93『何となくゲシュタルト崩壊って、紙にペンで書いてる時だけの現象だと思ってました。』
【魔力譲渡】を何組かが行い疲れ果てた結果、無理をせず今日はココに泊まる事となった。
「私・・座学も戦闘もイマイチで───
皆みたいに戦闘職も会社も上手くやる自信が無くて・・」
「その辺の雑魚傭兵よか、よっぽど強いんだけどなあ」
「でもココなら危険な魔物は居ないし・・【魔力譲渡】ならソコソコ自信が有りますから・・」
「あっ・・アタシも・・!」「私も!」
確かに、戦闘格付けで下位の娘達ばかりだ。
( ソレでも俺よか武術の才能あるコが殆んどなんだけどな。)
「まあ、その辺はリャター商会と・・何より【モスマン】が君たちを認めてくれるか、だね」
『チャッ!!』
( 厳しいぞ!! って言ってるっぽい?)
予備のマユも全部真っ青のマユにして
就寝、翌日【モスマン】と別れて下山。
◆◆◆
【北の村】に到着。
だいぶ、村周りは魔物の死骸は綺麗になったかなあ。
その代わり、素材回収の傭兵達や素材取引をする商人が使う簡易小屋が点々とあるが。
「あっ、ゲンタ様!」
「「様!?」」
薄い金髪と透けるように白い肌の物凄い美人が源太ちゃんを見掛けた途端、コッチへ走ってきてイキナリ源太ちゃんを様付けで呼んだ。
思わず颯太と「えっ!?」となっていると、その美人が俺達を見て───
「げ、ゲンタ様・・?
ソチラの女性は・・?
しかもそんなに沢山の・・!?」
「げーんーたーちゃーーん?」
「む・・むう、ポロヤン殿・・パラヤン殿は?」
何か変な三角関係に巻き込まれたっぽい。
女生徒達やリャター夫人はナニヤラ目をキラッキラさせている。
・・いや、勘弁してくれ・・。
◆◆◆
「ど、どうも申し訳ありませんでした・・まさかゲンタ様の御家族とは」
「あー・・コチラも源太ちゃんが御世話になっていたみたいで・・」
この人はポロヤンさん。
源太ちゃんが異世界転移して最初に出会っていらい、ずっと御世話になっている父娘商人の娘さん・・らしい。
様々な国・民族が集まって出来た【連合】の中でも少数民族の出身だそうで、【銀星王国】も白人の国だと思っていたけど、この人と比べたら肌が濃い。
・・てか・・・・てかさあ。
「源太ちゃんが好きなの?」
「ブフォオッ!??」
颯太・・聞いちゃう?
ソレ聞いちゃう!?
村を歩む中、ずっとポロヤンさんが源太ちゃんを案内している・・んだけど、どう見ても手繋ぎデートしているようにしか見えない。
源太ちゃんは、やや困った感じだけど・・ポロヤンさんは『モロ』そーゆー表情だ。
「・・・・♡」
頬を朱に染め、「イヤン♡」って感じで照れている。
正直・・ザラクスさ「んの話をしている源太ちゃんの顔とおんなじだねぇ」
「・・ふ?・・・うふ・うふふ・・うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふぷふふふふふふふふふふふふふふふふふふ♡」
恐えぇよ。
慌てて颯太のクチを塞ぐリャター夫人。
颯太も鈍感なりに何かヤバい地雷踏んだ事に気付いたか、リャター夫人他まわりを取り囲んだ女生徒達の一斉の『しぃーッ!!』にコクコク頷く。




