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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
519/547

54『犠牲者ゲッツ!』

 

「颯太ぁ・・あんた、流石にムチャさせ過ぎよ?

理太・・如何にもアンタ等一族って子だけど、まだ9歳なんだから」


「大丈夫、だいじょーぶ♡

ミリ単位でギリギリを見極めてたんだから」


「だ・・・・だい・・じ・・ょーぶ、だァァァ・・・・」


「コレ───彩佳なら『燃えつきたぜ・・真っ白にな』ってボケる所よ・・」




颯太婆ちゃんの訓練がやっと終わった・・。


街破級の八割くらいの強さ魔物を退治しまくったんだ。

そりゃ最初は片腕片脚を使えなくされた奴だったけど・・最後はフルの奴を退治できたぜ?

しかもヘトヘトの状態で。


コレで幹太姉ちゃんの子供たちってのよか強くなったかな。


今は【人茸の巫女】彩佳姉ちゃんの妹で、日本の【人茸】を取り纏めている奈々さんから・・なんか食わされてる。


キノコ・・のハズだよな?

───チョコレート味だけど。

美味しいけど。

キノコ苦手なオレでも食えるけど。

食った瞬間から体力が回復し始めて、ちょい怖いんだけど。




「『旧世代』はアタシにとっても邪魔でしかなかったし・・【人土】や自衛隊には全面協力した訳だけど」


「【人茸】って戦闘員が居ないんでしょ?」


「殆んどが、罪人に【人茸化キノコ】を寄生させて産まれるしね。

・・今回、逮捕した連中みたいに。

情報提供させた(・・・・・・・)連中みたいに、ね」


「うわぁ・・」




ネグ・・レクト? とかいう育てられ方した彩佳姉ちゃんは、自分は嫌われても回りを善くするって付き合いかたらしい。

( ソレは秋原家の人間に、だから出来るらしいけど。)


奈々さんは、自分を善く見せてる裏で悪いことを───うににににににににににっ!?

なんか、考えてる事が読まれた。

ゴメンナサイ。




「はあ、旦那さんや幹太たちが異世界に居るから仕方無いけど・・何時もアッチに居るビタちゃんに、合いに行く準備中だったのに~」


「奈々姉ちゃんもアッチに行かないの?」


「・・・・ええ。

誰が幹太と同じ所に住むもんですか」




颯太婆ちゃんのヤレヤレって顔。

・・なんだろ?

奈々さんと幹太姉ちゃん、仲悪いのか?

ソレにしちゃあ、悪意は見えないけど。




≪二人は幼馴染みだからねぇ・・色々あったみたいよぉ?≫


「ふーん・・」


≪理太も大人になったら分かるさ≫


「うーん・・」


≪手っ取り早く、大人になる方法も有るんだけど≫


「何なにっ!?」


≪それはね・・≫




聖者と覇者が、続きを言う前に・・なんか颯太婆ちゃんから怒気が来て、二人とも黙った。


なんだか分かんないけど・・はぁ~あ。

早く大人に成りてーなあ。

そしたら今度こそ颯太婆ちゃんの足手まといにはならねーんだ!




「颯太、アンタが出ないから崖下さんからの伝言よ。

「 こっちはオールOK、気にせずに。

自分と自分の嫁からも、御姉さんによろしく 」 ってさ」


「・・うん」


「3年ぶりだっけ?」


「幹太姉ちゃんが目覚めた時に・・一回。

後は、御互いの世界の、喫緊の魔物とか問題を解決してから・・って話だったから。

・・幹太姉ちゃん、すぐムチャするし」


「アンタもでしょ・・って、も一つ崖下さんから伝言あったわ」


「なあに───」



『颯太ちゃん待って待ってー!』




颯太婆ちゃんと奈々さんが、しんみり話してると・・なんか、ノー天気な声。

高校生ぐらいの姉ちゃんたち。




「うぇいと、うぇいと、うぇいとー!

君たちは完全に、ほーいされている!

大人しくしたまえー!」


「げ」


「崖下さんが、アレ(・・)も異世界に行きたがっているみたいだからって」




真ん中で 「 ばきゅん、ばきゅーん 」 ってやってる姉ちゃんは魔法使いだな。

その隣で止めてる姉ちゃんは、普通の人みたいだ。




「ヨーさん・・」


「ま、頑張ってね」


「ヨーさん・・今は(・・)魔力が戻ってるんでしょ?

ソレに異世界・・良いの?」


ヴォイドは(・・・・・)完全に封印してるし。

それに・・ヨーは 『 ヨー 』 よ。

他の誰でも無いわ」


「・・・・」


「・・颯太婆ちゃん?」


「───・・んぅ。 ま、いっか・・幹太姉ちゃんとの再会の邪魔はしないでしょ」


「あのこの場合、ソレが空回りした挙げ句、裏目に出そうだけどね」


「仕方が無いよ。

僕も魔王討伐隊の一人(・・・・・・・・)なんだから」




颯太婆ちゃんの遠い目。

こんなん初めて見た。




「颯太ちゃん、お久しブリーフ!」


「ヨー! ご、御免なさい。

貴女が、異世界への案内人ですか?」


「いいえ、ヨーが挨拶した小っこい方よ」


「えっ?」


「ちなみに彼女、ヨーと同レベル以上の使い手だから」


「ええっ!?」




魔法使いの方の姉ちゃんは、颯太婆ちゃんや奈々さんの知り合いっぽいけど・・普通の方の姉ちゃんは初めて会う人っぽい。

颯太婆ちゃんを唯の子供扱いしてる。


92歳の颯太婆ちゃんだけど、今はオレと同じ9歳の姿だもんな。




「チホ・・先ずは幼馴染み同士、親友同士でゆっくりしてって。

私達は、貴女たちの中で完全決着を着けたあと───土下座でも何でもするから」


「そんなの・・いいえ、分かったわ」




普通の姉ちゃんの後ろに居た、同じ制服の姉ちゃんたちと何か会話。

ケンカじゃ無いっぽいけど、ただならぬフンイキって奴だな。


姉ちゃんたちの会話を待って、颯太婆ちゃんが号令をかける。




「───じゃ、行きますか」




颯太婆ちゃんを戦闘に、地球と異世界を繋ぐ巨大扉魔法をくぐる。


・・楽しみだな。

 

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[気になる点] 脱字:の 街破級の八割くらいの強さ・魔物を退治しまくったんだ。 誤変換:先頭 颯太婆ちゃんを戦闘に、地球と異世界を繋ぐ巨大扉魔法をくぐる。
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