表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水無月蔵光の冒険譚~第二部 古代地下帝国の謎を追え  作者: 銀龍院 鈴星
第三章 マリガトリア帝国
46/56

第46話 ダンジョンの呪いとマリガトリア帝国の誕生

今回はちょっと話が長いです。

短くしたかったのですが、出来ませんでした。

第46話 ダンジョンの呪いとマリガトリア帝国の誕生

四人の魔女達が『火の国』で捜索されたがあっさりと発見された。

というのも、彼女達は城の門番に自分達の宿泊している宿屋の場所を教えていたからだった。


早速、マキーオは彼女達を城に呼び出して、今回の経緯を説明し、今後の自分が進むべき道を尋ねた。


「アズマン様が私達をここへお呼びになられたのは既に因果の流れの中での事であり、これは私達の運命をも決定付けしている事でもあります。つまり、私達はアズマン様の運命の中に組み込まれている歯車のひとつなのです。」

そうマグローシャは説明した。

これは最初の謁見では話さなかった事だ。


「と言うことは、私がお前達に出会う事すらも既にその運命によって決められていたということなのか?」

「その通りでございます。ですから、アズマン様がこれからどうすればいいのか、今後私達をどう扱えばいいのかということも既に決まっているのです。」

「そ、そんな事が…」

マキーオはマグローシャの言葉に驚愕する。

全ては定められた線路上を走っていただけだったということにマキーオは今初めて気付かされたのだ。


そして、そんな彼女達がマキーオに今後の予定として進言したのは、恐るべき内容であった。


まずは、

『神の子孫達の封印』

そして、それを解く事が出来るという、アズマンが崇め奉る、

『神を迎える準備をする事』

であった。


マグローシャ達にはある神の啓示があった。


マキーオが世界を統一出来ないことについて、マグローシャ達はあらかじめその神の啓示をサバーニャの占星術を通じて知らされていた。


マキーオが生まれる前の事である。

激化する人間と魔物との戦いについて占星術を使って若き日のサバーニャが未来を占った。

その時、サバーニャの特殊な能力が開花した。

未来を予測するというものだった。


そして、その時に得た、未来の結果が『世界崩壊』であった。

これは、当時から、『神』以外の誰にも止める事が出来ないものであった。

この世に失望したサバーニャは、フラフラと旅に出た。

あてのない死に場所を探す旅に…


だが、そこである魔法使いと出会う。

禁忌の魔法使いマグローシャだった。

彼女も多少の占星術を使えたが、サバーニャ程ではなかった。

だが、その占星術によって自分に運命的な出会いがあるとの結果が出たので、それを確かめるために自分も旅に出たという。


偶然にも他に同じ様な形でアジーナ、サンマーサという二人の魔法使いも加わった。


ここで彼女たちの運命の歯車が噛み合った。


そして、再度、サバーニャが、未来の予測をした。

すると、あれだけ『世界崩壊』が決定付けられていたビジョンが変化していたのだ。

まるで彼女達の出会いを待っていたかのように…


それはある人物の誕生を待ち、その者とこの世界の争いを一時的に止めることだった。

それは、一時的なものであってもこのままその者がその能力により争う者達を止めなければ世界は崩壊に向かって加速し、ひた走ることになると…

なので、この崩壊に向かっている世界を一時的に止める事が必要であり、それによって、次のステップによって世界崩壊を回避し、世界を救う方法があるというのだ。


一時的にでも、その争いを止めることにより、後世にその者が『神』と崇める者が現れる。

その『神』の降臨により、その世界崩壊が回避されるという。


そのためにもその争いを止める事が出来る者の誕生を待たなければならなかった。


それがマキーオの転生であった。


転生は神の意思であり、全てはその転生神が世界崩壊を回避するために仕組んだ計画のひとつの手段であった。


マキーオはその転生神の力により、この世界崩壊を止めるため、異世界である地球から転生させられていたのだった。


そしてそこへさらにマグローシャ達四人の魔女がやらなければならなかった事が加わる。

それは、マキーオを支え、来るべき『神』の到来に備えるための準備をする事であった。


マグローシャ達はこの神の啓示に従いマキーオの前に現れ、まるで運命の方舟に取り付けられた機械のように、今その歯車同士が出会い、回り始めた。


まず、『神の子孫達の封印』についてであるが、神が提示した『4つの森』にそれぞれを守護する『4つの魔物』を配置し、そこに結界及び封印の魔法を施すことだった。

また、『神を迎える準備をする事』として、その封印を解除するための封印の魔法書を四人の魔女が作り、その封印の解除方法をマキーオに創作させた。


絶対に自分が崇め奉る『神』以外の者が解く事が出来ない解除の呪文(合言葉)で…



マキーオとマグローシャ達は早速準備に取り掛かった。


まず、『神の子孫達の封印』についてだが、亜神族は『神の子孫』と呼ばれる者達だけあって少し離れればマキーオの魔力の影響も受けないことがあった。

そのため、まず巨大な4つの森に結界を作り、膨大な魔力を使ってその結界内に『神の子孫』達を引きずり込むというものである。

またそれには、マキーオだけでなく魔物達の力も必要となってくるとのことだった。

というのも、彼等が世界のどこの場所にいても結界内に引きずり込む事が出来るように世界各地に広範囲な結界誘引の術式を仕掛ける事となった。

それは、メディスロンが元いたギルス火山帯やそこから何千クロマイトも離れた現在のジパング王国なども入っていた。

古文書『マリガトリアン』の魔石にそれの一部と思われる一説をマキーオは入れた。

『北の火の神より昇る太陽を拝む時、その中心に眠る。』

もちろん火の神はギルス火山帯の事であり、そこから年の始めに太陽が昇る位置にあるジパングの大陸に転移門を設置したという意味なのだ。

当時から、ジパングは龍の聖地として崇められていた。

あのワダツミでさえも、近寄ることはなかった。

あの2000年前の『龍の災厄』が起こるまでは…


マキーオは彼女達から、再びメディスロンらを呼び出して再度の和平協定について話をしても一度人間が破った協定を再び元に戻すことは無理であると聞かされていたため、新たに責任を取る格好で和平協定に違反した人間達には当然ながら罰を与えると説明し、人間側の首謀者となったイナズマイヤー率いる『神の子孫』を結界内に引きずり込む計画をメディスロン達に話して協力してもらうように話をしたのだった。


メディスロンとタラスクは既に覚悟を決めたマキーオが、恐ろしいまでの形相で自分達のところに乗り込んで来たことや、それら計画の申し出に対して反発することが出来ず、封印に関して協力することに承諾をさせられた。


マキーオはこうして彼等を取り込み、自分の高い魔力と彼女達の魔法により『引きずり込み』を行うのと同時に、彼等を使って『神』を迎える準備をする事だった。



最初はメディスロン達にそれは実行された。

彼等には最終的に『亜神族』が封印される『場所』となるジパングの位置が記載された『マリガトリアン』の鍵を守護することが任務となった。

最初は西側と南側の森を担当させることとし、北側はタラスクに任せた。


それはいくら、こちら側の協定違反とは言え、絶対的な法則である『強者に歯向かった』ということもあり、その罰というか条件として、命を助ける代わりに今後は森の番人となり7000年の期間、森の中での拘束を約束させ、その後の身の振り方は自分達で決めさせる事にしていた。

タラスクは自分の処分を保留した。

その時の世界の状態を見て考えるという。

メディスロンは『神の到来』の期限が終了の後に消滅する事を望んだ。

つまり、自分が守護する『鍵』を神に引き渡したときに死ぬことを選んだのだ。

それは彼等の寿命が古龍程長くないため、普通7000年も経っているのであれば死んでいるだろうからとの理由であった。


そして、アングルボザへの対応だが、それはメディスロン達のものとは違った。


後でわかった事なのだが、今回のヒカリゴンの虐殺行為の前に、アングルボザは自分の子供達を協定を破った人間達に殺されていた件については、単に暗殺をしたのではなく、ヒカリゴンが魔物達に自分達の国へ攻め込ませるために計画をしたものだった。


ヒカリゴン自身亜神族の中でもかなりの雷魔法の使い手であり、亜神族達の中心的な人物であった。

それに加えて以前から魔物を毛嫌いしていたこともあり、どこの馬の骨ともわからないポッと出のマキーオの和平協定についてはかなり不服申し立てをしていた。

だが流石のヒカリゴンもマキーオの時の魔法に敵う訳もなく、一度は素直に従っているフリをしていた。

だが、魔物の王達がマキーオの魔法により人間に手を出せないと知るや、それを利用する事を思い付き、秘密裏に暗殺部隊を送り込みアングルボザの子供達を半ば虐殺に近い形で一方的に殺していたのだった。


魔物が人間の国へ攻め込んだ本当の理由は、そのことを知ったアングルボザの報復であった。


当然、最後に残ったのが幼いヨルムンガンドだけであったため、その事実を知ったアングルボザはあまりの理不尽さに怒りが治まらず、まんまとヒカリゴンの策略にはまり、残った精鋭の魔物を引き連れ人間の国へ攻め込んだのであった。


ヒカリゴン側は魔物達の方から最初に攻めてきたという口実さえあれば自分達から大義名分で攻め返す事が出来るからだった。

これならばいくらマキーオが戦闘行為を制止しても戦う理由(言い訳)が立つからだった。


最初、それは、ヒカリゴンの軍の者が暗殺現場に残していた物から判明し、マキーオに対してアングルボザからの訴えがあったのだが、ヒカリゴン側はそれを否定した。

ヒカリゴンは『暗殺をする者がそんなヘマはしない、我々に罪を着せるために誰かがわざと仕組んだことだ』と主張した。

マキーオもそれがあくまでも状況証拠だけであり、決定的な証拠がなかったことやヒカリゴンの言い分ももっともであったためヒカリゴンに対する処分を保留した。

そうすることで、怒ったアングルボザがヒカリゴンのところへ軍を率いて乗り込んでしまったのだった。

ヒカリゴンとしては上手くいった計画のはずだったのだが、結局のところアングルボザの力を読み誤り、彼女の報復により命を落としてしまう事になってしまう。



マキーオは表向き捕らえたアングルボザを森の中にある小さなダンジョン用の魔物として配置させることとしたと公表する。


そしてアングルボザとその配下の魔物達は後に高難度のダンジョンとなる、

『エキドナのダンジョン』

と呼ばれる北の森のダンジョンに飲み込まれ、ダンジョンの魔物となっていた。

それはいつ死ぬこともなくやられればまた復活するというものであり、死ぬことも出来ないという『永遠の死に戻り地獄の呪い』であった。


タラスクは最初、こんな処分をしたマキーオに敵対心を抱くが、実はこんな結果が彼の意図したものではなかったことを後で知る。


それは、アングルボザ達をマキーオが処分をすると公表するよりも前に遡る。


マキーオは表向きアングルボザを自身の空間魔法の中に幽閉したとしていたが、実際はアングルボザがヒカリゴンを討ち果たした瞬間に『ダンジョンの呪い』がアングルボザ達に発動していたのだった。

それは、大きな力を得る代償に、その目的を達成した暁には、自分達を死に戻り地獄と呼ばれるダンジョンの魔物となる呪いを受けるというものだった。

アングルボザは強力なヒカリゴンを討つためにこの『呪いの力』を借りて自分達の戦闘能力を向上させて仇討ちをしていた。

何故かと言うと、アングルボザは人間、それも『神の子孫』と呼ばれる者達のうちでもヒカリゴンが特に強力な魔力を持っており、今の自分達では絶対に敵わないことを知っていた。

そのため、何とか相討ち覚悟で子供達の敵討ちをするための方法を事前にある魔法使いに聞いていたのだった。

そして導き出した答えが『禁忌の魔法』である『永遠の死に戻り地獄の呪い』の使用であった。

当然、これはマグローシャがマキーオの配下になる前の話なのでマキーオは全くこの話を知らない。


タラスクが、マキーオをそれほどまで憎まなかったのは、この様に後からではあるが、その呪いの結果がダンジョン吸収であったことをマグローシャから教えてもらい知っていたからに他ならなかった。


何故、マグローシャなのか…


実のところタラスクはこの呪いを解く方法を、後にマキーオの配下となっていたマグローシャ達に聞いたのには経緯があった。

実は、アングルボザにこの魔法を教えたのがマグローシャだったのだ。

話のきっかけは、最初、森の結界を作る時に、ダンジョンを作る話が出たのだが、マキーオやマグローシャからそこにアングルボザのダンジョンを組み込む話が出た時の事だった。

その時にはマキーオのやり方に怒りが沸いてきていたのだが、マキーオに手が出せる訳もなく、それに腑に落ちないところもあり、呪いに詳しいマグローシャにアングルボザに掛かっているダンジョンの呪いを解く方法を聞いておこうと思ったからだった。


マグローシャ達『四人の魔女』はその道では名前を知らないものはいないと言われる程の魔法使いであり、特にマグローシャは禁忌の魔法と言われるものに精通していた。

当然ながらアングルボザもタラスクもマグローシャ達の名前だけは知っていた。

実はこの時、世界的に見てマキーオよりも有名だったのだ。


マグローシャ達は当然このアングルボザの行動も全て7000年後の未来に繋がっていることを知っていた。

だからこそ、彼女にその魔法を教えたのだった。

しかし、それはアングルボザには言うことは出来なかった。

言えばアングルボザの、考えが変わって未来も変化する恐れがあったためであり、あくまでも彼女の考えで禁忌の魔法は教えられた。


『エキドナのダンジョン』の呪いを解除する方法。


それは『ダンジョン内において、相手に殺意を向けても攻撃をされないこと、ただし、その事を全く知らない者に限定する。』が解除の条件であったが、解除は出来ても肉体の復活は出来ず、ダンジョンの消滅と魂の浄化が最終的な結末となることをタラスクは知る。

それを知りながらアングルボザ達はその禁忌の魔法を使いヒカリゴンを討ったのだった。


その後、四人の魔女達は結界を完成させマキーオの超高魔力を利用する形で、当時ヒカリゴンが統率していたとされる敵対国を全て天変地異の如く地下にある『地中国』と言われる場所に沈めたのだった。


この『地中国』は直ぐに地上に出ることが出来ないような深部にあったが、人や魔物等が生息することが可能な場所であり、『地中国』と呼ばれてはいるが国ではなく、いくつかあるそのような人が住める地域の総称であり、マキーオはマグローシャ達の意見を参考に人がまだ住んでいない『地中国』のひとつへ亜神族達を飛ばしたのだった。


マキーオの慈悲深い考えから、地中でも自由に動けるような状態であった亜神族は、地下帝国においてマリガトリア帝国という国を築いた。

ちなみに封印の魔法書は最初名前はなかったが、いつしかこの名前を取り『マリガトリアン』と呼ばれるようになった。

それは『地下への封印』という意味の古代語で使われていたものが帝国の名前や古文書の名前の由来になっていた。



また、帝国についてだが、帝国というからには『帝王』がいるのだが、それはヒカリゴンの意思を継いだ亜神族の者(イナズマイヤー)が帝王となっていた。

彼は父ヒカリゴンに負けず劣らず強力な魔法の使い手であり、一緒に地下へ飛ばされた国々を力でまとめ、統一したのだった。


一方マキーオは自分がこんな混乱した世界を作り出してしまったという責任から、同じように地下に潜り、彼ら亜神族が地上に出ないようにと彼等を監視する事になった。

地下に落とされた事を知った亜神族は、何度か地上に出ようとしたが、直ぐにマキーオに邪魔をされ、出ることは叶わなかった。


そんなマキーオに対して何度か抵抗をした亜神族であったが結局、マキーオの強大な力によって完全に時間が止められてしまったのだった。








【アサッテ・ハイドのクエスト日記】

ここはドリタニア王国の南東に浮かぶラカンジャ島唯一の街ゼブラースの居酒屋。

ガズン「この島にある冒険者ギルドのラカンジャ支部に聞いてきたが、彼等の支部の冒険者の何人かがこの件に関わって死んでいるらしい。まあ、事件性があるような死に方ではないため、王国の警備隊も動けなかったようだが…」

(´-ω-`)

ソウド「やはり、何か裏がありそうだな。」

(¬_¬)

ガ「ああ、裏とは言い切れんのだが、まだその死んだ冒険者の仲間達はその件に疑惑があると考え事件の調査を続けているらしい。」

(・д・)ノ

アサッテ「ふうーん、そいつらと接触出来ないもんかねえ。」

ヽ(´・ω・`*)

ガ「ああ、それなんだが、彼等は調査(クエスト)を失敗したということで、公には引き続いての調査は出来ないようで、今は極秘裏で動いているみたいだが、我々が公式に調査へ乗り込むと知って彼等の方から接触をしてきた。もうすぐここにやって来る事になっている。」

(*´・∀・)ノ

リルカ「えっ!そうなの?やるじゃんガズン!」

ヽ(´∀`●)

シン「じゃあ、彼等の話である程度のところまではわかりそうだね。」

(*>∇<)ノ

ガ「そういうことだ。おっ、噂をすれば何とやら…例の冒険者がやって来たぞ。」

ヽ(・ω・)ノ

ソ「ん?二人か?」( ゜_ゝ゜)ノ

ガ「彼等は現在も命を狙われている。なので普段からの行動は複数でと決めているそうだ。それにこの店を指定したのも彼等だ。」

( ・_ゝ・)ゞ

ア「なるほど、居酒屋なら話がしやすいうえに、人目もついて命を狙う奴等も容易に手が出せないと言うことだな。」

(。・д・)ノ

ガ「そういうことだ。」ヽ(・ω・`*)



でわ次回もよろしく(* ̄∇ ̄)ノ

インスタグラムで設定画を公開中。

銀龍院鈴星かginryuuin_rinseiで検索できます。

カクヨムで新作連載開始しました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ