表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
528/547

63『運営様に怒られない話。( たぶん。)』

 

「ぐっ・・ぐぐっ・・・・」


「アタシはローソクを持上げるイメージだけど・・想像力の化け物、幹太ちゃんは炎その物を持上げるって言ってたしねー」




誰が想像力の化け物だ。


ココは傭兵ギルド総本部VIP室。

先ずは親友だと言うヨーに任せようと、彼女がチホさんの魔法師匠に成っている。


その隣に理太くん。

次は自分が身体強化魔法を教えるため・・なのと、理太くん自身も炎魔法の練習している。

颯太と同じく、身体強化魔法は天才的な才能が有るけど・・炎魔法だとかは一切使えないようだな。




「ま、ヨーが使う魔法は『 究極の基礎 』というか・・使いやすい魔法だろうさ」


「『 原始 』魔法、とでも言うべきだものね」


「ああ」




彼女の 『 母親 』 から習った魔法らしい。

最初に魔法を使った、あの人の───




≪・・幹太ちゃぁん?≫


「聖者?」


≪キミは・・コレで良いのかい?≫


「覇者・・ヨーの事か?

そういや二人は、ヨーと全く会話してないな。

・・逆に聞くけど、二人は良くないと思っているのか?」




聖者と覇者、あと『三者を越えし者』である賢者。


この三人の魔女は、昔とある男の嫁だった。

三人は、深く深く男を愛していた・・けど、男のほうは彼女等を利用していただけだったのだ。




「今はもう、『 アイツ 』 は居ない。

───ヨーは、ちょい天然だけど良い娘だろうさ」


≪良い娘なのは認めるわよぅ。

・・認めるからこそ、『 彼 』 にヨーが消されはしないか・・心配なの≫


≪無論、かつて世界を救った 『 三者 』 としての矜持から言わせて貰えば・・事はヨーだけの話じゃない≫




二千年前、千年前、83年前の、世界的危機の再来・・か。




≪ヨーは・・3年前までは、魔法を使え無かったわぁ。

貴女の目覚めとリンクしたかの如く、魔法を使えだしたのよぅ?≫


≪ヴォイドは、厳重に封印してある。でも・・・・でも、なんだよ。 幹太くん≫




・・・・。




「問題無いさ。

魔王討伐隊に、新世代の傭兵団や騎士団に【人土・人花・人狼(さんしゅぞく)】。

魔女は全員味方になってくれた。 ウィンも。

そして何より・・ヨーが居る。

『 アイツ 』 なんか、敵じゃ無いさ」


≪そうか・・そうだね。

君が言うなら、そうなんだろう≫


≪今や、全魔女の主となった幹太ちゃん≫


「別に主になったつもりは無いし、チカラが無くても同じ結論だよ」




皆には、それだけのチカラが有る。




≪分かったわぁ、このお話はコレで御仕舞いよぉん≫


「このお話()?」


≪幹太くんと彩佳ちゃん、まだまだ 『 お盛ん 』 みたいだねえ?≫


「はいっ!?」


「ぶフォっ!?」




隣で俺たちの会話を、ミルクティーを飲みながら聞いていた彩佳が・・思いっきり吹く。


同じく、反対側隣で聞いていた颯太もニヤニヤしながら聞いてくる。




「結婚して三年目ぐらいだったら・・全然ガマン出来ない時期だよねぇ♡」


「颯太っ!?」


「大丈夫、ダイジョーブ♡

僕と理太郎くんも、割りと子供たちが寝てる隣で・・・・♡」


「颯太あああっ!?」




秋原家の人間が、性欲強めなのは・・まあ認める。

性欲が強い=相手 ( 俺の場合は彩佳 ) への愛情が強いって事だからな。


颯太にも、そりゃその素養は有るんだろうけど・・特殊な性癖はお呼びじゃ無い。


聖者と覇者(エロエロ)()二人コンビに毒されたと思いたい。

悪霊か。

魔女の主っつうなら、その権限でお祓いしたい。




「幹太さん!?」


「幹太姉ちゃん、どうしたんだ!?」


「あ、なんか旦那様と同じ表情してるー!」




あ、あんな変態と一緒にすんな。




「も、もう寝ようかって話をしてたんだよ!」


「・・そうね( 怒 )」


「「「 はあ・・? 」」」




怪訝そうなチホさん理太くんヨーの三人だけど、寝る。

彩佳も溢したミルクティーを拭きながら ( 何故か ) 俺を睨んでくるし・・寝る。 ぜったい寝る!


でも、小声で悪魔の囁きが───




≪( 幹太ちゃぁん? 私が貴女のお母さんの前世・・森の民の御先祖様だって忘れてなあい? )≫


「( んぁ・・!? )」


≪( 貴女のお母さんの植物好きは、私の血筋。 薬毒なんでもござれ。

・・媚薬も、ね♡ )≫


「( !?? )」


「( 幹太姉ちゃぁん、一度ハマっちゃうと・・逃げだせないよ? )」




・・・・・・・・。


結局、10分ぐらいはガマンしたんだが───キツくなった俺と彩佳は、空き室を ( 黙って ) 借りて朝まで鍵を掛けた。


隣じゃ無い(・・・・・)

だから、聖者に勝ったのだ。

・・勝ったのだ。



◆◆◆



「おはよー」


「・・・・颯太、何か言う事は有るかしら?」


「うににににに・・!?

ごめん、彩佳姉ちゃんっ!?」




目の下にクマを作った、でもお肌ツヤツヤな彩佳に頬っぺたをツネ上げられる颯太。


まあ颯太の気持ちは・・何となく予想出来る。

颯太の好きな人は・・もう居ない。


そして【人土の巫女】のスペアにして、強力な【人土】である颯太は・・コレからの永い時間を───一人で過ごさなきゃならない。


たぶん、寝寂しい夜を・・多少はああやって誤魔化しているんだろう。

( 主な被害者は俺と彩佳だが。)




「俺にもっかい 『 再構成 』 が来て、善人男に惚れちゃうように・・颯太にも春が来ると良いんだけどなあ」


「颯太さんに、春・・ですか?」


「あ、チホさんおはよう」


「おはようございます、幹太さん」




コチラもやや目の下にクマが有るチホさん。

変な意味・・では無く、徹夜した甲斐あって幾つかの魔法を覚えたらしい。




「理太くんから、二人が旅立つキッカケは聞きましたが・・」


「俺が目覚めた数日後・・ずっと病床に居たのに───まるで 「 もう良いよ 」 と言わんばかりに理太郎くんは亡くなられたそうだからなあ」




まあ颯太の心の問題だ。

颯太に任せるしかない。

( 聖者は、キツく怒っといた。)

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 脱字:に ( 聖者・は、キツく怒っといた。)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ