プラチナスカイドラグナーが現在使ってる魔石でもちょっと力が足りないんだよなあ。」

とエージが愚痴をこぼすと、隣で聞いていたチョッコが口を挟む。


「魔石って言うたけど、このアズマンの体のクリスタルも魔石と同じやないんか?」

「えっ?ええーー!!?」

チョッコ以外に隣で聞いていた蔵光達も驚く。


「言うたら、アズマンのその体は魔石と同じ結晶体やし、魔力値も『存在上限界』が来るほどの高魔力やから、『AED』の魔導器の使用いけるんとちゃうんか?」

「な、なるほど!言われてみれば確かに…それならいけそうですね。」


エージもチョッコの案には最初、かなり前向きな姿勢だったが、よく考えてみたら、クリスタルと言っても本来はアズマンの体であり、その一部を削り取るということに抵抗があった。


『私なら構いません。カルマが生き返るなら…』

アズマンがそれを了承した。

「わかった、じゃあコントで使った『AED』にアズマンの体の結晶を入れて使ってみよう。」

エージがそう言うとアズマンが驚きの声を出す。


「えっ?あれって本物だったんですか?」

「うん、魔石が入っていなかっただけで、魔石をセットすれば起動するよ。」

『そ、そうだったんですね。』


こうして、アズマンの体の一部を使ったAEDでカルマの蘇生を実施する事となった。

クリスタルはアズマンの魔力に比例してかなり硬かったので蔵光がアズマンの体の一部を折り取ることとなった。


「痛くはないのか?」

蔵光が確認したがアズマンは、

「大丈夫です…もう、人間としての体は持ち合わせていないんでしょうか?残念ですが、全く痛みを感じません…」

と答える。


その言葉の意味はアズマンにも、『存在上限界』の最後が近付いて来ているということだった。



最新医療って死んだ人間を生き返らせられるんだよなあ。

科学の力だけど、それって結構チート能力なんじゃ?!

!!!ヘ( ゜Д゜)ノ!!!


インスタグラムで設定画を公開中。

銀龍院鈴星かginryuuin_rinseiで検索できます。

カクヨムで「ドラゴンマスク」連載中。

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