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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
503/547

38『当然、若い頃はモテモテだったと知っています。』

 

「純香姉・・。

まだ見つかってない『旧世代』の魔物って、放っておいて良いのかしら・・?」


「だよねぇ。

レンヂナ通りに現れた魔物1200も、結局囮ってゆうかぁ【ジート砦】に現れた魔物と違って『道破級』と『破級外』の混成だったしぃ・・」




私達は、謎の 『 歪み 』 を調査する為に、【銀星王国】を放って外国へと来ている。

・・邦花と美結夏の不安も、分かりはするのだけど。




「だからこその羅佳ちゃんだよ、邦花、美結夏。

魔女である羅佳ちゃんの経験値は、兄妹随一だもの」


「てゆぅか経験値だけなら、ママ達より上・・あれっ? 昊婆ちゃんより上だっけぇ?」


「でも・・羅佳ちゃんてば、天然なトコ有るのよねえ」




まあ、天然は否定出来ないけどね。

でも【人土】ネットワークで【銀星王国】内の、どの村・集落・施設にも襲来が無いらしいし・・大丈夫でしょ。

( たぶん。)




「探査システム局もね・・。

彼等の言ってた事、100%信じている訳じゃあ・・無いんでしょう?」


「『旧世代』と『歪み』の繋がりは・・暈していたように感じたね。

でも放っておけない歪みなのは本当。

私達への忠誠も本当。

なら、彼等の調査依頼を断る選択肢は無いかな」


「純香姉が言うなら・・」


「邦花姉ちゃん、羅佳ちゃんが大好きだもんねぇ」


「あら、失礼しちゃう。

私は秋原家の人間全員大好きよ」


「ハイハイ、おしゃべりはソコまで。

・・目的地が見えてきたよー」



◆◆◆



【麗嵐国】。


ココも、【旧・銀星王国】と同じく英雄ヨランギを国父に置き、男尊女卑を国是とした国───だった。


私達が生まれる前(・・・・・・・・)、世界征服中の【銀星王国】が制圧した国の一つ。

【銀星王国】に、女性を誘拐した(・・・・)国。

そして───




「ビタさん。

お久しぶりです」


「はい、皆さん御久しぶりなのですよ」




今は【人花】が管理している。

この【麗嵐国】が有る大陸に、【人花】達の本拠地が有るからだね。




「どうですか?

【人花の里】は?」


「ピヒタ姉様が上手く導いているのです。

大部【人花】も増えましたし・・安泰なのですよ」


「良かったです」




ビタさんは、かんママ達が大好きだから ( ほんのちょっとだけ、同性愛の気が有るみたい。) 普段からかんママの中の 『 青い世界 』 で過ごしているんだけど・・ピヒタさん夫婦は偶に、挨拶程度に来るだけ。


なので、ビタさんが二十歳の姿なのに

対し・・ピヒタさんは五十歳の姿なんだよね。


今日は【人花の巫女】として、【人花の里】を慰問していたそうだよ。




「【銀星王国】から連絡は受けたのです。

既に、怪しい機械は発見したのですよ」


「機械・・ですか?」


「そうなのです。

地球との通信機能も有るみたいなのですが・・『 歪み 』 が酷くて、私には近付けないのです」


「ソレって・・」


「『旧世代』と関係有るかは・・分からないのです」




シュンとするビタさん。


昊婆ちゃんが、秋原家以外で一番お気に入りなだけあって・・もう、良い歳した女性のハズ ( 私達もだろ・・とは何の事かな? ) なのに、庇護欲が掻き立てられるねえ。




「取敢ず私達三人で、歪みの範囲外からその機械を狙い撃ちしてみます。

案内をお願い出来ますか?」


「当然なのですよ!

秋原家の敵はみな、ブチ殺してやるのです!」


「頼もしいです」




元・森の民である昊婆ちゃんの御先祖様である聖者の子孫である【人花】。

つまりビタさんとは遠い親戚のようなモノ。


ビタさんも私達の家族です。




「あの・・オレ、目に入ってる?」


「入ってますよ?

プーニ・・さん、でしたっけ?」


「ウーニ!

・・勘弁してよ」


「元・対村破級傭兵団だった誇りを捨てて、お腹がプーニさんを軽蔑しているだけです」


「いや・・【麗嵐国】に行ったら毎回ムチャクチャ飯を食わされるしさ・・」


「鼻の下を伸ばして?」


「うぐ・・」




【麗嵐国】の男尊女卑を救ったのは、まだ当時存命だったディッポ団長さん率いるディッポファミリー傭兵団を中心とした面々。


ディッポファミリー傭兵団は女の誘拐が得意・・なんてブラックジョークを言われる程、女性を数知れず屑男の下から救出してきたから抜擢された・・らしいけどね。


まあ、数知れずの【麗嵐国】の女性からヒーロー扱いされ・・未だ、こんなんですわ。


ビタさんはビタさんで、妙に子供っぽいから 「 私の旦那様はモテモテなのです♡ 」 とか喜んじゃうし・・。



◆◆◆



「「「 せーのっ! 指向性面制圧魔法クレイモア!!! 」」」




三人係りで、歪みの中心にある機械を撃破。

確かに、私達の異世界物質迎撃魔法パトリオットでも近付けない程の歪みだったよ。




「でも・・地球との通信記録っぽい音声を、仁一郎爺ちゃんに見せたら───なんであんなに反応したんだろ」


「まさか・・浮気?

プーニさんみたいに」


「だーかーらー・・」




仁一郎爺ちゃんは・・音声の、とある 『 女性名 』 に反応していた。




「誰だろね・・ 『 美千代 』 って」

 

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