40『アホの子は、どんな育ち方をしてもアホの子。』
「旦那様、だーんーなー様ぁ~!」
大変、たいへん、たーいへーーん!!
あ、メイドさんはっけ~ん!
「奥様、どうされましたか?」
「大変なのよう~!
アタシの旦那様はドコ~!?」
「旦那様は『旧世代』と関係が有ると思われる 『 歪み 』 の調査に出ておられますよ」
「アタシも、アーターシーもー!
『旧世代』の手懸かりはっけーん!」
あ、メイドさんが面白いカオしてる~。
「奥様? 新作のショコラの試作品が届きましたのでティーパーティーにしましょう」
「わ~い! ・・じゃ無くてぇ!」
「ちっ・・引っ掛からなかったか」
あ、なんかバカにしてる~?
「とーにーかーくーー!
大変なのようー!」
「ハァ・・で?
何ですか?」
「昊ちゃんのオトモダチがね~ヒマゴちゃんがね~・・」
「・・ああ、仁一郎様に頼まれた件ですね。
秋原家に関係有る人間に、害ある人間が近付いていたという・・」
「このマフィア~、『 チイちゃん 』 が潰したんだって~!
どうだぁ~、スゴいでしょ~?」
「( イラっ。)『 チイちゃん 』 さんとは、奥様の中にいらっしゃる魔女の方ですよね?」
≪───・・あー、あー、ううん≫
なんか~、メイドさんの顔が 『 クニャッ 』 と歪んだら・・アタシの中から、声がしたぁ。
なんじゃこりゃ???
≪・・う"う ん っ。
上手くいったか? 魔法越しに失礼。
今、ヨーの中に居る魔女の一人だ≫
「いえ、大変助かります。
それで貴女が、件のマフィアを潰されたと?」
≪うむ。 少女を誘拐して、暗殺者や性奴隷にしていたゴミ屑のような連中だな≫
「正しくゴミ屑ですね」
あれれ~? なんかアタシ抜きで話が進んでる~?
≪奴等の手口は、暗殺者の場合───
マフィアが自分で殺しておいて、殺した人間の家族には・・他人の所為にするんだ≫
「・・・・」
≪その復讐を手助けするフリをしながら・・徐々にマフィアの暗殺者へと仕立てあげる、というモノだった≫
「【巫女】様の世界に、必要ないゴミですね」
≪ヨーの中から、アキハラ家の調査依頼結果を見たが・・保護者の顔に面影が有る。
マフィア幹部の中でも、特にゲスだった男にソックリだ≫
「なるほど」
「なるほどー」
≪ミチヨとやらの繋がりと、我等への恨み、アキハラ カンタを潰したい『旧世代』、そういった彼是が絡まっているみたいだな≫
「分かりました」
「分かったー」
ふっふっふっ。
コレを解決したら旦那様は喜んでくれるはーずーだーー!
「え~っと、美千代のヒマゴちゃんは10代かー。
・・・・えいやっ!」
「あっ!? 奥様!?
若返って何を・・ちょ、あんたが外に出るのは不味いのよ、元・魔お───」




