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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
518/547

53『「 疲れきった 」 あと、まだサービス出来るかで男の子の真価───ハイ、ゴメンナサイ。』

 

アンチ』と、その仲間の貴族。

眠気もあって、ちょい目ぇ離して考え事していた隙に・・『アンチ』が貴族を食っていた。




「ど、どーするの?

子供たちや傭兵の誰かを呼ぶ?」


「子供たちはなあ・・せっかく俺たちだけで───って、いろいろ頑張ってくれているみたいだし頼りたくは無いんだよなあ」


「そうよねぇ」




山柄さんは若い頃・・その、男をとっかえひっかえする程の遊び人だったらしい。


俺たちと初めて出会った時は老齢で、【人土】たちの総代表に相応しい落ち着いた ( ? ) 女性だったが・・若返り、当時の性欲を取り戻したそうだ。

【人土】たちから・・何か俺に対して 「 どうにかならんか 」 と、来る。


ならんよ?

・・まあ山柄さんはともかく。


性格・精神などは、意外と魂年齢よか肉体年齢に引っ張られるようだ。

で、いとおしい我が子。

あの子の実年齢は・・成人以上の子もいる。


でも・・俺が寝坊した所為で、彼等が幼児の頃に付いててやれなかった。


あの子等はその時期を取り戻すため、俺が目覚めるまで幼児期の肉体年齢を維持していたのだが・・彼等の精神は肉体に引っ張られて幼児のソレ。


羅佳は・・魔女なんで、精神は魂年齢に近いのだけど───




「ほーら、また我が子の事でトリップしてる!

・・分かるけど。

今は、『アンチ』よ!」


「とと。

うーん・・ありゃ助からんね」




アンチ』に抱きついていた貴族の右半身が、既に取り込まれていた。

まさしく同化というべきか・・血とか中身(・・)とかは零れてないんだよな。




「身体の半分以上がスライムで出来てるアンタでも?」


「人間を食いたいっていう本能が無いせいか・・パッと見は真似できても、どうやったら人を食えるか分からん。

イコール、助け方が分からんよ」


「まあアンタに 『 この種を食い殺せ 』 って命令が来てたら、今ごろ人間なんて居ないわよね」




変なコト言うなよ。

・・二重の意味で。




「だ・・だずげでっ・・!!?」


「襲ってきといて、助けては無いよなあ」




『三者を越えし者』なら分かるかもしれんけど・・・・【 連合 】?

なんで外国に居るんだ?

旅行か?

ひとっ飛びで行ける距離っちゃあ距離だけど・・邪魔しちゃ悪いか。




「ま、因果応報だと思って、もがき苦しんでくれ」


「ぎっ、ぎざまっ・・!?

ごばっ・・・・がっ・・じぶっ、じんでじばう・・!!」


「死ねば良いと思うよ?」




彩佳が良い笑顔で言う。

・・今度は一重の意味で、変なコト言うなよ。




「ぎざま等が、ぎざま等が悪いんだ・・我等『旧世代』は・・ぎざま等に滅ぼされだ・・・・!

き"さ"ま"ら"こ"そ"し"ぬ"へ"き"た"・・」




───貴族が、無くなった(・・・・・)


3匹? の『アンチ』が、貴族を奪いあい・・貴族を食い終わった後は・・。




「合体しているのか?」


「アタシには、共食いに見えるけど」


「あー、言われてみりゃあ確かに」




どんな仕組みだか、僅かに体積が減っていってる。

というか、一番大きい60cmサイズの奴だけに成っていっている。




「たぶん、だけど・・これ、俺たちだけの勝利じゃ無いよな」


「突然、『アンチ』の中の扉魔法が消えた事とか?」


「なんか色々。

子供たちが俺たちだけで・・っていうのも、この辺だったのかなあ?」


「かもね。

ならアタシたちは気付かなかったわ。

取るに足らない、ザコが一匹襲ってきただけ。

・・まあ、アタシは事実ナニもして無いけど」


「貴族からの情報収集とか助かったさ。

・・ソレに」


「ソレに?

・・・・な、何よ、その手つき!?」


「コレから御風呂タイムなのだから!」


「はあ!?

ちょ・・アンタ、馬鹿じゃ無いの!?」






取敢ず、『アンチ』は防壁魔法トーチカで作った箱にしまう。


箱を構成する魔力も食われているけど、ヴォイド能力が無いならコレで十分間に合う。


後は土魔法で、壁とバスタブ。

水魔法で、お湯を用意。




「・・・・あき・・は・・ら・・かん・・たァァァ!」


「ちょっ・・『アンチ』だか、元の下種傭兵だかが見てるから───」




露出趣味も無ければ、彩佳を見せつける趣味も無い。

ギリギリまで準備して・・・・、




「今度こそ、ばいばい。

83年間も・・ご苦労さん」


「・・あきは───」




アンチ』を、超重力で潰す。



◆◆◆



「おりゃあァァァ・・次っ!」




うんうん。

理太くん、頑張ってるねぇ。

瞳の輝きが違ってきたよ。




≪あ、アレは瞳から輝きが消え失せた・・って言うのよぉ?≫


≪私も二千年前は修行好きだったつもりだが・・マニアとは、こうゆう事か≫


「そろそろ、ダメージの無い敵を理太くんにプレゼントしてあげようかな~♡」


≪イヤミでも何でも無く、ガチで言ってる 「 プレゼント 」 だものねぇ。

秋原家の闇だわ・・≫


〔 馬鹿な・・馬鹿なァ・・!?

我等『旧世代』の技術の粋がァァ!?

300体のドリーβがァァァァ・・!??〕




何処かから聞こえてくるスピーカーの声。

焦ってるみたいだけど・・僕たちを嘗め過ぎかな。




〔 ええい、破棄予定だった失敗作のドリーγを投入させろ───なっ、なんだ貴様等!? 〕


「やっと、【人土】と自衛隊のみんなが奴等のアジトを限定してくれたみたいだねぇ」


≪自慢したいが為に、通信なんかしてくるから・・。

通信電波に魔力パスを乗せるのは 『 どっかの【巫女】 』 の、得意技だしね・・逆探知してくれと言っているようなモノだよ≫




スピーカーから暫くドタバタ音が聞こえてきて・・なんか、静かになった。


んで、僕のスマホに自衛隊の崖下さんから連絡が来たけど───今はちょっと楽しんでるから後でね。




「理太く~ん!

行くよぉ~~♡♡」


「お・・おおう、ばっちこ~いだぜぇ・・!」




疲れきった声しか出なくなって・・そっから、男の子は真価が発揮されるんだからね♡




≪覇者・・せめてアタシたちは理太くんに優しくしてあげましょうねぇ・・≫


≪ああ・・たっぷりサービス───ゆったりさせてあげよう≫

 

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