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1話 無能力者

国立関東第四海園高校。

人民の税金で建てられた世界8地方の内の1つである特別な高校。


倍率10を越え、地方中の優秀な生徒が通うこの学園は国立大学にエスカレーターで進級することが出来、将来は公務員に就職が出来るこの学校は文学科、技術開発化、体育科、特別科の4つの学科に別れている。


最初の3つは説明不要だろう。

4つ目の特別科というのは100人に1人の割合で人間離れした力を持つ人間達の事で他の科の生徒より優遇された生徒達の集まりだ。


特別能力と言われてもピンと来ないひとが多いだろう。

簡単に言ってしまえば魔法。


性格に言えば魔法とは違う物だが、そんな2000年代の人間には考えられない力を持つ人間の事だ。

手の平から発火装置を使わずに火を起こしたり、磁石を使わずに砂鉄を固めたり、何もないところから科学現象を引き起こすそんな人間達だ。


もちろんそれが全てではなく飛んでくる物の方向を変えたり、空気を震動させ空気で壁を作るという力を得ている能力者もいる。


能力者には2つあり、生み出す力を持つものを生能者(せいのうしゃ)、有るものを操る力を持つものを操作者(そうさんしゃ)と呼ばれている。



そんな中、元政治家の親の力でこの学校の特殊科に入った少年天崎裕斗(あまざきゆうと)はこのクラスで浮いていた。

何故なら俺はこのクラスの生徒達のような特殊能力が無いのだから。


「おい見ろよ、あいつまだ学校に来てやがるぞ」

「親のコネで特殊科に入ったクズがさっさと去って欲しいわ」

「学力もなく、体育の成績は並みの人間ならそれに見合う学校に行け」


「学校の面汚し」

クラスメイトからかけられる視線と言葉が冷徹だ。


ただその中で寄ってくる人間もいなくはない。

「何も知らないでよくいうわね。悔しくないの裕斗」

机の前で立ち声をかけてくる少女。


彼女の名前は坂月夏海(さかづきなつみ)、小学生の頃からの幼馴染みだ。

「悔しいも何も、それが正しい判断なのだから仕方がないだろう」

入学試験で最下位、監督教師から能力無しと判断されたのだから。


「それは違うわ。だって私は貴方に」

「夏海、それ以上言うな」

夏海が口にする前に右手を引っ張り、誰もいない空き教室まで移動する。


「この学校は実力主義である事を知っているだろ。自分の評価を落とすようなことをいうんじゃない」

例えそれが事実でも。

「裕斗、私は悔しいわよ。正当な評価をされずに、ただ貴方が学園の汚物扱いされるなんて」


「その気持ちだけで充分だ俺は、だけどお前は自分の事を考えればいい」

「分かった。貴方の評判を変えるために私頑張るわ」


そう言ってこの場から去っていく夏海。

そこは頑張らなくてもよかった。と言おうとしたがめんどくさいことになりそうなので無視しよう。


夏海は俺と違って優秀な能力者だと判を押している。

特殊科の入学試験で1位になり新入生代表のスピーチを巻かされたほどだ。


対して俺は、親のコネで入学した俺に対する当たりはひどい。

「天崎くん。ちょっと俺たちと一緒に遊ばない」

夏海がいなくなるとクラスメイトからイジメの対象にされてしまうほどに。

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