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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
プロローグ
5/547

5『本来の意味の魔法使い。』

 

俺は魔法が使える・・!

俺は魔法使い・・・・!!


体内の血液がすべて、魔力へと変化し・・血管を通して両腕に集まり、炎へと変換するイメージ!




「転移モノのォ・・魔法は大概ィィ・・イメージの力でェェェ・・魔法を打ち出ぁぁぁぁぁぁぁすっっ・・・!!!!」




熱い。

腕が焼けている。

手の平はもう痛すぎて何が何だか分からない。

でも、それは───予想が当たった証だ!


・・行くっ!



「ファイヤァァーーーッ!!」


『 ゴゥンッッ!!! 』




炎が、出た・・!

敢えて言うなら、俺の手から生えた炎の蛇を操る感じか?

腕回りの炎や熱を操れて無いんで、火傷しているらしい。


その分、火力は充分。

どんなに避けようと・・追いつき追いつめ、大柄犬ゴリラを焼き尽くす!




『グオァァ───!?』


「次はオマ・・エ・・・・?」




小柄の犬ゴリラも焼こうとして・・全身からチカラが抜けて動けなくなる。

魔力切れってヤツか!?


一方、颯太も互角・・とは言い難い。


秋原流甲冑柔術に、蹴技が無い ( 歩法のみ ) せいで攻め手に欠けている。


この手の作品を見たことが無い颯太に、下手なイメージを植えたら・・かえって魔法が使えなくなるかもしれない。


けど歩法だけじゃあ決定力が無いし・・消耗戦になれば、直にヤラれる。

・・せめて武器があと一つ欲しい。




「そ、颯太・・!

『足』のチカラは『手』でも使えるんだ!」


「えっ? えーと・・?」




やっぱり精細を欠いてきたか?

手の攻撃が微かに通用し始めた分、足の動きが悪くなる。




「『チートシューズ』と『チートグローブ』をはめたイメージだ!

後は、さっきの走りと普段の鍛練だけ考えろ!」




颯太は真面目で真っ直ぐだ。

才能もある。

俺みたいな、ヒネた発想は出来無くとも、鍛練で得たモノがある。




「ココは道場・・ココは道場・・!」




秋原流甲冑柔術と、先程の走りと、敵を弾く腕が、徐々に融合してゆき・・新たなる武術を産み出す!




「ぜいやああぁッッ!!!!」




颯太の十倍はあろう体重の犬ゴリラの、頭と足の位置が竜巻に巻き込まれたかの如く引っくり反り───そのまま両者の全体重が脛椎にかかるよう、犬ゴリラの首に肘を押し当てて投げ落とす。


前に父さんが息を飲んだ動き。

源太爺ちゃんはその日の夜、泣いていた。

俺は・・アレを見て己の才能の無さに気づいた。




「幹太兄ちゃん、やった・・よ・・・」


「ははっ・・しんどい、だろ?

多分魔力切れ・・MP:0ってヤツだ」


「僕達、魔法使い・・?」


「うーん、かもなあ」




酷く疲れながらも、御互いの戦果に笑いあっていると───




『『『・・オンナァ・・・!!』』』




───最悪の『声』が聞こえた。

 

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