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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
527/547

62『「 よーし、一緒に奴等のミソを掬おう! 」「 ソレは遠慮します 」』

 

『───でっ!?

なんで日本人を狙った?』


『お、オレも『旧世代』に入りたかったんだ・・』


『・・入れなかったのか?』


『き、き『旧世代』のノの、いっぱイい一般兵にももも劣ると言わレれたタたたたた───』




・・・・。

最初は支離滅裂な感じがしていた取調室の犯罪者。

半グレやヤクザ共・・息を吸うように人様へ迷惑をかける人種の、舌の根の乾かぬウチにコロコロと変わる 『 あの言動 』 だな。


けど・・徐々にヤバイ感じに変化してゆく。

ヤツに取りついた彩佳の菌糸が、 「 キシャッ! 」 と威嚇する。




「彩佳?」


「彩佳姉ちゃん?」


「ひ、必要な情報だけは絶対に吐くようしたもん」




必要以外の情報は吐けなくなっても良いっつう事ですな。

コッチの部屋の、彩佳以外の人間全員からカタカタ震える音がする。

・・まあ、ソレはともかく───




「『旧世代』・・ね」


「幹太ちゃんと彩佳ちゃん、颯太ちゃんは、聞いて無いかもだけどー。

旦那様とかは知ってんだよねー」


「へ?」


「姉妹再会の邪魔に成らないよう、結構みんな動いたらしーよ?」


「「「 あー・・ 」」」




心当たりは・・無くは無い。

アンチ』との戦いで、奴の体内の扉魔法からの 『 ヴォイド流入 』 が無くなったのは・・そうゆう事なんだろう。


子供たちやイーストがコソコソしていたのも・・まあ、そうだよな。

有難や。




「んで、『旧世代』とチホさん・・日本人を狙う事と、何の関係が?」


「チホちゃん、日本でも狙われたんだよねー」


「よし、アイツ殺そう」


「あ、アンタ、人の所行に震えといてソレっ!?」


「仲間に手ぇ出す奴は許しまへん!」


「・・・・」


「チホちゃーん。 この夫婦って結局、似た者夫婦だからー」


「ワタシ、ナニモ、イッテナイ」




で・・結局コイツは先祖のゴタゴタも有り、『旧世代』の事もよく知らずに憧れていたらしい。

ネオナチを騙るガキみたいなモンか?

・・暴走族に憧れるガキ、の方が近いかな。


『旧世代』かっけー♡

 ↓

『旧世代』入りてー。

 ↓

『旧世代』、「お前なんか要らん」

 ↓

でも『旧世代』に入りてー。

 ↓

『旧世代』の敵に、日本人が居るらしい。

 ↓

あ、日本人はっけん!

 ↓

 ↓

 ↓

で、襲ったら返り討ち───【人茸化】され、現在に至るっぽい。

みなが呆れる。




「しょっぺえ奴だなー。 チホ姉ちゃん、ビビること無えよ」


「うん、そーだよー。

ヨーが付いてるもん!」


「ありがとう、二人とも」




理太くんとヨーは、雑魚を捕まえた。

めでたしめでたし・・と、成っている。

・・けどなあ。




「チホさんには悪いけど・・ちょい面倒かもしれん」


「え?」


「そうね・・この手のチンピラって、一匹見たら三十匹いると考えるべきよ」


「【銀星王国】首都に居るかぎり・・また別のに狙われちゃうかもねぇ」


「そんな・・」




悲しげなチホさん。

特別なチカラを持たない一般人が、数十人の犯罪者から狙われてるって聞いたら・・そりゃ怖いよな。


んー・・・・。




「取敢ず・・えりゃっ!」


「きゃっ!?

───え? ええ?」


「【チホさんの巫女】に成ったから。

チホさんはコレで疑似的な魔法使いだよ」


「は? え? まほ?」


「わっ、チホ姉ちゃんから魔力が出てる!?

幹太姉ちゃんすげー!」


「幹太ちゃんから魔力を借りてるんだねー。 ヨーも【巫女】になる練習しよっと」




チホさんは、眩げに目を細めつつ・・キョロキョロしていた。

急に見え始めた魔力を、目で追っているっぽい。




「あぅ? あー・・?」


「アンタも、リリって友達と会うまで暫く一緒に居るんだから・・幹太の非常識には馴れといた方が良いわよ?」


「大丈夫、幹太姉ちゃんは優しいから」




ちょい停止していたチホさんが、虚ろな目で自らの掌をグーパーして・・ 「 はあ 」 とだけ答えた。


聞けば、チホさんは・・どうも『アンチ』のヴォイド源にされていたらしい。

今回の異世界旅行も、その彼是の末に迷惑をかけた親友に会いにゆくため。


一生ヴォイド体質と成り、魔法使いの友達と別離した自分が ( 疑似 ) 魔法使いになる───その因果にも放心してたそうだ。




「『旧世代』・・か。

ウザいな。 もう全員逮捕されたっぽいけど、残党とかウゼェなあ」


「今日は、この首都に宿泊するんですよね?」


「傭兵ギルドのVIP室を使っても良いし、王宮にもコネが有るからアッチに泊まっても良い。

どっちも信頼のおける傭兵団や【人土】に騎士団が護衛してくれるから」


「幹太さんが王宮にコネ・・って言うか、有る意味王宮が幹太さんに───」


「シッ。 シぃーッだよ、チホちゃん」


「・・?

まあ不安なら、疲れているだろうけど今すぐ首都を出発しても良いよ。

なあ?」




頷くみんな。

チホさんに任すようだ。




「・・私、日本で『旧世代』に色々されて───ヨーや【人土】の皆さん、自衛隊の方々に助けてもらいました」


「うん」


「チホちゃん・・」


「でも、助けられるだけじゃ無く・・私も何かしたい。

幹太さんから御借りしたチカラですけど───負けたままでいたく無いんです!」


「・・分かった。

コツさえ掴めば簡単な魔法を教えるよ」


「オレ、身体強化魔法を教えるぜ」


「さっき襲われた時みたいに、イザという時は超速歩魔法で逃げられるだけでも、心に余裕が出来るからねぇ」


「ヨーも教えるー!

魔力パスで繋がろー!」


「ええ、お願い」

 

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[気になる点] 誤変換:過程 今回の異世界旅行も、その彼是の末に迷惑をかけた親友に会いにゆくため。
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