36『当然、同じ立場の幹太も成長しています。』
「あ、あき・・はら・・かんたあああああぁぁあ!」
「『反』ぃぃいぃいいいいいい!」
ヒーコラヒーコラバヒンバヒン。
つーかーれーたーー!
服も汚れてきたし、『反』が解決したら、颯太と会う前に彩佳とお風呂入る! 絶対入る!
・・しかも二人っきりで入るのだ。
たぶん殴られるだろうが・・超自己再生魔法を駆使してでも拝み倒して、絶対に二人っきりで入りまする。
───彩佳はなあ。
家族全員でなら入ってくれるんだが・・二人っきりでは、今まで一回しか入ってくれてなかった。
その一回の時・・せっかく女同士でのお風呂なので、御約束の───
「やーん幹太、大っきい♡」
「彩佳こそ、成長しているじゃん♡」
───を、ヤリたかったのだ。
実際、彩佳のは子供を産んでBからCに成長している。
その事を誉めたら・・何故か、死ぬほど怒られた。
・・今だに、何故怒られたのかが分からない。
でも入る。
その為にも『反』だ。
疲れてきたのも、魔力の 『 消費量 』 そのものより・・『 制御 』 の方がシンドイ。
なんつうか・・薄氷の上で戦っているっつうか、かなり危うい気配だ。
彩佳が聞きだしてくれた 『反』 のヴォイドは、ヤツ自身から作り出された物じゃ無く・・『反』 の中の 『 扉魔法 』 から送られてきたモンらしい。
その 『 扉 』 なのか、俺の魔力がやたら通りやすい場所がある。
通りやすい事が良い事か・・と言われれば───この場合は違う。
扉周辺が、薄氷みたいっつうか。
「───たぶん、全力全開でやりゃあ・・『反』を消滅させられるんだよなあ」
「んっふっふっふっ・・中々見事な強がりですね」
「魂の安全機構を外した方の、全力全開だぞ?」
「幹太・・ソレって!?」
「・・済まんね。
颯太や子供たちに危険が及ぶようなら───やるよ」
「・・ハァ、そんときゃアタシも付き合うからね?」
「いや、彩佳は・・!?」
「アタシを、アンタの手で殺したくないならヤリなさい」
「・・済まんね」
「・・良いわよ」
今や彩佳も秋原家。
つまりはそうゆう事───いや、元からか。
俺に付き合い、彩佳は彩佳に転成したんだしな。
「くっ・・醜いハッタリを!」
「さっき、見事ゆうたやん」
『反』を操る貴族がキレる。
潜り抜けた実戦の数が違うよ。
「まあ、そう成らないよう・・ギリギリまで頑張るさ」
二人で・・お風呂に入るために。




