表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/547

59『野生の生き物を餌付けしてはイケません。』


「───ココを・・こうして、コレで完了ッス」




ジキアが、葉についた【モスマン】のマユを傷つけず取り、ひっくり返して葉についてた部分の穴を見せてくる。


キノコの傘にも見えるな。




「おぉ・・芋虫が入ってんのかと思った」


「芋虫と卵のマユは土ん中ッス。

【モスマン】は、餌の小さい虫や植物をマユで包んで、マユごと食うらしいッスね」


「じゃあ【モスマン】のゴハン無くなっちゃうの?

みんな大人しく見てるけど」


「取るのは空っぽの白いマユッスよ。

基本、この山の魔物は自衛以外で人間を襲わないらしいッス」


「【モスマン】もですの?」


「そうッス。

マユの数を守る為にも、出来うる限り殺しちゃ駄目ッスよ」


「「「了解 ( ですわ )」」」




あの羽が退化して手足が進化したようなのが【モスマン】か。


山に入った俺達を遠目に眺め、警戒する魔物達・・いわゆる野生動物のような動きを観察しつつ、【モスマン】のマユを集める。




「微かに青みがかってるのが、中のエサが融けてマユに魔力が宿っている状態ッス」


「グロも無さそうだな」


「白色なのは、エサが取れない時期用の非常食らしいッスね。

今はその時期じゃ無いッスから【モスマン】が餓死する心配は無用ッス」


「ふーん、本来はマユに貯まった魔力を食うんだな。

じゃあ非常食を採っちゃう御返しに、青いマユに魔力を分けようか」


「出来るんスか?」




【魔力吸収】の要領だな。


【ワーム】にやった、相手の体内に俺魔力を送るアレだ。


爆散も魔力汚染も困るんでちょっとだけ魔力を送る。




「・・う、うすい青色が一瞬で真っ青に成りましたわ」


「あと大っきくなったよ」


「や・・ヤバくないスか?」


「・・・・・・よし。

代替えのエサを用意して、捨て───」




───と、思ったら一瞬で【モスマン】が群がる。




「「「ひいっ!?」」」


「うわー凄いねー」




颯太以外が腰を抜かす。


体長30cmの人型蛾10匹が、膨らんで20cmぐらいになったマユに群がり貪り食う様は恐ろしすぎる。




「・・く、食い終わった・・みたいッス」


「う、動かないですわ」


「み、みんなで逃げん?」


「あ」




10匹の【モスマン】が・・ゆっっくり、コチラを振り向いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ