64『『電動』を付けるか一瞬迷いましたが、ウチそんな下品な小説じゃ無いんで。』
「そ・・そ、そそ颯太ぁ・・・!」
「お、御姉・・様?
・・落ち着いて下さい!?」
「はっ、あはははっ?
俺はチョー落ち着いているぜ、イエーイ!
【ファフニール】を木芥子にしてやろうか!?」
颯太は最強だぜだから暴走なんて知った事か最大威力をガンガンぶっ放せバインダー!
「か、カンタさんがブッ壊れたッス」
「こうなったら・・最終手段ですわ!」
「よーし、颯太ァ・・待ってろよォ。
今、颯太の立っている場所を除いた地殻ごと焦土にし───ぎにゃああああああああああっっ!?」
・・我に帰るとザレが、俺の胸に顔を埋めながら揉みしだいていた。
分かったから、分か・・ちょ、あっ───
「御姉様が落ち着くまで、ザレは・・ザレは仕方無くヤらなければ成ら『ガンっ ( チョップの音 )』
「落ち着いた?」
「・・はーい」
「あと、ジキア。
前屈みで眺めちゃダメ」
「・・はいッス」
「まあ兎に角、イキナリ我を忘れて悪かった。
済まん。
また変に成らないようサポートしてくれ、頼む」
二人が真面目な顔で頷く。
俺がパニくっても、颯太が危険になるだけだからな。
「ソウタちゃんとのパスは?」
「繋がってる。
颯太からの『心配しないで』って感覚も分かるな」
冷静になって分かった───
今まで、何時も一緒にいたから意識出来無かったこの感覚・・何と言えば良いんだろ。
『心配しないで』ってのも、考えが分かる『テレパシー』的なモンじゃないし・・『双子の共感覚』『シンクロ率○○%』の方が近い・・の、かなあ?
「ソウタ様に当てないよう、ソウタ様を狙えますの?」
「狙える。
俺からのパスと同時に颯太からのパスも来てるから、颯太周辺ならココと同じレベルで炎を操れるぞ」
コレは以前から薄々実感していたけど、颯太も何時、何処にどんな魔法が飛んでくるかが分かってるっぽい。
「もうすぐ接敵、この悪意・・間違い無い、デロスがいる!
颯太の飛び込みに合わせるから頼む!」
「「了解 ( ッス! )( ですわ! ) 」」
暴走ギリギリまで魔力を高める。
6kmは流石にそうゆう距離だ。
「身体動かし用魔力カット!
再生用魔力カット!
防壁用魔力カット!
吸着用魔力カット!」
更に操作精度を上げる為、普段は同時併用している魔法を ( 狙いを付ける感情レーダー以外 ) 全部カット。
ついノリで
『システムオールグリーン!』
と叫んだら二人同時に『はい?』と、真顔で返されたのは存外恥ずかしかった。
『木芥子』
由来は色々説があるそうですが、
『とある木工職人が端材で我が子に作ったのが元』
が一般的だそうで、この世界にも ( 似たようなのは ) 当然存在します。




