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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
515/547

50『「「やったか」って言っちゃ駄目」という言葉こそ、お約束です。』

 

───ガキンっ!!!




「音が変わった!」


「バリア的なモノを貫通したのね!」


「やったか!?」




僕が思わず興奮して、そうクチにすると・・『三者を越えし者』さんとリリちゃんとクジャラさんの渋い顔。




『ソレは禁句』


「お約束よ、ゼレバ君」


「女王も、何故かやたら気にしてたなあ・・しかも」




な、なんでココまで言われるんだ?

そんな変なこと言ってない筈だけど・・。

・・と、思っていたら───急な地響き。




「フシギにブキミに当たるんだよな。

オレは密かに日本人の呪いじゃないかと疑っているんだ・・」


「違いますよー! 言っちゃイケない言葉って有るんですー!」


『言霊』




日本人リリちゃんと、日本の漫画好き(三者を越えし者)の、謎の主張。

・・僕のせい?

地響きの正体はスグ分かった。



「・・歪みが!?

みんな、下がって!」


「くっ!?」




リリちゃんの叫び。

歪みが広がったらしい。

魔法使いでは無い僕は・・魔力が、ヴォイドと反応して消滅する瞬間が見えない。

タイミングも範囲も。




「源太どの、【巫女】様っ!?」


「儂等は大丈夫じゃ!」


「掠りましたけどね・・」




『三者を越えし者』さんやヒューさん、他の魔力が見える【人狼】は避けたみたいだけど・・一番機械に近かったお二人は完全には避けきれなかったらしい。


大したことは無いそうだけど・・魔力を目で見えるチート持ちですら、歪みの完全回避は無理ってことだ。




「機械から放出される歪みが大きくなったのかい、リリちゃん?」


「いいえ、そうは見えなかったわ。

もっと回り・・機械外から歪みが広がった気が───」


「機械外・・」




僕達は、その答えに気付きかけている。

・・けど、危険だからって触れていない。




「やっぱり、あの巨大タンポポなんじゃ・・?」


「むぅ・・だがな。

リリちゃん、あのタンポポからヴォイドが吹き出した訳じゃないんだろ?」


「ええ」


「切るなり引っこ抜くなり・・異常なタンポポなら、異常は起こりうる。

猛毒や強酸を撒き散らす、とかな」


「『三者を越えし者』さん達なら・・」


「万一ヴォイドが吹き出したら、魔女には致命的だ」




結局・・コレに着き、巨大タンポポを未だにほったらかしている




「───獣の匂い・・魔物だ!」


「ちぃ」




【人狼】の一人が叫ぶ・・と同時に【人狼】達が円陣を組む。

表情から察するに、後続を警戒・・ではなく、一斉にこの場を取り囲む大群らしいな。


機械の・・バリア? だっけ? を、貫通した事と───ヴォイド含めて無関係とは考えられないよね。




「・・・・ヒューさん!」


「ゼレバ君!?」




僕は・・機械ともみんなとも離れた位置に咲く、一株のタンポポへと駆け寄る。




「ナニね?」


「僕とタンポポを障壁で包んで下さい」


「・・いいね? あたしゃホントにやるのね?」


「ゼレバ! ・・ヒューさん!?」


「ゼレバがやるっつったんなら、覚悟を決めるね!」




ヒューさんが、僕とタンポポの回りに防壁を張る。


先輩が駆け寄る。

でも先輩はパワータイプで、スピードタイプの僕には追い付けない。


リリちゃんが悲鳴をあげる。

・・御免ね。

さっきチホさんとのやり取りで、僕は自分の気持ちに気付いたから。


───何としても、守るから。




「見た目、タンポポからヴォイドは出てない・・。

でももし、タンポポからヴォイドが出ているとしたら───地下の根っこ!」




巨大タンポポの根っこなら、相当深く長いはず。

地面からヴォイドが出てたら、勘違いするかもしれない。




「───根っこを切る!

・・リリちゃん・・僕は・・・・」

 

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