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水無月蔵光の冒険譚~第二部 古代地下帝国の謎を追え  作者: 銀龍院 鈴星
第三章 マリガトリア帝国
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第44話 四人の魔女

四人の魔女が登場します。

第44話 四人の魔女

「マキーオ様、面会を求める者が来ておりますが?」

「面会?誰だ?」

「女が四人です。自分達は魔法使いだとか言っていますが…」

「魔法使い?」


マキーオが『火の国』を統治し始めて数年が経過していた。

各国の統治者達の多くは、自分(マキーオ)の支配下にあったが、それでもまだ自分の配下になっていない国もあった。

それに『神の血を受け継ぐ者』と呼ばれる上位の魔物達が世界各地に跋扈し、人間の国と争っていた。

人族の中でも魔力と魔法が扱える『神の子孫』と呼ばれる者達とそれら上位の魔物達の力は拮抗していたため、戦いは終わることはなく、多くの血が流されていた。


この数年でマキーオの考えは変わっていた。


カルマを殺されたときは一時の感情で罪もない『火の国』の街の人間をその手に掛け、殺してしまった。


しかし、時間が経ち、冷静になると今更ながらに自分の力の強大さに恐怖を抱き、それに伴い、無関係な人まで殺してしまったという自責の念に(さいな)まれ、しばらくは誰の前にも姿を見せることが出来なくなるほど精神的に追い込まれていた。


だが、長い時間を経て、ようやく立ち直ったマキーオであったが、この間に彼が思い描いた理想の世界があった。


それは『人類も魔物も共存共栄出来る世界の確立』であった。


マキーオは、『火の国』の件以来、何とかこの世界が平和にならないものかと考えていたが、考えるだけでは戦いは止むことはなかった。


この世界は、人同士だけでなく、魔物とも争いを続ける世界であり、マキーオが転生前に住んでいた地球とは完全にかけ離れていた。

各国からマキーオの力を見込んで魔物を討伐して欲しいとの陳情も数多く寄せられていた。


だが魔物の中にも知能が優れている者も存在すると聞いていたマキーオは、多少の文化の違いはあれど人と魔物が手を取り合って住める世界があっても良いのではないのかと考えていたのである。


だが、それを達成するためには大きな問題を抱えていた。


それはマキーオ自身の問題であった。



マキーオ自身が時々、カルマが殺された時と同じ様に、どうしても感情が抑えられない時があり、その相手に対して絶対に許さない性格であったからだった。


それは人間、それも女性や子供が戦いで被害にあい、死ぬ時であった。


小競合いと言えども戦闘行為があれば死人が出ることはままある。

そして、そんな戦闘行為で死ぬのは決まってか弱い女子供だ。


そんな事を許せるほどマキーオは人間形成ができていなかった


なので全く戦いに関与していない弱者に脅威を与える存在に対しては真っ向勝負を仕掛ける。

そして、自分の全身全霊の力を相手にぶつけてしまうのであった。


世界の平和を求める者が、戦う相手を許さず徹底的にやり込めてしまう事は、結局、今、この世界で起きている戦争とやっていることが同じことではないのか?


そう考えたときマキーオは行き詰まってしまったのだ。


『結局、俺は暴力を暴力でしか解決出来ない存在なのだ!』


そう思うと、あれほど強大な力を持っていても、全くの無力感を感じるのだった。



そんな時期にマキーオに面会を求める者がいるというのだ。

それも女ばかり四人で、それも自称魔法使いという。

胡散臭いことこの上なかったが、とりあえず会ってみる事にしたのだった。



「アズマン王、御出座!!」

取り巻きの家来がマキーオが王の間に入るタイミングを伝える。

この頃、マキーオは自分の名前をアズマンと変えていた。

マキーオが城内、王の間の玉座に座る。

既に四人の魔法使いという者達はその前に跪いていた。


(おもて)を上げなさい。」

とマキーオが四人に言うと、その内の一人が伏せていた顔を上に上げた。

そしてマキーオに挨拶の言葉を述べた。


「この度は、アズマン様に謁見の機会を与えていただき誠に有り難く存じます。私はマグローシャという者で、魔法使いをしております。この者達も私と同じく魔法を使う者達でございます。」

とその魔法使いは自分達の事を紹介した。


「その魔法使いが私に何の用だ?」

マキーオは無表情でマグローシャと名乗る女に問い掛けた。


「実は、私達四人をアズマン様の配下に加えて頂きたく参上した次第でございます。」

「何だと?」

マキーオにはこれまで何人もの人間が自分の配下に加えて欲しいと言い寄ってきていた。


マキーオは今更ながらの申し出に対し、いつものように断ろうとした。

それは、マキーオの立場を利用してのし上がろうとする野心家ばかりで、表向きはマキーオを立てているが、その実、自分達のことしか考えていない者達ばかりであったからだった。


「ああ、それはもう、」

片手を挙げて相手に拒否の仕草を見せようとしたその時であった。

「お待ち下さい!私達はマキーオ様が考えておられる平和な世界を作るためのお手伝いが出来ると思いやって参りました。」

そう言ったのはマグローシャの傍にいたもう一人の魔法使いであった。


「えっ?」

いつもであれば、そこをなんとかとか言われて食い下がられるのがパターンであったのだが、今日は少し違っていた。

世界平和を考えているという自分の理想は当たっている。

それをこの場で出してきた彼女の正体に興味を持った。


「き、君は?」

「私の名前はサバーニャ、占星術師をしております。」

「せ、占星術?!」

マキーオがサバーニャの言葉に動揺する。

何か、彼女に心の裏側を見透かされている様な感覚に陥る。


「アズマン様は、人間と魔物とが仲良く共存する世界を作ろうとしているのでありませんか?」

「ど、どうしてそれを!?」

マキーオは誰にも話していないことをサバーニャが知っていることについて驚きを隠せなかった。

「私は少し先の未来を見る事が出来ます。今後、アズマン様は世界を平和的な方向になるように動くことでしょう。しかしながら、あなた様の力が如何に強大であっても、それは決して叶えられるものではなく、結果的にアズマン様には、約7000年後現れる『神』にしか解決出来ないような事態に遭遇します。そして、それには私達が関わらなければならない運命になっているのです。」

「な、何を根拠に…?そ、それに『神』って…?」

自分が思い描く平和な世界の実現が結果的には叶えられないような、そんな事態がこの自分にやって来るというサバーニャという女性をマキーオはじっと見た。


『何を知っているのか?』

絶対的な力を持つマキーオでさえも、未来は見えない。

そんなことを言われれば誰でも動揺する。

自分に強大な力があればこそ、その力の使い方次第でこの世界の未来は大きく変わるからだ。


「貴方には、過去に『神』、いえ『絶対的な存在』となる方がいたと思いますが、違いますか?」

「えっ?『絶対的な存在』?」

マキーオは次々と投げ掛けられる、自分にとって心を捉えられる様な彼女の言葉に思考がついていってなかった。

そして、最後のこの不思議な申し出に動揺した。


一瞬だが脳裏に思い描いたその存在があった。


それは、遠い過去の記憶。

忘れることのない『絶対的な存在』


それは自分が転生する前に憧れていた、いや『崇拝』と言っていいだろう彼にとってそれは『神』に近い存在がいたことを示していた。


彼女は何を見たのか、どこまで知っているのかは知らないが、本来、あの存在をこの世界の人間が知っているはずはない。


そう、ただの気のせいだ。

そう思ったアズマンは、この時は彼女達を自分の配下に加えることはなかった。


「本日は、流石にいきなりでしたので、断られる事はわかっておりました。ですが、再び、今度はあなた様から私達のところにやって来ることになるでしょう。」

サバーニャがそう言うと、マグローシャ達はマキーオに深々と礼をしてその場を後にした。


「彼女達は一体…?」

城から出ていくマグローシャ達の後ろ姿を城の窓から見送りながらマキーオはボソリと呟いた。



「あれで良かったのかい?」

マグローシャがサバーニャに尋ねる。

「今はあれで十分です。」

とサバーニャは答えた。

「まあ、サバーニャの占星術は時々だけど当たるからねえ。」

「時々って、サンマーサ!そんな失礼なことを言ってはだめですよ!」

「悪い悪い、アジーナ。あのアズマンという兄ちゃん、もうちょっと物分かりが良かったらなと思ってね。」

四人の魔法使いの中で、サバーニャをからかったサンマーサと呼ばれる女性をアジーナと呼ばれた魔法使いが(たしな)めるが、さほど怒っている様子はない。


「まあ、仕方無いよ、いきなり自分の思っていることを指摘され、それを失敗すると否定されるんだからね。」

とマグローシャはアズマンのいる『火の国』の城の方を見ながら呟いた。

「マグローシャ姉さん、これからどうするの?」

サンマーサがマグローシャに尋ねる。

「うーん、私達もこのままじゃ、食べ物(おまんま)の食い上げだからねえ。とりあえず、いつものように薬草でも集めて売るよ。」

とマグローシャが答えると、サバーニャが、

「じゃあ、私は()()()()()占いを…」

と言う。

「ゴメン、それはもう言わないで…」

サンマーサがサバーニャの肩に手を置いて謝る。

「じゃあ、私は魔力を宿すと言われる石を探して売りますわ。」

とアジーナが言う。

「そう言うサンマーサは?」

「うーん、今やってる魔物の研究かな。」

サンマーサはやや頭を振りながら答えるとアジーナが聞き返す。


「あのスライムとか言う原始生命体ですか?」

「そう、あれって魔物の中では最弱のはずなのに時々、物凄く強い上位個体が生まれるじゃない。」

「ああ、例のエンペラースライムのこと?」

「ええ、その進化過程を研究しようかなと…」

サンマーサがそう答えるとマグローシャが、

「仕方ないわね、じゃあサンマーサの食い扶持は私達が何とかするということで良いわね。」

と言うと全員が頭を縦に振る。


「じゃあ、行こうか。」

「はーい。」

「あーあ、城で美味い食べ物でも口にしたかったなー!」

「まあ、アズマン様の下に仕えるのはもう少し先だけど、仕えたとしても美味い食べ物が食べられる日はそんなにないんだけどね。」

「サバーニャの占星術は、既に私達を運命の歯車の中に組み込んでいるからね。」

「そうです。諦めが肝心ですよ。」

サンマーサのぼやきに全員がツッコミをいれる。


そんな他愛もない様な、それでいて重要なことを喋りながら彼女達の姿は『火の国』の王都の街中に消えて行った。


【アサッテ・ハイドのクエスト日記】

ここはメトナプトラのヨーグにある冒険者ギルド・ヨーグ支部(アサッテ達のホームギルド)のギルマス部屋。

エリザベス・オルネア「大変だったな。イスパイタスとドリタニアの両方から報告が来ているぞ。」

(*´・∀・)ノ

アサッテ「何とか逃げてきましたよ。」

(*>∇<)ノ

エ「ハハハハ、そうか、だがな、お前達に指名依頼の少し厄介な案件が入って来ている。帰ってきて早々なんだがそのドリタニアに飛んでくれ。」

ア「ドリタニアですか?」(o゜з゜o)?

エ「そう、ドリタニア王からの直々のクエストだ。」

(* ̄∇ ̄)ノ

ガズン「王室となるとまたまた厄介な案件ですね。」

(´-ω-`)

シン「休みが無くなっちゃいますよー!」

(*゜Д゜)ゞ!

エ「そう言うな、SSS(トリプル)のアサッテを擁するお前達だからこその依頼だ。」

(。・`з・)ノ

ソウド「わかりました。では、依頼の内容を。」

(*・ω・)ノ

エ「ドリタニアの南東部にあるラカンジャ島で違法武器の製造が行われているらしいとの情報があって、そこをちょちょいと調べてもらいたいと…」

ヾ(´▽`*)ゝ

リルカ「エリザベスさん!軽く言いますけど、それってかなりヤバくないですか?」

ヾ(゜д゜)ノ

エ「ちょっと、あ、いや、結構難しいかもね。」

( ̄~ ̄;)

ア「違法武器と言うと?」(o゜з゜o)?

エ「全くわからんみたいだ、王室もわからないから調べてもらいたいと言って来ている。」

ヽ(´・ω・`*)

ガ「雲を掴む様な話ですね。」(´・∀・`)ノ

エ「まあ、これまでの違法武器と言えば『人造魔剣』とか『呪術道具』関係だな。」

ヽ(・ω・`)

リ「鍛冶の国ドリタニアだから魔剣の筋は確かに考えられるわね。」

(´・ω・)っ

ア「『人造魔剣』は何で違法なんだ?」

(´・ω・`)?

シ「あれ?アサッテ知らないの?魔剣や呪術道具なんかは人間の生贄を使って造る事があるからなのよ。」

(o゜з゜o)ノ

ア「ええっ!!?そうなの?」Σ((゜Д゜;/)/

ソ「古代の魔剣製造方法は今の方法とは違っているみたいだが、その製法は地上から消失しているからな。」

(*´・∀・)ノ

ア「そう言えば俺のマグナイトソードも古代魔剣のひとつだったな。目茶苦茶凄いんだけど誰が、どうやって造ったのか全くわからないなあ。」

(*´・ω・`)b

エ「とにかく、アサッテ頼んだぞ!」

(●´∀`●)∩

ア「わかりました。」ヾ(゜▽゜*)



またまた、変な依頼が入りました。

さてさて、どうなるんでしょうかね。

(* ̄∇ ̄)ノでは!


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