49『基本、三種族は大きな子供です。』
暑さで頭が働きません。
「「「 せぇーのっ! 」」」
源太様と久喜さんの、投擲用の武器を集める僕達。
何が起こるか分からない以上・・一気に決める必要が有る。 ので、連続投擲できるよう結構な量が要る。
巨石や巨木ばかりだから大変だけど、大事なことだ。
・・だけど。
「おらぁ、ボウズ!
なんだ、そのヘッピリ腰は!?」
「オレ達の邪魔だ、貧弱種族が!」
「・・うう・・」
【人狼】達が・・なんか冷たい。
確かに僕はガキんちょだけど・・コレでも傭兵として、肉体的に身体強化魔法的に鍛えてある。
一人で120kgは持ち上げられる・・が、【人狼】達は300kg級の荷物を片肩に担ぎ上げて運んでいた。
「「「 大母殿、【巫女】様、このような仕事は我々で充分です! 」」」
「何を言うとるんじゃ。
『旧世代』は、みんなの敵なんじゃし・・皆でさっさとヤりゃあ良かろう。
確かにボウズは、まだまだヒヨッコじゃが・・美千代ちゃんの曾孫に、下らん事を吹き込むようなボンクラでなし。
見込みは有ろうよ」
「暴走も未熟も、若さの特権。
見所のある若者じゃないですか」
・・・・離れた所で、なんか源太様達と会話している。
【人狼】やチートじゃない僕には聞こえない距離だけど・・怒られているのかなあ。
源太様にとって、ミチヨという方は大事な人っぽいけど・・その人の曾孫に対して、事情も無視して怒鳴っちゃったからなあ・・。
『気にするな』
「『三者を越えし者』さん・・」
『源太も、清濁を知る人間だ。
悪くは成らない』
「・・ソレって、良くも成らない時の台詞ですよね」
「ウフフ、その時はアタシもゼレバ君を助けるから・・!」
「リリちゃん・・」
「オレもだ。 先刻は社会通念を偉そうに語ったが・・彼等がゼレバの敵になるというならオレはお前の盾になる」
「先輩・・」
「強いねぇ~? 強いよぉ~?
源太は強いからねぇ。
……盾ごと吹き飛んじゃうね~?」
「……ヒューさん」
「怒られたなら"っっ───!?」
『ガキ』
「ああっ!?
二千年前の続きをやるかねっ!?」
ヒューさんと『三者を越えし者』さんのケンカ。
勘弁して下さい。
「・・ま、人生なるようになるさ」
「クジャラさん」
うう・・。
チート母娘に目ぇ付けられる人生ってナニ?
◆◆◆
「そりゃそりゃそりゃああっ!」
「行きますよぉぉ!」
投擲用の武器が集まり、源太様と久喜さんが機械へと攻撃開始。
魔法由来としない防壁を展開しているようで、一撃では破壊できないみたいだけど・・今の所は問題は起きていない。




