66『逆に足でカ○ハメ波、みたいな?』
僕が空中を蹴って、空から奇襲しようとしたら・・女の人も空中を蹴ってきた。
反対に身体を伸ばす直前に合わされて、剣を振りかぶってくる。
咄嗟に足で前に飛ぶのを止めて、手に力を入れて後ろに飛ぶ。
「ほう・・魔法使いと闘うんは初めてなんで、ついつい地上戦の感覚でやってもうたわい。
・・そうか、『突く場所』は一瞬で何処にでも変えられるんじゃなあ」
「う、うるさい!
学園には近づけさせないぞ!」
・・この人、メチャクチャ強い!
だけど何だろう・・。
剣を使ってるケド、本当に剣士なのかな?
なんだか無理して剣を使ってる気がする。
動きは凄いのに、剣の振り方は素人同然なんだよね。
それに・・感情レーダーで、デロスみたいな悪意がマッタク見えないよ?
幹太姉ちゃん───
◆◆◆
ぐうっ・・一撃一撃が重いわい!
技はまだ子供らしい素直さがあるんで、何とか闘えとるがの・・魔法の使い方は向こうに一日の長があるな。
それに───
『──ギイィィイィンンッ──』
「ちいぃ・・!
何じゃ、この流星の馬鹿気た連射速度は!?」
幼女を御手本に、幼女が剣を避けた・・瞬間に剣を空中で反射させる。
有り得ん軌道で迫る大剣に幼女が目を見開き───
流星が剣の軌道をほんの僅か反らし、幼女に避ける隙を与えてしもうた。
威力こそ大した事無いが・・。
速度といい、飛距離といい、操作性といい、【にいずほっぐ】よりも・・いや、もし近距離ならば威力すらアレの水噴射を上回るやもしれん。
其れを、こんなバカスカ連射しおって・・あの山にはどんな化物が居るんじゃ!?
───・・やってみるかの?
◆◆◆
「ゼェーッ・・ゼェーッ・・・!」
「お、御姉様・・大丈夫ですか!?」
「無理もないッスよ・・。
オレとザレさんが二人係りでも、一発も撃てないような大魔法をもう何十発も撃ってんスから!」
魔力消費もそうだけど、両腕の激痛の方がキッツいなあ・・。
けど二人の動きが激しい上に速過ぎるから、沈痛用の再生魔法分すら操作制御に回さなきゃなんない。
「───あっ」
「な、何スか!?」
「敵が・・颯太を無視してコッチに来てる・・!」




