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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
495/547

30『「冷凍ビームで凍らせてからミサイルを・・」「やめとけ」』

 

───【オウゾク】。


83年前・・王族たちは魔女たちの転生先と魂を弄んでたわ。


魔女を王族の子として転生させて人体実験したり、肉袋みたいな魔物に魂を封じ込めて魔力タンクにしたり・・ね。


そんな魔女の中の一人に 『 聖者 』 がいた。

聖者はアタシの義理の母、昊御義母さんの御先祖さん。

( たぶん【人花の巫女】、ビタの御先祖でもある。)


王族は聖者から、魔力回復効果のある薬・・通称 『 禁断の薬 』 のレシピを聞き出した。

けど・・そのレシピは、自分の旦那の子孫の外道行為に怒った聖者の嘘レシピ。


その薬の本当の名は 『 誘蛾灯 』。

アタシ達魔王討伐隊が王族を追い詰め、王族たちが 『 誘蛾灯 』 を服用した結果・・無限の回復力を手に入れた代わりに、最も恐れる者───幹太へと引寄せられ突っ込んでいく【オウゾク】へと成り下がった。




「誘蛾灯は・・体内に細胞サイズの扉を作って、何処ぞの青い(たましい)世界から無限の魔力を呼び込む薬よね」


「実際は・・無限の魔力が手に入るように見せかけて───無限の再生力をもって、天敵に永遠に殺され続ける薬だった訳です」


「あら? 知っているのね・・って事は」


「我等の仲間に、そのレシピを聞き出して薬を作りあげた王位継承からハズレた王族の孫が居ます」


「・・ハァ。

また面倒なのを、【人茸化】し損ねていた訳ね」




【銀星王国】に公安が欲しいわ。

【人土】に警察官は居ない。

83年前の【アジ・タカーハ】騒動の時、【人土】の命より自分たちのプライドを優先させた警察を嫌う人間が多いからね。




「さすが国母様の作られた薬。

完全に解明出来た訳では有りませんが・・改良はしております」


「例えば・・無限の魔力ではなく、無限のヴォイドが得られる場所と、扉を繋げた───とか?」


「んっふっふっふ」


「でも・・ある意味、魔力生命体とでも言うべき【スライム】とヴォイドが、よく融合したわね?」




『三者を越えし者』や、今の幹太が何の防壁もなくヴォイドに触れたら・・同質量だけ、肉体が消滅するハズだけど・・。




「【アルラウネの花】の効果も有るのか・・本人たちの、アキハラ カンタへの深い憎悪がそうさせたのか・・消滅しては再生し、消滅しては再生し───最後、よく分からない灰塊になりました」


「灰塊?」


「恐らく、ですが・・【魔王の粘土】と呼ばれる魔物、もしくは、ソレに近い魔物ではないか・・と」


「【魔王の粘土】・・」




英雄ヨランギの三人の妻の一人、『 賢者 』 が、【魔王の粘土】との死闘の末に混ざりあい・・二者のチカラを持つ存在───『三者を越えし者』が産まれた。


【スライム】の魔力吸収能力は、【魔王の粘土】の能力の一部だとは思っていたけど・・。




「その、真の能力は・・ヴォイドまで吸収出来る!?」


「【魔王の粘土】については、お恥ずかしながら分かりません。

ですが・・『アンチ』はヴォイドを吸収します」


「アタシ達の天敵じゃない・・ひょっとしたら、【空の口】やヨランギよか強いかも」


「んっふっふっふっ~」




【オウゾク】はある意味自滅した。

・・けど、純ヴォイド生命体とでも言うべき『アンチ』は───今の幹太の方法じゃあ倒せないかも・・。

 

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