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第1話 出会ってしまった二人

「ごめん…。幸男くんと、そういうの考えられない…。」

「そか…ごめん…。」


背中を向けて去ってゆく女性。彼は寂しそうに黙って片手を上げてそれを見送った。


また…フラれたか…。

ま…慣れてるし…。


自分でいうのもなんだけど…

容姿はそこそこいいし…、

性格だって別にけなされたことはない。


いつも相手から寄ってくるけど…

オレのこと知ると、だんだん距離おかれて…


結局フラれる…。

なんでかな~…。

ま、理由はだいたい分かってるけどね…。


あれ…?


彼女の背中を見送って、別の道を進む幸男の前に一人の女性が足首を抱えてしゃがみこんでいた。

彼は彼女に声をかけた。


「…どうしました?」

「あ…ゴメンなさい…。ハイヒール折れちゃって…。足くじいてしまって…。」


わ…キレイな人…。

でも、水商売っぽいな…。


「よかったら…肩貸しましょうか?」

「あ…すいません…。ちょっとすれば歩けると思うんですけど…アテ…。」


彼女は一度立ち上がろうと試みるが、その片足は体重を支え切れずに後ろに倒れた。


「無理しないで…さ…どうぞ…。」

「…あ…じゃぁ…すいません。」


肩を貸して、彼女を立ち上がらせた。


あ…けっこう身長あるな…。

オレくらい?


「えっと…どこまで…?」

「あ…お店そこなんで…。そこまでで…。」


お店…。彼女が指さした方向には一階が美容室だが、二階は薄暗いスナックのお店立ち並ぶところだった。

幸男はスナックの定員さんかと思いながら、彼女の体を支えて歩いた。


「あ…はい…。階段大丈夫ですか?」

「あ…ゆっくりで…。」

「あ、じゃぁ一歩あげてください。せーの。はい。も一歩。せーのっ!」

「ふふ…。ありがとうございました。」


お店に到着…。

ここって…スナック…魔王…?


「あ、これ、名刺…もしよかったらお店来てください。サービスしますんで…。」


へーーー…弓美さん?はは…。


「え?どうしました?」

「はは…お名前、弓美さん?でも…実名ではないですよね?」

「あ…まぁ…はい。こういうお店なんで…。」

「今度、ぜひ来ます。」

「あ!よろしくお願いします。出勤日は…名刺に…ここに書いてあるんで。」

「あ、はい。じゃ…。」



ふふ…。フラれたけど…。

今日はいい日かも…。

一目惚れ…かな?


でも、お店の人だからなぁ…。

成就は難しいかな…?

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