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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
会合・幕間
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49『様々な視点・特別編③ 御互い村の中を彷徨きまくってても出会わない御都合主義。』


今、儂等のおる【連合】は中小様々な国が集まって出来た国で、色々な人種と文化が集まっとる。


パラヤンとポロヤン親子は、その様々な文化の品を隣国【銀星王国】とを繋ぐ、検問所と交易所を兼ね備える【国境の村】に持ってきて売りよるんじゃな。



◆◆◆



「パラヤン殿、少しニッポンの事を【銀星王国】の人間に聞いてくるでな」


「分かりました」




ついでに買い物でも楽しもうかの。

パラヤン殿からは、初めて会った時に助けた事の謝礼を少なくない額貰とる。

( あの時、破棄予定だったモノも幾つか貰たんで直して自分で使うたり、売れたりしとるよ。)


他にも・・。


男尊女卑の無い地域では行商を手伝ったり、訪れた村や街で指名手配された魔物をザラクス殿と退治したりしてソコソコ稼いどるわな。




「ザラクス殿はどうするんじゃ?

護衛依頼はこの村までだったんじゃろう?」


「ああー・・ソレがな。

【ナーガ】に襲われる前に、襲ってきた盗賊が気になってな・・取敢ずこの村の傭兵ギルドに居る。

ゲンタはどうする?

もし、入る気があるならアンタなら一発合格だぜ」


「・・いや、今暫くは何者でもない自分でおりたいんでな」


「何者でもない・・か。

分かった。

また依頼があるなら声をかけてくれ」




ザラクス殿と別れ市場へ。




「布が大量に欲しいのう」




余程、地下水豊富な土地でもない限り風呂がないんでなあ・・。


基本は洗面器一杯分の水で身体を拭う ( 乾布摩擦っぽい ) 感じかの?


他にもティッシュの替わりに使おたり、服の修繕に使おたり、綺麗な布は幾ら在っても困らん。




「ほう。

可愛えな・・一ツ貰おうか」


「有難う御座いまーす」




母と娘かの?

所謂、女性小物を売っとるようじゃ。

買い物ついでに良い布を売っとる店を聞き、ソチラへ行く。

ニッポンの事は知らなんだ。


・・・うん?




「もし・・其処な御仁」


「・・ん? オレの事かァ?

外人の奥サンよぉ」


「うむ、見ればその格好・・旅装だと思うんじゃが、旅人かの?」


「ああ、そうだぜ」


「では『ニッポン』という国を知らんかのう?」


「『ニッポン』~?

いや、悪りィが知らねぇな」


「そうか・・いや、手間取らせてすまなんだ。

──・・。

ところで・・ソチラは御孫サンかのう?」


「オレッスか?

はい、孫ッスよ」


「うむ、元気があって宜しい。

やはり孫とは可愛いもんじゃなあ・・。

では、失礼する」




若帰り、女性化し、魔物退治に旅・・目眩のするような日々に、気づかなんだが・・こりゃ『ほ~むしっく』、ちゅう奴じゃな。


・・幹太、颯太、仁一郎君・・。

───もう会えんのかの・・。



◆◆◆



数日後。

この村で売れるモンを売り終え、【連合】で売れるモンを買い終えたパラヤン殿が尋ねてくる。




「ザラクスさんの契約も切れましたし・・ゲンタさん、貴女さえ良ければこれからも我等の専属になってくれませんか?」


「うむ・・儂の作った物が意外と高う売れたり、魔物退治したり・・御主等とおると楽しいからのう。

専属の話はともかく、暫く世話になる」


「ええ・・今はソレで充分です」


「これからも宜しくお願いします、ゲンタ様!」




魔法使いと呼ばれるようなって魔力っちゅうモンの扱いを覚え、人の嘘が分かるようなってからはこの親子には随分助けられたのう。



◆◆◆



立ち寄った村で、次の村への道に盗賊がおるっちゅう話を聞く。




「盗賊かの?

問題無いわい」




実際その場にを通った時、盗賊が襲ってくるもこの一ヶ月半で対応は馴れたモンじゃ。


半分の人数を気絶させて・・残りのリーダー格が笛みたいなん取り出す。

増援か?


望むトコじゃわい、みな取っ捕まえてやろ・・なんじゃ?

音はせん。

犬笛か───




『グオオォォォン・・ッッ!!!』


「・・はっ、まだ実験中だが仕方ねえ!

行け、【ガルーダ】!

あの糞女を殺──ぶぇあっ!!?」




突然現れた巨大鳥が盗賊のリーダーを食い殺す。

儂等があっけに取られとると・・その目が儂等を捉えた。


飛ぶ敵に苦戦するも、空を蹴る方法に目覚め ( やり方は自分でもようワカラン ) 何とか背中に飛び移り、撃退する。


盗賊がこの鳥を操っとったんかの?

( 失敗したが。)


盗賊共は首に縄をつけ、傭兵ギルドに売る。



◆◆◆



「魔物を操る実験・・ですか」


「別に信じんでエエぞ、儂の仕事はもう終えたしのう」


「いえ・・そういう訳では。

ただ、ギルド以外の人間に話せる事、話せない事があってですね・・。

───今、ギルドは人を集めているんですが」


「か弱い乙女に何を言うとるんじゃ」


『はっ、ははは・・その糞アマは嘘ツキだぜぇ・・空をぴゅーって、ぴゅーって・・たった一人で【ガルーダ】を殺しやがった!』


「・・・・」「・・・・」


「そう言えば一ヶ月程前、【ナーガ】の死体が見つかっていてですね」


「ほう?

優秀な『対、村破級』傭兵団がおるんじゃな」


「傷らしい傷は頭を落とした一刀のみ、実質一人で退治したとしか思えないんです」




ニコニコした目の前の傭兵ギルド職員。


・・そういえばコヤツ周りの魔力が見たことない動きをしとる。




「・・魔法使いか?」


「はい♡」


「・・嫌な奴じゃの」




最初から儂の嘘も、あの盗賊が真実を言っとる事も、見抜いとったんか。

儂以外の魔法使いを見たことなかったせいで気づかなんだわい。




「・・儂に何をヤらせたいんじゃ」


「既に盗賊が魔物を操るという噂は掴んでいましたが【連合】は

『確度が低い』

という理由で、動きませんでした。

───が、今回の証拠で動かせます」




後は【連合】が黒幕を探っている間に、傭兵が末端の盗賊本隊を潰す手筈だそうじゃ。




「盗賊の規模は?」


「手駒にまだ『村破級』が何匹かいる筈です」















「・・ところで30歳で乙女はキツいですよ?」


「ふん、たかが4~50の若造が」


「???」


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