25『滅多に弟子を取らない分、ノリノリになる『だけ』ではあります。』
「うーん・・一体一体が街破級の80%ぐらいかな?」
「でも颯太婆ちゃん、劣化版とは言え数が多いぜ?」
幾ら颯太婆ちゃんでも、劣化版街破級50匹・・しかも、まだまだ隠れてる。
さすがにヤバいんじゃ───
「確かに、ちょっとピンチかもねぇ」
〔 ククク・・ちょっと?
素直に勝てないと、認めたらどうだ? 〕
颯太婆ちゃんの弱音なんて、始めて聞いた。
まさか・・・・。
「だから理太くん。
修行、頑張ってね♡」
「・・え?」
颯太婆ちゃんは・・魔物ウチの1匹を、オレの方へ蹴っ飛ばす。
一瞬で魔物の右腕をネジ切り、右足の膝に指一本で矢傷みたいなのを与えながら。
・・え?
「今の理太くんだったら、なんとかソイツに勝てるから。
ソイツが終わったら、もうちょっとダメージを小さくした魔物を上げるね♡」
「・・え?」
「幹太姉ちゃんの子供並みに強く成りたいんでしょ?
だったら・・修行、ガンバっ♡」
わ、忘れてた・・。
≪理太ぁ? ・・世界一周の旅で、忘れていたかもしれないけどぉ───
颯太ちゃんってぇ、大の修行マニアなのよ~?≫
「・・う、うん」
≪家に居たころ・・魔物・盗賊退治や一家団欒以外は、朝起きてから夜寝るまで、ずぅーっと道場だったろう?≫
「・・うん」
≪颯太ちゃん・・弟子にはキビシイからねぇ?≫
≪颯太の言う、なんとか勝てる・・っていうのは、なんとかしないと負けるって意味だからね?≫
「・・・・」
聖者と覇者が・・颯太婆ちゃんの中から、怖い事を言ってくる。
・・・・。
・・ええい、オレも秋原家の人間だ!
街破級だろうが、魔物なんかに負けるモンか!
◆◆◆
「取敢ず、空間内爆発魔法!!」
幹太が・・『反』とやらを防壁魔法で包み、中を爆炎魔法で埋め尽くしたわ。
辺りに被害を出さない魔法では、最強レベルの魔法だけど・・爆炎が晴れたソコには───
・・はっ!?
ソコには・・無傷の奴が居た。
じ、冗談でしょう?
「幹太の魔法を食らって・・ノーダメージ!?
・・あ、アレは・・ココに存在するの!?」
「なんだよ、ソリャ?
幽霊みたいなモンだって言いたいのか?」
「だって・・自己再生魔法だとかで、回復したようには見えないわ」
昔、幹太と『三者を越えし者』とが戦った時───『三者を越えし者』は耐久力特化だったけど・・あの、攻撃しても攻撃しても回復する感じとは全く別よね。
「魔力・・は、全く見えないし───幻術の類いじゃ無さそうね。
幹太、寄生虫探査魔法で『反』の生命活動を見て!」
「・・分かった!
・・・・・・んん?」
「な、ナニ!?
生命活動が無かったの!??」
「・・いや。
生命活動もナニも・・寄生虫探査魔法そのものが、無効化されたっぽい。
見た目通り、シミそのものみたいだ!」
魔法を無効化・・って、ソレは───
「そう、『反』はヴォイドの使い手・・いや、『ヴォイドそのもの』と言ってよい存在です!」
「ヴォイドそのもの・・」
『反』を操ってるっぽいオヤジが、両手を広げて笑いながら声高らかに解説してくる。
・・なんで悪役って、ショーがかった動きが好きなのかしら。
「おおっと、だからと言って『反』は地球人では有りませんよ?」
「・・まさか、地球の人間じゃなくて猿とかってオチか?」
「まさかまさか! 異世界人ですから!
しかも・・貴女の仲良しさんですよ」
幹太の不正解が嬉しいのか・・ピクピク、全身を震わせているわ。
キモい・・。




