79『強敵には、みんなのチカラを一つに合わせて。』
未だ完治せず・・。
済みませぬ。
「か・・幹太姉ちゃん、大丈夫?」
光だか闇だかが視界と頭の中で明滅しつつ・・目が覚める。
・・気絶してたのか? 俺?
う"ぅ"・・まだ頭がフラフラする・・。
「───ふぁ? 颯太?
あ"~・・俺、どうしたんだっけ?
殆んど覚えてないけど、大丈・・って、ジ・・ジキア!?
大丈夫かっ!?」
「───ふぁ? カンタさん?
あ"~・・オレ一体どうした・・ってカンタさん!?
【魔力吸収】はオレだけにして下さいッス!」
あぇ?
何だ、いきなり? 【魔力吸収】??
このダルさって【魔力吸収】の後遺症なのか?
・・ってか、俺【魔力吸収】するのは躊躇ってたハズなんだけどなあ・・【ファフニール】相手に仕方なく決意したのか?
泥になった【デロスファフニール】は更に移動スピードが落ちている。
どれだけ寝ていたのかは知んないけど、そんなに今直ぐどうこう・・というほどは進んでも広がってもいない。
「あ″~・・済まん、【デロスファフニール】相手に手段は選んでられなかったらしい? のか?」
「そ、そそそ・・そんな事より御姉様!?
【デロスファフニール】相手になんとかなりますか?」
「んー・・」
女学園のみんなの魔力───
分かる。
分かるぞ・・!
量だけで言えば確かに俺の本気には程遠い。
魔法使いじゃ無いみんな。
魔力付加で消耗していたザレ。
【デロスファフニール】の囮で肉体的にも大きく消費していたリャター夫人。
・・でも。
俺を想う気持ちで溢れている。
魔力と感情は密接な関係がある。
想定値以上のチカラが俺の中にある。
「───大丈夫!
みんなの想いは受け取った!!」
「え″っ!? ・・あ、ああ・・はいっ♡
( 御姉様を想ってる、というのは本当ですし・・助けたいのも嘘ではないですわよね! )」
「ガンバレー、カンタさん♡」
ん?
皆あんなに汗をかいて・・そんなに無理させたのか・・。
───みんなのチカラと想い・・無駄にはしないっ・・!!




