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水無月蔵光の冒険譚~第二部 古代地下帝国の謎を追え  作者: 銀龍院 鈴星
第三章 マリガトリア帝国
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第47話 存在上限界

マキーオさんの現状です。

第47話 存在上限界

『魔力震』

マキーオが、亜神族に対して時と空間の魔法を使い過ぎたことにより、地中国全体が(きし)んでいた。

その『時の力』のせいで、地盤が緩み落盤事故が発生した地域がいくつかあった。


その一つが聖獣ビー・クイーンが治める虎蜂族の国『地中国アングラウンダー』だった。

彼女等は地下から吹き出す強い『負の魔素』を『暗黒の魔素』と呼んでそれを除去することを生業としていたが、約1000年程前のこととなるが、地下からその『暗黒の魔素』の噴出量が増えている事を懸念していた。


そして彼女等は、マキーオやマグローシャ達と知り合うことになり、最終的には西の森の守護者となるのだが、彼女等が原因究明のため地中国の中を見回っていた時にそれは起こった。


亜神族達の一部が魔力震で割れた岩盤から吹き出た『暗黒の魔素』を取り込み『悪魔落ち』していたのだった。

普通の人間であれば即死する『暗黒の魔素』だが、普通の人間よりも魔力が高い亜神族だったからこそ助かったとも言えた。


そんな彼等がマキーオの前に姿を現した。

異形の姿で…

その一人がイナズマイヤーの子孫だった。



マリガトリア帝国の者達は地中国からの脱出と、先祖からの悲願である打倒アズマンを目標に掲げ、この6000年間を戦闘に明け暮れていた。

アズマンは『時の魔法』によりマリガトリア帝国の人間達を蹴散らしていた。

この頃の戦闘は亜神族の血も弱くなり、実際は接戦ではなく、圧倒的かつ一方的にアズマンが勝っていた。


そんな時にイナズマイヤーの子孫が『悪魔落ち』となって目の前に現れたのだ。


彼等は負の魔素の吸収が他の人間にとっては毒であるが、こと亜神族には身体を強化する魔力の元であることに気付く。


だが、それは彼等にとって大きな過ちを犯すきっかけとなっていた。

『負の魔素』であれば良かったのだが、彼等は『悪魔素』である『暗黒の魔素』を吸収していたのであった。

そして、その力は強くなったものの、およそ人間とは似ても似付かぬ異形の姿に変わっていた。

それは後の世では『悪魔族』と呼ばれる存在となるのだが、その説明は今は置いておこう。


イナズマイヤーの子孫は、凶悪な姿に変わり果て、アズマンを襲った。

異形の姿となり、いつの頃からか『アズマンを倒し、地上の世界に戻る』という当初の目的を忘れていた。


また、この頃、アズマンの方も、魔力値が上昇し、身体能力レベルも上がっていたが、体に異変が現れていた。


それは体の一部が結晶化してくるというものだった。


原因は魔法の使用により、魔力値が恐ろしい程の量に上昇し、制御が困難となるものであった。

現在の魔法研究では原因不明とされているが、彼は『時の魔法』を使い、この6000年間、半永久的に魔法を使い続けていた。

これにより、元々高かった魔力値が更に上昇することにより既に魔力値は500億Mを越え、『存在上限界(そんざいじょうげんかい)』が来ていた。


一説では『存在上限界』はある一定以上の魔力値を持った場合、このマーリックという魔法世界においては干渉魔力が強過ぎるということで、現在、存在している世界における姿の維持をすることが出来ず、肉体は消滅し、精神体の様になるという説であり、これは世界的な調査とこれまでの研究の結果を照らし合わせて最近になって注目され出した仮説である。2-11

だが、1000年前当時もそれは仮説に過ぎないものであったのだが、一番それに近い存在と思われていたマキーオが例に漏れず現在の姿が維持出来ない状態となってきていたのだった。


『あと、数回で結晶化が全身に回り、その後は結晶崩壊を起こして精神体となるのか…』

マキーオは自分自身の体の事については誰よりもよくわかっていた。

いずれ精神体になるであろうと覚悟はしていたのだが、『神』が降臨するまでは絶対にこの世界に姿を(とど)めておかなければならない。

例え全身が結晶化したとしても…


マキーオは迫り来るイナズマイヤーの子孫達を全て空間魔法の中に入れて幽閉してしまった。

この時に強力な魔力震が発生し、それに呼応するように体全体が結晶(クリスタル)化してしまったのだった。


マキーオは体の自由が利かなくなったので、これまで定期的にやっていたマグローシャ達の身体の若返りは自分のところまで来て貰わないと出来なかった。

これまでも若返るためにマグローシャ達には地下の世界には空間魔法を展開して来てもらっていたので、こちらに来て貰う分には特に問題はなかったのだが、体の自由が効かなくなり、その行動に伴う移動範囲が極度に狭くなっていた。

結果的には、他に攻めてくる者もいなくなったので、然したる支障もなく、現在の場所に止まる事になったのだった。


その後は、平穏な時代が進んだが西の森に虎蜂族のビー・クイーンという者が番人として配置されることになった。

その際、これまでの封印の一部を変更してこの魔物が所持していた『ケントルム・テラエ』という剣を封印の鍵にすることになった。

この剣は『暗黒の魔素』に抵抗力があるということでビー・クイーンから貸して貰う事となった。

最初はビー・クイーンも貸すことを渋っていたが、マグローシャから必ず返すと言われたのと、マキーオが封印したのが『悪魔落ち』した者達であることを知ったため、渋々、貸すことになったのだった。

これについてはマグローシャが一任されていたのだが、しばらくしてこれがマグローシャの弟子に盗まれるという事件が発生した。


当然ビー・クイーンは激怒したが、彼女達は慌てる事もなく、

『神の降臨にあわせて、必ずこの場所に戻ってきます。』

と話し、全く動じていなかった。

これもサバーニャの占星術のお陰だと言う。


だがマグローシャの話ではその『神の降臨』はもう少しすればということらしい。

まあそれでも300年程かかるのだが、そうすれば必ず『神』が降臨するという。


不確定な状態だが、『降臨』は間違いないとのことであり、300年後、おそらく自分、つまりマグローシャのところまでやって来るであろうと思われるという。


だが、最終的に7000年という歳月にはさらにまだもう少し、350年という年月があった。

そのためマキーオはマグローシャに、

「それではまだ早すぎるのではないのか?」

と尋ねる。

すると、マグローシャは、『降臨』の時期については間違いない、ただ、どういうことかは分からないが、ここ、つまり結晶化したマキーオの前までその『神』がやって来るにはまだまだ幾多の困難な問題があると説明する。


それは『神』は『人間』としてこの世界に転生するとサバーニャの占星術で明らかとなっているが、300年後に現れたとしても、それではあと残りの350年の間に必ず死んでしまうであろうと…


だが、必ず『神』はその時にこの地に現れるというのだが、その理由についてはサバーニャの占星術の力であってもわからないという。


だが、今、アズマンことマキーオの目の前に7000年間、待ちに待った『神』が現れたのだ。



そして、これまでのこの長い話を蔵光達に聞かせたのだった。


「はー、なんやエライ話やな、そんな目茶苦茶長い間、ワイらを待っとったんか?」

ゼリーがマキーオことアズマンの話を聞き終わり呆れたような声を出す。


『はい、ですが結局、私は全ての事から逃げ、魔物の王達の一族を滅亡させ、亜神族の人間を空間の中に入れて閉じ込めてしまったのです。私には彼らをどうすることもできず…』

アズマンは、結果的にサバーニャの予言通り、自分では何も出来なかったことを後悔していた。

そこには最愛の人間を死に追いやり、殺し合いを加速させただけで、どれだけ強い力を持っていたとしても、世界の何も変えることが出来ないという事実だけがあった。


だからこそ、それを、その行為を、その事実を、世界崩壊の危機を、全てを何とかしてくれるかも知れない『神』を必死で待ち続けていたのだ。

そして、ようやく自分の目の前に『神』が現れたのだ。




「しかし、これが存在上限界の時に起きるとされる『結晶化』ですか…?」

エージがアズマンの体をマジマジと見てその状況に驚く。


『こんな体になってしまってどうにも出来ない状態ですし、それにあと何度か魔法を使えばこの体も結晶崩壊が起こるでしょう…そうすれば、私も精神体となり、この世界には存在出来なくなると思います。』

「そんな…!どうにかならないんですか?」

エージがアズマンの言葉に驚く。

『精神体となるというのが最近の仮説であるということはマグローシャ達から聞いて知ってはいるのですが…私も感覚だけですが、それについてはまず間違いないのではないかと思っています。…何とかなるのであれば助かりますが、何とも、この現象自体、私自身もよくわからなくて…』

「ま、まあ確かに…そんなアズマンさんみたいな高魔力の存在自体がまず他にいないですから…でも、今までの話を総合的に判断してみても『神』というのは私と千陽子さんになりますけど、私達でいいんでしょうか?」

『それはサバーニャの占星術の通りであれば大丈夫だと思いますが、私もハッキリとしたことはわかりません。』

アズマンにも未来はわからなかった。



「ゼリー達は一体何を喋っているんだ?」

蔵光がアズマンとゼリー達が何を喋っているのか理解出来なかった。

と言うのもゼリー達は『日本語』で話をしていたからだった。

だが誠三郎がゼリー達のやり取りを見て理解したようで、

「あれが『ニホンゴ』というやつかも知れんな。」

と呟く。


しばらくして、動きがあった。


「ヘルメス、それにザビエラ!ちょっと来てくれ!」

ゼリーが二人を呼ぶ。


ヘルメス達はゼリー達の会話が込み入った話である前に、まず、言語が理解出来ないため、少し離れた場所にいたのだが、ゼリーとエージから手招きされたので頭を(かし)げながら近付いた。

そして、ゼリーに尋ねる。

「どうしたの?」


「いや、コイツが『悪魔落ち』した亜神族を空間に入れているらしいわ。なんで…今から奴等を何とかしてもらいたいんだが…」

「えっ?『悪魔落ち』?って亜神族は魔族だったの?」

「いや、違う、亜神族は7000年前は高魔力を持ってアズマンに対抗していたが、長引く戦闘の中で次第にその魔力を失い、それこそ魔族並みの魔力値に落ち込んだようや。」

「魔族並み?」

「まあ、魔族よりはまだもう少し上やろうけどな。」

ゼリーはヘルメスとザビエラに悪魔落ちした亜神族達の討伐を依頼した。


『悪魔素』を取り込み凶悪化した亜神族を討てるのは聖神力を持つ二人が最適だと判断したのだった。


「そういうことなら、わかった。アズマンさん、その『悪魔落ち』したという亜神族の末裔とやらを空間から出して下さい。」

ヘルメスがアズマンに言う。


「わかりました。それでは…」

アズマンが空間魔法を展開する。


ゼリーが使用する空間魔法よりもかなり展開の規模が大きく、ホール全体に展開される。


「来るぞ!」

ザビエラが聖槍デスフレアを構え、ヘルメスも腰の聖剣ヴォルガナイトを抜く。


そして、静かに空間魔法の揺らぎを見ていた。







【アサッテ・ハイドのクエスト日記】

ここはドリタニア王国の南東に浮かぶラカンジャ島唯一の街ゼブラースから南に20kmのところにあるゼブラ鉱山。


シン「本当にこんなところに、魔剣の秘密製造工場があるの?」

(´・ω・`)?

アサッテ「彼等から聞いた場所はここであっているんだがな…」

(o・ω・o)

ガズン「間違いなさそうだな。」(o゜з゜o)ノ

ソウド「あれだな。」(*´_⊃`)ノ

リルカ「確かに人の気配がしてる。」(*゜ω゜)ノ

ア「よし、とりあえず、ソウドにこの施設の状況を魔法で確認してもらってから潜入しよう。」

(*・∀・*)ノ

ガ「制圧は?」(*`・ω・)ゞ

ア「中に何人いるかわからないからな。」

(*´・∀・)ノ

ソ「確かに…それに相手の戦力もわからないからな。」

(*・ω・)ノ

リ「例の冒険者達もここは突き止めただけで、中には入れてはいないらしいし、慎重にならないと彼らの仲間の二の舞になるわよ。」

(*´ェ`*)っ

シ「だね。でも、表向きはここは誰もいないということだよね。じゃあ、派手な魔法をぶっ放してもいいんじゃないの?」

(*´・ω・`)b

ガ「それをしたら、証拠品の魔剣どころか、生贄となる生き物がもし、人間だったら保護しなければならないんだぞ!」

ヽ( `・ω・)ノプンプン

シ「確かに…ごめんなさい。」

(*´□`)ノ

ソ「今、感知の魔法で建物の構造や中の人間の状況を確認した。捕まっている人間五人、最下層の地下3階部分にいるようだ。他のは地下2階の作業場に10名程いる。地下一階は倉庫のようだ、ここには二人がいる。これな見張りだな。」

(。・_・。)ノ

ア「では、先に地下一階の見張りを先に片付けてから地下2階に突入、ガズンはリルカと共に地下3階に捕まっている者を救出、俺とソウドが2階の奴等を制圧、シンはその援護を!」

(*>∇<)ノ

ガ ソ リ シ「了解!」

(。・Д・)ゞ(。・Д・)ゞ(。・Д・)ゞ(。・Д・)ゞ



でわ次回もよろしく(* ̄∇ ̄)ノ


インスタグラムで設定画を公開中。

銀龍院鈴星かginryuuin_rinseiで検索できます。

カクヨムで新作「ドラゴンマスク」連載中。

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