19『80年前と同じ光景。』
「ソッチはパワータイプ?
・・うん、うん、分かったー。
じゃあねー」
「兄さん、この魔物は色々なタイプが居るのか?」
「らしいよー。
ラカちゃんはソコで待っててねー」
村破級の新種、5000匹。
まるでクローンの如く、大きさ・毛並み・戦闘力が一緒と聞いたが・・。
私が、別の場所の兄妹と連絡をとりながら戦う兄さんを観察していると───
「お、お嬢ちゃん達は姉弟か?
君が君等の中で一番の歳上なのか?」
「む・・まあ ( 魂の年齢を含めれば ) そうだが・・ソレが何か?」
「き、君らは何者だなんだ!?
【銀星王国】は個人で『対、村破級』がウジャウジャ居る、世界最強の傭兵と魔法使いの国だと聞くが・・まさかこの国の国民は、子供のウチからこんなに強いのか!?」
外国の人間かな?
イーストの奴・・外国の傭兵も呼び寄せたか。
あいつ・・自分の娘である末妹を守りたいがあまり、戦力を集めすぎだぞ。
私たちのチカラは使いたがらないし・・。
「まあ、【四種族】発祥の地のだからな」
正確には違うが・・人類の歴史上、80年前【銀星王国】に集まり【銀製王国】から旅立って行った。
世界の認識で【四種族】は、【銀製王国】発祥の新人類となっている。
「そ、そうか・・オレは初めて【四種族】を見るんだが・・・・こんなにも強いのか」
ふう、コイツが魔法使いで無くて助かった。
「ソレより・・アナタ達はこの魔物について何か聞いていないか?
この魔物は全個体が同一と聞いたのだが」
「オレ達もそう聞いた。
が・・繁殖地で主に何を狙ってたかで個性が出るようだな。
ほら見ろ、あの前傾姿勢・・アレは小動物を主食にする大型動物の特長だ」
「あのスピードの小動物となると・・ソニックラビットか」
「ああ」
成程、大したスピードだが───
「なん・・っ!?
よ、幼児が・・ソニックラビットより速い魔物に、追い付───追い抜いた!?」
「ソニックラビットとアローバードは、あやママが育てているから毎日追い駆けっこしているから」
「毎日・・。
だ、だが・・あの新種魔物はスピードだけじゃ無い。
恐らく攻げ・・き・・力───」
外人傭兵が空飛ぶ魔物を目で追う。
「数100匹の大型魔物が宙を舞うのは壮観だな」
「は、はは・・。
そういえば先刻、ソッチはパワータイプとか連絡しあっていたが・・?」
「ああ、どうやら向こうはビッグボアを狩っていたタイプらしい。
然程問題ないが」
「は、はは・・」




