20『天然、動く。( しばかれる。)』
「クジャラさんっ!」
「おうっ!」
全く・・若い連中は元気だね。
オレは元はと言えば、数人で対・村破級の・・中堅傭兵なんだがな。
『スライム巨人、イエ○ーデビル・バージョン』
「その、核とやら・・いるかね?」
・・・・。
「オレが1匹1匹、丁寧に倒してる横で・・あの人たちが一撃で3~4匹まとめてブッ飛ばしてんのを見てるとな・・」
「いやいやいや。
僕たちは20人ぐらいで、やっと村破級1匹を倒せるか異なか・・ってトコなんですからね!?」
「そーですよ!?
クジャラさんは充分強いです!」
「せめて裏切った責任はとる!」
「ハリキリ過ぎんなよ?
傭兵は命懸けで戦うモンだが、命知らずは傭兵じゃねえからな」
責任を感じているアロスはともかく・・若い連中でも、チラホラ暴走気味なんが居るな。
この80年、テリトリーから出てくる魔物は魔王討伐隊しか対応できない・・村破級でも上位のヤツばっかだったしよ。
若いのは、凡そ練習以外で初の村破級っぽいし・・進軍がちょい、ズレてやがる。
オレはフォローに回らなきゃならん。
「・・ハァ。
コレがチビッ子どもなら、フォローで10匹ぐらいブッ倒してんだろうがな」
「ど、どんなチートですかぁ・・」
「ああ、リリちゃんは日本人だからチートっての分かるんだよな。
・・チートってのは女王───アイツ等の母親を言うんだよ」
「女王様・・ですか」
「ああ。
女王───幹太ちゃんなら、こんな奴等なんか・・・・」
◆◆◆
「超長距離遠隔操作魔法!」
「クワガタたち、空からの監視はお願いね」
俺たち二人の周囲を、200m級の巨石一個が高速でグルグル。
その軌跡は魔法陣。
魔物たちが近付くと、ズビシャ。
( 後で聞いたらコッチの世界遺産だったらしく、お偉いサンに引くほど怒られた。)
「さて。
コレっぽっちの雑魚はコレで良いとして・・颯太との約束は、遅れるワケにイカンからなあ」
「颯太は颯太で・・面倒に巻きこまれてそうだけどねー」
要らん事、言わんでよろしい。
颯太とはお互い、『子育て・孫育て』『平和を脅かす魔物・盗賊退治』を終え・・落ち着いてから会おうと約束した。
( 颯太、すぐムチャするし。)
そして取敢ず、最低限の目標は完了し・・やっと三年ブリに会えると思っていたら───
『ようこそ。
秋原 幹太さん、秋原 彩佳さん』
「ん?」
───変なオッサンがやってきた。
「彩佳の知り合いか?」
「寧ろアンタでしょう、このオヤジキラー。
・・この前も、ジキアとザレんとこの息子に色目を使───」
「貴様っ! 何者だっ!?」
新種の魔物2000匹が襲ってくる、このタイミングで現れたんだ。
無関・・・・痛っ・・・・係じゃ無・・・・痛い痛い痛痛痛い・・!?
御免なさい、申し訳有りません、許して下さい、みんな呪いが悪いんや。
「ふふん・・報告書の通り、ド天然のようで」
「みんな直ぐそーやって、彩佳を天然扱いするけど・・彩佳はそんなには天然じゃ───何でこのタイミングで、俺の尾てい骨に攻撃するん!?」
彩佳を庇っているのに・・偶に彩佳から痛いコトされる。
結婚しても、その辺あんま変わらん。
・・でも鬼嫁じゃ無いよ、ホントだよ。
・・ホントだよ?
「・・で?
オジサン、誰かしら?
今の時代、アタシ達に逆らう人間って・・コッチにもアッチにも、そうは居ないハズなんだけど?」
「おおぅ怖い、ソレが【人茸の巫女】のキノコですか」
・・マジで、誰だコイツ?
彩佳がキノコを創りだしても・・全く恐れていない。
彩佳のキノコは、今や世界中全ての国々で恐怖の象徴となっている。
事情通、かつ、彩佳を恐れない・・何者なんだ?
( そして、そのコツを教えて欲し
───あ痛っ!?
次話からは、主人公は書きやすい順で書きます。




