18『人間魚雷。火薬、自分。弾頭、自分。』
「【ビーチェ村】【アグロ村】間、【レンヂナ通り】に魔物、1200出現」
「純香さま、邦花さま、美結夏さま出陣!」
「【人土村】【アキサ村】間、【三朱の森】に魔物、1300出現」
「信太さま、恵太さま、甚太さま出陣!」
お子様等が、どんどん出発して行きまさあな。
何やら・・何処かの誰かと秘密取引をしていたらしく、事前準備が半端なかったですぜ。
「まるで、何処に『旧世代』が出現するか・・分かっているかのようですなあ。
決まって、人の気配のない場合でさあ」
「よく【巫女】様が、その場の思いつきで魔法を作っていましたが・・コレってまさか───」
「ええ、どうやら魔物の好む音をその場で『集音』『録音』『再生』しているですなあ」
「ハハ・・カエルの子はカエルと言いますか・・・・」
ずいぶん渇いた笑い声を上げてらっしゃる。
まあ確かに、機材もなく魔法だけでそんな事出来るのか・・想像もつきませんがね。
「【ジート砦】にも、【巫女】様にも離れた位置ですね」
「母君にバレないよう、戦うつもりらしいでさあな」
「チート・・でしたか。
若い人達流の、『とてつもない』をあらわす言葉は。
・・バレないですかね?」
「あー・・ディッポ団長さんが生きてらっしゃった頃に聞いた話だと───
自分たちが必死こいて【ファフニールベビー】を倒してた時、そんな事も気付きもせず【ファフニール】を倒していた・・そんな御方ですからなあ」
我々が村破級5000匹に右往左往している間に、【巫女】様はもっと恐ろしい『モノ』と───
・・いや。
こりゃ、御約束って奴に感化され過ぎでさあな。
◆◆◆
「はっ、速すぎる!?」
「・・どうやら、クローンとかいう同じ生物でも食ったもんやらで多少、違いは出るらしい。
速度特化タイプ・・コイツ等の主食は【ソニックラビット】か【アローバード】か?」
「どっちも世界一速いっていう魔法じゃねぇか!?
そんなんを捕まえて食う化物を、どうやって倒したら・・」
「あれー? なんで傭兵さんが、こんな所にー?
この時期、誰も居ない場所を選んだんだけどなー?」
「あ? が、ガキ・・!?
何でガキがこんな所に・・おいっ、引っ込んでろ!
今ココは戦場に───」
「オジサンたち、ちょっと邪魔だから・・どいててねー?
超速歩魔法っ!
・・うーん、遅い魔物だなあ?」
「なっ・・!?」




