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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
508/547

43『魔王と英雄。』

 

「ほら・・ったく、もう・・。

はい、ちーん」


「ぢぃーーんんっ!」


「ぎゃあっ!? だ、出しすぎよアンタ!

・・ハァ、私なにやってんだろ」




チホちゃんが、アタシに色々してくれたー!


悪い男の人たちを突飛ばしたりした時についた、ホコリとかをパンパンしてくれたんだよー!




「チホちゃん、ありがとー!」


「・・これで分かったでしょ。

私、がどうゆう人間か」


「優しい人ー!」


「はあ!? ふ、不良と付き合っている奴って意味よ!」


「でも、助けてくれたよねー?」


「・・・・っ。

こ、今回たまたまよっ!

次は助けないからね!?」


「えー? ヨーとチホちゃん、友達だもん」


「友達じゃない!」


「友達、友達、とーもーだーちーー!」


「あー! もうウッサイウッサイ!

・・私は、友達だなんて作る資格が無いのよ」


「チホちゃん・・」




チホちゃん、嘘をついてる・・。

ほんとは優しーのにー・・アレっ?




「今、魔り───」


≪ヨー!≫


「んぐっ」


「・・・・?

何? 急に・・」




あ、危ない危ない・・ヨーは 『 ききかいひ 』 にスグれた女!




「う、ううん、ソレよりお昼一緒に食べよー!」


「・・もう食べたわよ」


「がーん!?」


「じゃあね、もう付いてこないで。

じゃないと・・また、ああいう 『 悪い男 』 がアンタを叩くわよ?」


「ひいっ!?」


「・・さよなら」




あ、行っちゃった・・。

・・でも。




「ねえ、みんな・・さっきチホちゃんが、怒った 『 風 』 に嘘ついた時───アタシの魔力が 『 消えた 』・・よね?」


≪・・ああ≫


「アレってまさか・・」


≪そうだ、アレは 『 ヴォイド 』 だ≫




ヴォイドそのものは、地球全体にあるよー。

魔法使いにも影響は有るんだねー。

でもヴォイドだからって、悪いココロは無いから襲われたりしなーい。


ヴォイドの濃い場所に行かないか、【変換機】を使うか、幹太ちゃんが作った魔法を使うか。

ソレだけで防げちゃう。


今回幹太ちゃんが苦労してるらしーヴォイドは、メチャメチャ濃いらしーよ?




「なんでチホちゃんからヴォイドが・・」


彼方まほうの世界で、誰でも魔法が使える訳では無いように・・此方ヴォイドの世界でも、全員ヴォイドが使える訳では無い≫


「ヴォイドを、使う・・」




むかし出た、魔王がヴォイドを使えたらしーですなー。




「まさか・・この前やったゲームみたいに、チホちゃんが魔王の産まれ代わりとかー?

自分でも良く分からないチカラ───ヴォイドを制御できなくて、魔法使いのお友達を遠ざけた・・そして実は、そのお友達こそ勇者で・・!」


≪魔王の産まれ代わりでは 『 絶対に 』 無いよ。

・・でも、ヴォイドを制御云々は当たりかもしれない。

さすが名探偵ヨーだ≫


「でへへー! ヨーは出来る女ですからー!

・・って事は、チホちゃんの幼馴染みの魔法使いのお友達って」


≪うむ、少なくとも幼少期からつい最近まで・・チホはヴォイドを持っていなかった、という事になる≫


「・・マフィア(旧世代)かなー?」


≪そう見るべきだな。

お母さん(ウィン)には、魔女間のパスを飛ばしておく≫


「分かったー!」




たぶん、チホちゃんはマフィアになんかされて急にヴォイドが体から出るようになったんだねー。


あの量はスゴかったよー。

日本産まれの魔法使いに必ず渡される【変換機】でもキツいかもー。


んで、ヴォイドは魔法使いには危険だからチホちゃんは幼馴染みと別れちゃったんだなあー・・。

・・くそー、マフィアめー。



◆◆◆



放課後。

チホちゃんは嫌がるだろーけど、一緒に帰ろー。

あ、目が合ったら走って逃げられたー。


ふふふ・・ヨーを舐めるなー!

本気で走ったら、颯太ちゃんとおんなじぐらい速いんだぞー!


・・どーだ、校舎玄関の靴箱で追い付いたのだー!




「チホちゃーん、帰ろー」


「一人で勝手に帰りなさいよ」


「やーだーー! チホちゃんと一緒に帰るー!」




アタシたちが、仲良くお話ししてたら・・くらすめーとの女の子が話しかけてきた。

アタシが転校してきて、一番最初に話しかけてきた子だねー。




「ヨーさん、親友を裏切る人なんて放っておいて、私と帰りましょうよ」


「じゃー、3人で帰ろー!」


「───ヨーさん・・まだチホを信じているの? 彼女は長年連れ添った親友を裏切る人なのよ?」


「でも、ヨーはチホちゃんに悪い人から助けてもらったもん!」


「それ・・チホの、恋人の不良でしょ?

親友を裏切ると同時期に付き合いだしたっていう・・」


「あんな奴、恋人なんかじゃ───」


「───あ? あんな奴・・が、なんだって?」


「「「 っ! 」」」




怖い声が聞こえたかと思ったら・・玄関の外から、お昼の悪い人が居た。

お友達も、さっきの3人じゃなく・・10人以上いるよー。




「オウこらチホ・・おまえ、あんま舐めたクチきくなよ?」


「な、舐めたクチなんか・・」


「おまえが、一人になって寂しいっつったから付き合ってやってんだろうが!」


「あ、あなたが・・彼女に手を出すなんて言うから・・」


「はん? 手ぇ出す? オレが?

なあ、聞き間違いか?

親友に手ぇ出すのはオメエだろうが、この化物女が!」


「───っ」




んんんー・・。

どうやらチホちゃんから親友と別れたんじゃなく、この悪い人のせいで裏切らせられたみたいだねー。


チホちゃんを悪く言ってた、くらすめーとの女の子も・・チホちゃんたちの会話を聞いて、チホちゃんだけが悪いワケじゃあ無いって気付いたみたい。


でも、『 化物 』 ってセリフで混乱しちゃってるなー。




「( 化物っていうのは・・ )」


≪ヴォイド能力の事だろう。

チホのヴォイドに気付いた不良が、チホを脅して魔法使いの親友と別れさせ・・自分はヴォイドの秘密か何かでチホと関係を迫っているようだ≫




歪んだ愛ですなー。

関係はロマンチックに迫るべきだよー、アタシと旦那様みたいにねー。

 

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