86『源太もコッチ ( 正当派勇者脱落・エロのないエロゲー ) ルートへ突入しました。』
「正直・・キミ達なら、と、納得しそうになるが───ソレは『魔物の森組』と一部の人間だけだ。
世間は『対、街破級』がキミ達とその仲間だけ、というのは・・」
「今、正にその話をしていたのだ」
ウェスト傭兵団・副団長イーストさんが俺に問いかけてくるとザーロスさんが話を受け、御互いの状況確認をする。
疲れた顔でボロボロの薄汚れた服を着たオッサンが高位貴族だと知り、慌てて佇まいを直す傭兵のみんな。
ディッポ団長が小声で
「言っとけ、馬鹿ヤロウ!?」
と睨んできた。
ごめんちゃい。
「最初僕たち、女学園を守ろうとしてザーロスさんを倒そうとしてたしねぇ」
「・・ま、まあそういう事だ。
畏まらなくて良い。
『対、村破級』に、ソレぐらいで不敬に問わん。
・・何より、疲れた・・。
無駄な前置きなどはしたくない」
魔法使いでない人達に、
「本心で言っているよ」
と伝えるも、ソレでも貴族と会議なんて御免だという人がソソソ・・と離れて、ザーロスさんと俺 ( 【ファフニール】討伐隊 ) 達に馬や馬車を渡し、俺達は女学園へ。
馬車にはまだ体を動かすには不安がある俺、俺の付き添いで颯太、ザーロスさん、リャター夫人、仕方無く・・本当に仕方無くといった感じでディッポ団長とウェスト傭兵団団長とイーストさん。
ソレ以外は一部を残し、敵が居ないならと【北の村】や街へ帰っていった。
源太ちゃんとジキアは同じ馬で並走 ( 源太ちゃんを背中に感じて顔を赤くするジキアに笑顔で 「ジキア♡」 というと顔を青くする。
別に怒ってないよお? )。
ザレはちょい男酔いとでもいうか、トラウマが振り返す程でもないけどヤヤ挙動不審気味なんで、女生徒達と共に二台目以降の馬車で並走、もしくは追走。
女生徒達の一部はイーストさんとウェスト傭兵団団長にキャアキャア言っている。
ウェスト傭兵団団長とは初めましてだが、ト○・クルーズ系のお顔。
イーストさんは・・あの映画の主人公の・・名前誰だっけ?
良い感じに無精髭を生やした渋いオッサン系だ。
「ディッポ団長は? 野獣系だぞ?」
と聞くと、
「・・あー・・あはは・・」
と渇いた笑いで返された。
◆◆◆
「迷ってたハグレ一匹を『ウェスト傭兵団』『ディッポファミリー傭兵団』その他・・傭兵ギルド総力に近い形で何とかな」
素材回収班もどうやら【ファフニールベビー】らしき魔物を倒していたらしい。
あの混乱につぐ混乱の中だ。
俺達の認識して無かったハグレがいても・・おかしくはない、か?
「あんなナリで『村破級』と比べモンにならン奴を放っといて、何処で遊んでやがると思ったら・・ハッ!
───『街破級』だァ?
全く・・この歳で録な目に合わねぇぜ。
とんだ疫病神を拾っちまった」
「団長ー、愛してますよー♡」
「「え"っ"!?」」
「───ソレだ!
諸君等全員『対、街破級』だ」
「「「はあ!!??」」」
俺、颯太、源太ちゃんの3名。
女生徒とリャター夫人の24名。
白百合騎士団凡そ20名。
黒薔薇騎士団凡そ20名。
リャター商会の戦闘員凡そ60名。
コレに傭兵団凡そ180名。
合わせて凡そ310名。
その戦闘員全員が疑似魔法使いとなれば、ギリ言い訳になる ( ・・筈? ) との事。
「───まったく・・我等『ウェスト傭兵団』は何もしてないぞ」
「ウェストのぉ・・テメエ等は元々『対、街破級』を狙ってたじゃねぇか。
オレぁ、んなモンいらねえンだ。
『対、村破級』ぐらいで丁度イイ」
「我等にもプライドという物がある」
実際『街破級』ともなれば被害範囲はとてつもない。
ソレを防ぐ ( 防いだ ) 人員も『対、街破級』って訳だ。
「えっとね~、【ファフニールベビー】が普通の『村破級』より強いっていうのも、普通の攻撃が効かないからじゃないかな?
魔力付与を試せてたら寧ろ弱いぐらいかも」
「そうかい、御嬢チャン?
おうジキア、おめえその魔力付与っつうの出来ンだろ?」
「うん?
少年、大丈夫かの!?」
「うぐぶぅふう・・っっ!!」
そこにはドンドン体温が上昇していくジキアを心配し、より強く体を密着させて診察しようとする源太ちゃんと・・密着箇所が増えるたび、涙を流し鼻水を垂らし食い縛る歯のスキマから涎を溢しながらもナニカを堪えるジキアがいた。
「「「「・・・・」」」」
みんな ( 颯太以外 ) がジキア達を見て・・俺を見る。
「・・さっさと喰っちゃえ?」
「い、いや・・ソコまでは言わんが・・」




