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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
513/547

48『ヴォイド関係の話が出るたび、本編121話のタイトルを後悔しています。( 設定増設の弊害。)』

 

〔───り・・リリ?〕


「ち・・チホ」




『旧世代』に関係有ると思われる機械を破壊する作戦は一時中断。

リリちゃんと、『 ヨー 』 なる人物に救われたらしいリリちゃんの友達が通信している。


最初は、二人っきりにしてあげようとしたんだけど・・リリちゃんが 「 不安だから 」 って事で、一緒に居ているんだ。


まだ短い付き合いだけど・・頼りされる程度には信頼されているのかな。

・・だとしたら嬉しいな。




〔 い・・今更、ムシの良い話だとは分かっているけど─── 〕


「・・・・」


〔 御免なさい! 〕




リリちゃんの話では、仲の良かった幼馴染みが・・ある日を境に、急にリリちゃんを馬鹿にし始めたそうだ。


最初は何か、自分の分からない所で幼馴染みを怒らせたのかと気を使う日々だったんだけど・・ますます幼馴染みの罵倒は酷くなっていったらしい。


疲れきったリリちゃんは、逃げるようにコチラの世界へと来て・・今に至るそうだ。




〔 ───っていう事よ。

ヨーが、ヨーの仲間と魔女さん達が、クラスメイトの皆が・・私を助けてくれたの・・ 〕


「・・ち・・チホ、アタシは」




『何で相談しなかったんだ!』


「「 ・・っ!? 」」


「ぜ、ゼレバ君……」




思わず、リリちゃんの隣で叫んでしまった・・。


相手の・・リリちゃんの幼馴染み、チホさんの事情は聞いた。

ある日突然、魔法使いであるリリちゃんが自分の所為で死に兼ねないヴォイド体質になってしまったらしい。


更に、不良に脅されてチホさんだけじゃなくリリちゃんにも危険が及んだそうだ。


魔法使いじゃなく、傭兵でもない、一人の女の子には・・手に余る事態だったっていうのは分かる、分かるんだ。




「・・でも!

コッチでリリちゃんはずっと苦しんでいたんだぞ!?

フとした時、一人で泣かなきゃならないんだぞ!?」


〔 御免なさい御免なさい御免なさい・・ 〕


「ゼレバ!

彼女には彼女の理由がある!

部外者がクチ出す問題じゃ・・」


「先輩! リリちゃんは仲間でしょう!」


「・・・・」


「リリちゃんは君の事を、悪態をつきつつ・・ホントはずっと褒めていた! 頭も良いんだってな!?

だったら、不良を出し抜いて会話する方法だって思いついただろ・・!?」


〔 ・・そうね、冷静な今ならヤリようは思いつくわ。 本当、御免なさい 〕




みんなの視線が、僕に集まる。




「・・ゼレバ、仲間想いはオマエの美徳だ。 裏切り者のオレも、ソレに救われたんだからな。

だが、やはりコレは彼女達だけの問題だと思う」


『自分はリリしか知らない。

リリは可愛い。

リリを害する者は許さない』


「コイツ等で勝手に殴りあわしゃイイね。 生き残った方が正義よ」


「ま、人生色々ある。 後悔しないようにな」




パーティを組んでいる皆はこんな感じ。

僕も・・ホントはリリちゃん達の問題であって、僕如きがクチ出しして良い問題じゃないって分かってはいるんだ。




「・・リリちゃん、ゴメンね」


「・・ううん。 ゼレバ君、有難う」




リリちゃんは、僕が感情に任せて叫ぶだけの間・・終始、困った感じでオロオロしていた。


けど、今は笑ってくれていた。


こんな優しいリリちゃんだからチホさんも・・自分が嫌われてでも、不良に身を任せてでも、リリちゃんを守る方を選んだんだな。




「・・チホさんも、失礼しました」


〔 いいえ、貴方は何も間違った事は言ってないもの。

・・そうね、ありがと─── 〕


〔 コラー! さっきから黙って聞いてたらー!

ぷんぷんだぞー! 〕


「「「「 っ!? 」」」」


〔 あっ、こら・・ヨー!? 〕




ヨー・・さっき話に出てた人!?

クジャラさんとかが、「 うげっ 」 ってなっている。




〔 チホちゃんがどんな気持ちだったか知らないクセにー!?

チホちゃんの敵はヨーの敵だー!

目だ、目をねらえーー! 〕


〔 ヨー! 狙う目なんて無いでしょ!?

・・無いわよね?

いくらアンタが全魔女より強いからって─── 〕


「「「 え 」」」


「・・マジの話だぞ」




クジャラさんがウンザリした顔。

マジか。 マジで全魔女より強いのか。

『三者を越えし者』さんもヒューさんも滅茶苦茶つよい。

その二人より強いのか。

そんな人から僕、目を狙われてんのか。




「───で、でも僕はリリちゃんの味方だ!」


〔 ヨーだってチホちゃんの味方・・あ、旦那様だー!? わーい!あのねー・・ 〕


〔 あっ、ちょ・・ヨー!?

リリ、とにかくゴメンね!

そっちの・・ゼレバさん? の、言う通りだから 〕


「ううん、チホちゃんはチホちゃんだった───ソレだけでアタシは満足よ」


〔 ・・有難う。リリもリリのままだわ。

今、世界が色々大変らしくて私のヴォイド体質ってのも、その一環らしくて・・直ぐ動かなきゃならないの 〕


「ええ」


〔 世界が落ち着いたら、ゆっくり話しましょう。

・・アンタが、異世界で()捕まえたか(・・・・)聞きたいし 〕


「・・あぅ」




・・捕まえた?

リリちゃん、何か獲ってたっけ?



◆◆◆



リリちゃんとチホさんの、会話が終わって・・コッチの【人狼】とアッチの通信技師が、情報のやり取り。


どうも機械で、周辺のヴォイドを吸い込むのは勿論・・周囲に、強力なヴォイド体質の存在が居るそうだ。




「ヴォイド体質───」




自然と僕達は、森の中央・・巨大タンポポへと目がいった。

 

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[気になる点] 脱字:に まだ短い付き合いだけど・・頼り・される程度には信頼されているのかな。
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