80『バンカーバスターって、名前が格好良すぎだと思います。』
「あの真ん中の辺り ( 泥は上から見たら、やや『エ』の形っぽくなっている ) に最大威力の魔法を撃てば、核の位置はかなり限定される筈」
想定だと、南北に泥が残るだろう。
なので颯太チームと源太ちゃんチームに、バリスタ隊を分ける。
≪──ヴッヴヴッ・・──≫
「・・む? 何の音だ・・?
【デロス】・・・か!??」
≪リ"ャ"タ"ア"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ッッ!!≫
泥の池全体が、震え波打つ。
『アレ』全部がスピーカーみたいなんに、なってんのか?
「「「「ぐううぅぅぅ・・!!!?」」」」
なんつう音だ!?
振動の壁とでも言うべきモンに押し潰されそうで、皆殆んど動けてない。
耐えるだけで必死だ。
颯太と源太ちゃんは身体強化でどうにか、って所だな。
俺は防壁魔法で辛うじて。
せっかく皆から貰った魔力が無駄になる。
「──颯─大丈───ぐっ─仕方──全力───」
「・・んっ、分か・・・・」
満足に打ち合わせも出来てないけどやるしかない・・!
颯太とのパス以外の全魔力を破壊力だけに回す。
飛距離も、操作性も、弾速も、全部『0』。
再生魔法も、防壁魔法も、吸着魔法も、身体魔法も、感情レーダーも、全部『0』。
「~~~~~~ッッ!!!」
「・・・か・ん・・姉ちゃ・・!??」
「──丈夫───」
ナニにも守られなくなった両腕が軋む。
代えた包帯が一瞬で血塗れになる。
・・でも、良い。
颯太を信じているから!
「───バンカーバスターァァァ!!!!」
造った魔法は唯の魔力の塊。
颯太の意志でのみ起爆する唯の爆弾。
「──そ─う──タ───」
「・・うん、行く・・よ・・!
・・えええええええええいっっ!!!」
颯太渾身の蹴りで、俺の魔力塊を【デロスファフニール】に撃ち飛ばす!
≪リ"ャ"タ"ア"ア"ァ"ァ"ァ"ッッ!!!!≫
ヤツが更に圧力を上げるが颯太を舐めるなっ!
振動の壁を貫きヤツに着弾する。
「いけええっ!」
最後に見えたモノ・・それは俺と颯太とみんなのチカラが合わさった、圧倒的暴力だった。




