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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
479/547

14『わんぱく。』

 

───


─────


───────



「───目標、『甲・乙』は?」


〔『乙』は偽装した衛星を使い、追っています。

○○県○○市○─○─○、あと三日ほどで日本側の『扉』に着くかと 〕


〔『甲』は活動拠点は異世界なので、【人土】共が邪魔する上・・陽炎と消音の魔法を使うため、正確な現在地は分かりません。

───が、やはり『扉』から三日圏内に居るかと 〕


〔『乙』は所詮、格闘能力しか有りません。

『甲』と合流前に仕止めるべきでは? 〕


「うむ・・。

だが、彼方の『扉』の前に集まった、傭兵とかいう羽虫どもに邪魔はされたくないな。

・・" 鐘 " を鳴らせ」


〔 了解。

制御装置を作動させます 〕



◆◆◆



〔 " ドリーα(アルファ)" 、異世界側の戦闘集団を『扉』の前から追い払いました 〕


「ふふん・・!

さすが『アンチ』製造・解析過程で得たノウハウを詰め込んだ、遺伝子操作生物だ!

傭兵とやらなど、モノともしない!」


「───・・大した物だ」


貴族(・・)の、貴方方はどう思われる?」


「傭兵や騎士(劣等種)どもの質は低下しておろう」


「というと?」


「千年程前までは街破級が溢れかえっており、人類そのものが強かったそうだが・・街破級の減少と共に、人類の弱化が進んだ。

───更に80年前の戦争から、人類を襲う魔物そのものが減った今・・奴等に雑魚しか居らんよ」


「" ドリーα(アルファ)" の活躍は、当然の結果という訳か」


ソチラ(・・・)の文化を否定するつもりは無いがな・・。

産まれながらに魂が濁っておる賤しい身分は、何をしようと小賢しくなるだけで学校など・・」


「・・・・新政府も、考慮すべき事案だろうな」


「・・・・」


「しかし・・" ドリーα(アルファ)" の集まりが悪いな。

100体も居らんぞ?

無人地区に5000体以上居るのではなかったか?」


「所詮、"α(アルファ)" は、自然繁殖に成功したぐらいで───戦闘力・寿命ともに大した事のないバッドコピー(試作品)だ。

制御力もな。

全部が制御装置に反応したワケでは無かったのだろう」


〔 " ドリーβ(ベータ)" を使いますか? 〕


「いや・・100体足らずの " ドリーα(アルファ)" 如きに苦戦している連中には勿体ないな」


「うむ。

" ドリーβ(ベータ)" は未だ300体ばかり」


〔 では " 鐘 " は引き続き、鳴らし続けます 〕


「うむ。

いずれ残りもやってくるだろう。

羽虫ようへいには、コチラの主力が " ドリーα(アルファ)" だと思わせておけ」


「そして孤立した『甲』には『アンチ』を。

『乙』には " ドリーβ(ベータ)" 300体を」


「敵は『秋原 幹太』と『秋原 颯太』と『魔女』のみ(・・)

主戦力は全員、80年間に死に絶えた(・・・・・)

せいぜい、その子孫だけだな」



◆◆◆



「この辺は全然、復興が進んでねーんだな、颯太婆ちゃん」


「元、【人土】の総本部が有った場所だね」




日本地図のアプリを広げながら、颯太婆ちゃんと朝食。

このアプリは【人土】が出してて、一般人向けの地図と違って白い(・・)部分がない。


みんなには秘密の場所も、ちゃんと載ってる完ペキ版なんだぜ。




「ココは80年前の激戦区で、ボロボロになって・・その上、幹太姉ちゃんの超魔力で『扉』が開きっぱなしだからねぇ。

みんなで、ココは関係者以外立入禁止、中身も秘密にしたんだよ」


「へー、だから復興はあえてしないってコト?」


「そうだよー。

理太くんはエライねぇ」


「こんぐらい、颯太婆ちゃんの孫なんだから分かるって!」


「んふー♡」




こうやってると、オレ達は『秋原家』なんだなあ・・って実感する。


家族仲が良い友達んトコでも、なんかよそよそしいモンな。


偶にくる、変なオヤジなんか・・やたら家族の悪口を言って、オレ達家族の仲も裂こうとするしさあ───




「・・ん?

颯太婆ちゃん・・アプリの地図が───」


「───んぅ?

・・やれやれ。

懲りないねぇ・・クスクス♡」




アプリの地図に・・なんか変な警報が出た。


颯太婆ちゃんは、地図も見ないで・・遥か彼方の空を見て・・タメ息をついた後───笑った。


あーあ・・この笑顔。

誰か知らないけど、馬鹿だな。

滅多に怒らない颯太婆ちゃんが、けっこうホンキで怒った時の笑顔だ。


颯太婆ちゃんに、この笑顔をさせた奴は生き残れないのに・・。


よーし、オレも頑張るぞ!

 

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