67『諸行非情の叫びあり。』
「すみませぇーん?
どなたかー、いませんかー?」
「あ? 何だ、この小娘?
おい小娘、どっから迷いこんだ?」
「ああ、良かった。
いらっしゃいました♡」
いそがしいパパの目をぬすんで・・街ナカをサンポしてたら、『 ゆーかい 』 されました。
───ですが・・とある 『 うわさ 』 をパパがいっていたのを思いだし、ココまでムテーコーでやって来ました。
ついたアト、ゆーかいしてきたヒトたちからハナレてココまできました。
「また、誰かが拐ってきたのか?」
「ったく・・小娘だからって、フラフラ歩かせやがって。 管理ぐらいしとけよ」
『 あやママ 』 は、わりと・・やりたいコトはやらせてくれます。
ですが─── 『 かんママ 』 は、“ しんぱいしょう ” なので、かんママとパパのメのとどかないトコロだと、あまりうごけません。
わたしも、はえある 『 あきはらけ 』 のイチインなのですから・・。
かんママも、パパも、ダイスキですけど・・わたしも、リッパな 『 れでぃ 』 なので、もうちょっとシンヨーしてほしいですわ。
「コチラのカタが、『 キュウセダイ 』 とナニかカンケイある・・ときいたのですが」
「───!?
てめぇ・・どっからその情報を・・」
「あら、ホントウだったんですね!
・・・・。
“ みなさん、ホントウでした ”」
「あ?」
「“ ええ、はい ”“ ・・うーん? ”“ あ、そうですね! ”」
「お、おいっ・・ブツクサ一人言を言ってんじゃねぇよ。
ウス気味悪ィな!?」
“ みんな ” が、“ まじょ ねっとわーく ” ? で、つかんだパパにからのジョウホーはシンジツでした。
───つまり、このヒトたちは・・かんママたちの 『 敵 』 。
「・・な、何だ、この小娘?
頭がオカシイのか?」
「だけどよ、良い服だしツラも良い。
高くは売れるだろうよ」
「・・そうだな、面倒臭え。
一発ブン殴っちまえば───」
「すないぱーらいふる」
「・・・・あ? 何だ、今の光?
この小娘、魔法使いか?
なら、欲しがる奴はたくさん───」
「お、おいっ・・お前!?」
「あ?」
「・・うっ、腕!
自分の腕を見ろっ!?」
「ああ? オレの腕が、どうしたって・・・・・・・・んなああぁぁ!?」
『 敵 』 ───わたしを、たたこうとしたヒトリが・・ジブンのウデを見て、オモシロイかおをしています。
いえ・・セイカクには、ウデの 『 あったバショ 』 を見ています。
「痛"て"え"え"え"よ"お"ぉ"ぉ"っ!??
オ"レ"の"腕"か"っ、オ"レ"の"腕"か"無"ぇ"ぇ"ぇ"っ!???」
「この小娘・・ま、まさか───【人土】!?」
「い、いや・・ソレ以上の魔力だ!
たぶん、王族の───」
◆◆◆
「えっ、イーシアちゃん・・中に、魔女が居るの!?」
「あの子が幹太のお腹の中に居る時、めんどくさい病気が見つかったのよ・・。 地球医学も御手上げだったし、幹太の中だからビタの薬草も使えなかったし───最終手段として、ね」
「ま、まさか」
「たぶん、そのまさか。
イーシアも・・アンタたち 『 姉妹 』 や 『 源太ちゃん 』 に 『 ヨー 』 と同じよ」
「・・・・」
「幹太の魔力を受け継いでいる上・・魔女の助力も、しっかり受けてるあの子は子供たちの中でも最強───アンタたちに限りなく近い存在なのよ」
「つまり・・」
「拐われた事は凄く心配だけど・・怪我や酷い目にあわされる事だけは無いって断言できるわ。
・・・・寧ろ、相手の方が───」




