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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
525/547

60『「彩佳もだぞ!?」と言ったら、腹パンチ。』

 

さっき逮捕した奴の話を聞きに行く道中、俺たち一行は情報交換っつうか・・ただ会話する。




「き・・99歳と92歳、ですか・・」


「まあ俺は80年間寝てたから、精神年齢は19歳だけどな」


「ホントは俺と颯太婆ちゃんって、祖母と孫の関係なんだぜ」


「黙ってて御免ね? チホさん」


「い、いえ」


「ヨー、ほんとは83歳のお婆ちゃんだけど・・まだ友達でいてくれる?」


「・・そりゃビックリはしたけど───

もちろんよ、ヨー。

貴女は・・私の二人目の親友なんだから」


「うん!」




日本人の女の子、チホさん。

父さんの幼馴染み、美千代さんの曾孫らしい。

母さんが親友だと言っていたな。


颯太もヨーも、俺たちの年齢を言って無かったそうだ。

二人に目配せして、実年齢を打ち明けた。




「ヨーと颯太さんの自力はともかく・・幹太さんの若返りは魔力を持たなくても、誰でも若返れる───ってソレ、国家機密級の話じゃないんですか!?」


「俺は別に秘密にしては無いんだけど・・何か、回りがなあ」


「ま、バカは居るしね」


「俺ん中に入れる条件も 『 人様に迷惑をかけない 』 ってだけなのに、そんな事も守れない奴が多いんだよ。

あ、チホさんなら良いぞ?」


「もうちょっと歳を取ったら・・まあ」




以前、壮年の女性たちから 『 入れろ請求 』 が来た事が有った。

曰く、『 俺は女性の味方のハズだ 』 入れなきゃ 『 女性差別と見なす 』 とか何とか。


俺が助けてきた女性たちとは、『 絶対的に 』 違う連中に何を言われようと知ったこっちゃない。




「でも・・若返りって、肉体操作って事ですよね?

ならちょっと・・最近、ヤケ食いする機会が有って、その、お腹が───」


「ソレは効果無さそうだねぇ、幹太姉ちゃん?」


「ぐ」




目覚めてから・・平和な世の中、激しい運動する機会は無く、ね?

その、ね?

食っちゃ寝してたら、ね?

お腹が、ね?


颯太がニヤリとする。

うう・・。

精神年齢だと俺は19歳、颯太は92歳だからなあ。

格と年期が違う。




「───み、美千代さんには俺も有った事有るよ。

酔っ払って、「 ひょとしたら貴方は、私の子供だったかもしれないのォ~ 」 って絡まれたなあ」


「ご、御免なさい」




露骨な話題変更に付き合ってくれるチホさん。

エエ娘や。

みんなもヤレヤレ顔で乗ってくれた。




「あれ、昊御義母さんと口論に成ってたわよねー」


「僕は3歳の時だから、ちょっと覚えて無いなぁ。

・・んぅ? アレかな、幹太姉ちゃん」


「ああ、アレが傭兵ギルド総本部だ」




傭兵ギルドへ行くと、例の犯人は本部の人間が連れてったとの事。

理太くんが、キラキラした目で聞いてくる。




「幹太姉ちゃん、傭兵ギルドとの違いは何なんだ?」


「ギルドは傭兵が。 本部は事務員が主に働いているんだぞ、理太くん」


「むかし、一部のギルド職員が腐ってた事も有ったからねぇ。

ギルド職員の養育施設でもあるらしいよ」


「へー、じゃあオレはギルドで働くぜ!」


「俺も」


「僕も」


「いや・・アンタ等は特別顧問として、有る意味では総監のイーストよか偉いんだからね?」


「俺、現場主義だもん」


「僕も」


「ほんとアンタ等姉妹は・・。

受付とか、雑務を喜んで引き受けたりするしさ」


「良いじゃん」


「ねー?」




頼んできた女性は新人さんで、俺の事を知らなかったっぽいけど。




「アッチは傭兵学校。 まあ専門学校だな」


「空っぽですね?」


「ちょい前に入学式が有って・・そこで何か、発表会みたいなんをするってイーストが言ってたな。

合同ピクニックかな?」


「傭兵集団のピクニックとか・・何かの隠語にしか聞こえないんだけど」




イーストは内容を教えてくれなかった。 イーストは・・まあ俺のせいで、秋原家の中では非常に立場が弱い。


何時もなら堕ちる、甘え声を出してみても・・なお教えてくれなかったのだ。


子供たちが、俺と颯太が三年ぶりに会うのに邪魔に成らないよう・・といってくれたのと、同じ理由っぽいが・・。

 

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[気になる点] 誤記:孫と祖母 「ホントは俺と颯太婆ちゃんって、祖母と孫の関係なんだぜ」
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