61『幹太も30m先の視力検査表は全部見えます。』
前話ラスト、
『人型生物の死体が横たわっていた』
↓
『人型生物の死体が埋まっていた』
に、修正しました。
「ザレさん、教科書だと【ファフ・・】ナントカってどんな奴?」
「え・・えっと【ファフニール】は、ですね───」
曰く。
ズングリムックリの100mを超す巨人。
毒の息を吐く。
200年前、金銀財宝が大好きな欲深い男が変身し、世界中の人類を殺しながら富を強奪していった。
「───盗んだ富の隠し場所と、同時攻撃されて慌てふためく隙に毒切れを起こして討伐された・・と、在りますわ」
「何処で?」
「・・この大陸の何処か、ですわね」
「「「ああー・・」」」
可能性が絶対無い・・とは言いきれないなあ。
崖崩れは右鎖骨 ( に見える ) 部分から起きていて、右足元 ( に見える ) 部分までが露出している。
丸まった体育座りをしているように見えて、顔は見えない。
体型が人間と違いすぎるんで身長は分からないけど、現状でビルの八階 ( 一階平均4mとして約32m ) ぐらい?
立って、仮に倍になっても60mちょい・・か。
「・・【モスマン】のマユには包んだ相手の肉体と魔力を吸い取る力がある・・んだよな?」
「た、偶々・・ッスよ。
違う地質が崖崩れで見えてるだけッス」
「でも、もし・・『コイツ』が『そう』だとしたら・・【モスマン】は『コイツ』が死んでいると気づいて無いのでしょうか?」
「いやあ・・まさか・・。
先祖が余程怖い目にあったから、最後の一欠片まで代々この作業を受け継いでいるんじゃないか?」
「御姉様の魔力でも破壊出来ませんの?」
うーん・・暴走しないレベルだとちょっとづつしか砕けないなあ。
包帯の両腕を見下ろしながら言う。
この巨体だと数週間仕事か。
「女学園の戦闘講師の仕事もあるしな。
ちょっと今すぐは無理だ」
「そう・・ですわね。
・・ああ、たった一日女学園から離れただけでもう、懐かしいですわ」
「ココからだと女学園ってどっちの方角なのかな」
「アッチがひらけてるッスね。
麓が見えれば方角が分かるッス」
空も麓もはっきり見える場所へ。
ジキアが地図を取り出そうとして───
「アレ、何だろう?
幹太姉ちゃん、アッチに20人位の馬群がいるよ?」
「えっ? 何処だ??」
「ほら、アソコ・・6kmぐらい向こうの」
颯太、6kmはアソコとは言わない。
「・・ん?
ザレさん、女学園はココッスよね?
ソウタちゃん、馬群はこの辺りッスか?」
「ジキアさん・・コレって・・!?」
「この馬群、女学園に向かってる?」




