94『閉じた世界ってやはり、そういうのは在る・・とは聞きますが、どうなんでしょう?』
ポロヤンさんを刺激しないよう注意しつつ【北の村】へ入ろうとすると、オッサンが一人源太ちゃんを見掛けた途端走ってきた。
「ポロヤーン、あの買取り書は・・おお、ゲンタさん大丈夫でし───
・・ソチラの女性は?
しかもそんなに沢山の・・!?」
デジャブ。
「・・・・なに?
ハーレムでも築いてたの?」
「ち・・違う!?
儂、違う!!」
・・なんでカタコト?
俺がジト目で睨んでいるとポロヤンさんがフォローしてくれる。
「父さん、コチラはゲンタ様の御家族でカンタさんとソウタさん。
コチラは御二人の仲間の方々だそうです」
「ほ・・!?
・・ほう、そ、そうでしたか。
コレは失礼しました。
私の名はパラヤン、ソコのポロヤンの父で共に【連合】にて行商をする者です」
「あ、どうも。
幹太と言います」
挨拶もソコソコに、取敢ず【北の村】の俺達の拠点である村長宅へ。
皆の手荷物を村長宅の一室に置き、宿賃代わりの【ケルピー】の鱗を村長さんの奥さんに渡した後、今日の予定を話ていると
「おおカンタ姉御とソウタ姉御、どうしたんですかい?
ディッポファミリー傭兵団の人間は今一人もこの村に居ませんぜ?」
あ・・魔物の森にて【コカトリス】を退治した後、反省し男尊女卑を止める事を誓ってくれた傭兵の一人だ。
「あー、そうなんですか・・。
いや、今日は彼女達の進路とかアレコレって感じですんで」
「そうですかい?」
「あっ、姉御! チィーッス!!」
「「「チィーッス!!」」」
「もしオレ等のチカラが必用なら言って下せい」
「どうもー♡」
あー駄目だ、今だ無条件の善意を向けられるとニヤけてしま
「・・ハーレムでも築いとったんかのう?」
「ち・・違う!?
俺、違う!!」
「そうですわ!
ゲンタ様は間違っていますの!!」
「ザレ!」
「ハーレムとは・・女の子の、お、お嫁さんを集めた場所ですわ♡」
「・・・・・・」
「ち・・違う!?
俺、違う!!」
「・・えっ? コレ、あたし等も含まれてんの?
・・まあカンタ先生とソウタ先生なら良いけど・・」
「「「うーん・・まあ」」」
「ち・・違う!?
俺、違う!!」
「わーい♡」
いやいや、颯太!?
無邪気に照れてないでフォローしてくれよ!?
◆◆◆
軽食を取った後は晩飯まで自由行動。
将来、傭兵になりたい娘は ( 魔物の森には入らない条件で ) 素材回収班の様子を見に。
リャター夫人の会社とその系列にいきたい娘 ( 【モスマン】の所で働きたい娘達なども ) は素材を取引する商人の様子を見に。
ただ一般人の生活を肌で感じたい娘などは ( ナンだカンだで、孤児院から女学園へ、閉じた生活しかしてこれなかった娘も多いしね ) 村を適当に散策。
俺と颯太と源太ちゃん、リャター夫人とザレと一部女生徒達は文化の違う【連合】で活動するパラヤンさんとポロヤンさんの話を聞く事に。
一番最初のプロットを書く前・・思い付いた主人公は
「ほっこりビッチ」でした。
幹太「!?」




