41『アホの子に権力を渡したら。』
「お母さん、お母さん、おーかーあーさーーん!!!」
「あらあら……ヨー、ずいぶん若返っちゃてどうしたの?」
「学校に行くのー!」
「が……学校?」
アタシのお母さん、若くてカワイイでしょー?
じ・つ・はっ! 魔女なのだーー!
しかも魔女たちの中で一番エライのだーー!
「に、日本の学校よね?」
「モっチローーン!」
「お、お母さんもヨーの 『中』 に入ろうか?
お母さん、血肉とか関係なくそうゆうの得意だから」
「大丈夫、だーいじょーうぶ!」
「に、入学はどうするの?」
「成せばなる!」
バックに、「 ドンッ! 」 って音がするぐらい決まったぁー!
コレは旦那様も惚れなおすなあ。 照れるなあー・・ぐふふー、燃えあがった夫婦はその晩───キャアーー♡♡
「心配だわ・・心っっ配だわ・・」
お母さんが疲れたような顔をしているのー。 忙しい人だからねー。
ここでアタシが頑張れば、旦那様だけでなくお母さんも助かる訳ですなー。
「任せて!」
「まあ、言って止まる子じゃあ無いし・・フォローはしましょうか」
「ありがとー」
◆◆◆
「───という訳で、転校生だ」
『おお、可愛いじゃん』
『天然金髪キレイねぇ』
『肌白ぉい・・お人形さんみたい』
ふふふ・・テレちゃうなあ。
でもでもでーもー、ヨーは旦那様のモノなんだよねー。
「皆、仲良くするように。
・・はぁ」
「先生、顔色が悪いですけど・・大丈夫ですか?」
「あ、ああ、ちょっと実家で不幸が在って最近寝不足でな」
生徒さんが担任さんの心配しているねー。 そっかー顔色が悪いのかー。
アタシの回りの人は、大概こーゆー顔色だから分かんないなー。
この担任さんは【人土】さん。
校長も【人土】さん。
なんか、アタシが動き始めたら・・回りの【人土】さんと一緒に騒いでたよ。
何回か、「 あの馬鹿───止め 」 とか聞こえてたけど・・誰の事だろーね? 幹大ちゃんかな?
今コッチは【人土】と自衛隊が色々と、きょーどーさくせん中なんだからー。
迷惑かけちゃあーダメだよー。
「さーて、『 みっしょんすたーと 』 だ! たーげっとは・・」
モテモテのアタシは、群がる皆を華麗に躱して 『 目的 』 の少女を目指す。
出来る女はツライねー。
「きみー、チホちゃんー?」
「え? ええ・・そうだけど」
「仲良くしてねー!」
「───・・嫌よ」
「ええー!?」
がーんっ、始めて人から嫌って言われちゃった。
でも、お母さんは 「 そーゆー事もある 」 って言ってたし、泣かないモン!
ヨーは偉い子強い子賢い子!
「そ、そんな事言わないで・・仲良くしよー?」
「・・・・」
「ヨーさん、無駄よ」
「無駄ぁー?」
「その子・・幼馴染みの親友を裏切ったんだから」
「・・っ」
「確かに日本で【人土】以外の魔法使いは、ちょっと差別されているけど・・あの子は良い娘で───魔法使いとか関係無いのに」
「・・うるさい」
「急に魔法使いの親友を裏切って、異世界へと追いやったのよ」
「・・うるさいって言っ───」
「守ったのー?」
「っ!?」
「よ、ヨーさん?」
「すごく・・苦しそうにしてるー。
何かその娘と、お別れしなきゃならない理由でも在ったー?」
「・・っ!」
あっ、チホちゃんが突然逃げだしたー・・。
「ふ、ふん。 自分の都合が悪い話になったら逃げだして・・どんな厚顔無恥なのかしら」
「・・・・」
・・みんなの位置だと見えなかっただろーけど・・泣いてたなー。
うーん。
魔法使いに潰された『旧世代』にお世話になってる女の子が、魔法使いの親友を裏切った・・かー。
関係ありそーだねー。
名探偵ヨーの勘が冴えわたるー!




