13『ビーム、ミサイル、キック! 戦艦も。』
「ん? 『三者を越えし者』さん、お久しぶり」
『クジャラか』
【人土】幹部の嫁さん達の調査結果を聞きつつ【ジート砦】に着いたら、『三者を越えし者』さんが居た。
───って、に・・妊娠!?
「さ・・『三者を越えし者』さん、大丈夫かい!?
ココはもうすぐ戦場になるんだぞ!?」
『知ってる』
「『三者を越えし者』、コチラは御知り合いなの?」
『対・街破級傭兵団のクジャラだ』
「た、たた対・街破級!??」
『三者を越えし者』さんの回りでウロチョロしているガキんちょ共が驚愕の目でオレを見てくるが───
「オレ等は100人で対・街破級の傭兵団だよ」
「い、いや・・3000人で倒す街破級を・・ひゃ、100人っ!?
そんなの、イースト総監クラス・・」
「ソッチの妊婦さんは、一人で対・街破級だぞ」
「「「「 ・・・・!? 」」」」
『昔の話───』
──ィ・・ィイイイイイ・・ンン──
「あ?」
『む?』
「コレは・・音に魔力が乗っているのね?」
なんだ?
金属同士を擦り合わせたような、不愉快な音が・・微かに───
「・・ん?
先輩、リリさん、何か聞こえませんか?」
「・・そういや、遠くから・・」
「アタシも聞こえます、ゼレバさん!
───地響き?」
◆◆◆
「小半半力・指向性面制圧魔法」
「なぁに? また新種の魔物?」
「ああ、けっこう多いぞ。
在来種は80年前の【空の口】の魔物の大侵攻以来・・人類と生息圏の住み別けが出来ていたのになあ」
「クワガタで上空から見てみる?」
「頼む。
御互い、子育てや治安維持で・・三年ぶりにやっと会えるってのに、再会の邪魔されたくないからな」
「本当は ( イースト以外の ) 秋原家全員で会いたかったけど・・あの子達も、「 先ずは何も言わずにママたちだけで会って♡ 」 だからね」
「イタズラっ子っぽく何か企んでいたっぽいけどな」
「御義父さん御義母さんと源太ちゃんもねー」
「まあ、秋原家全員ってのは・・ゴチャゴチャが終わってからで良いさ。
子供たちに危険な目は合わせられないしな」
「そうね・・あ、北北東から群よ。
敵が三分で茶が七分!
・・まあ2~3000匹ぐらい?」
「思ったよりは少ないなあ。
非爆発型貫通魔法!」
◆◆◆
「ゼェ・・ゼェ・・!
リリさん、西から3匹きたぞ!?」
「そんな・・東からも2匹きましたよ!?」
「コッチはまだ、10匹も残ってるぞ!?」
この見たことの無い魔物───
一体で、村破級ぐらいか・・。
オレだけでもう30匹は倒したが、周囲の新人や、対・道破級傭兵団が息切れし始めていやがる。
「『三者を越えし者』さんと・・ヒューさんだったか?
ソッチはどうだ!?」
「アタシゃ対人魔法が得意で・・あんま魔物は得意じゃないね!」
『自分も、対個魔法が得意。
集団戦はちょっとキツい』
一旦下がるか・・?
なんか、首筋がピリピリしやがる。
この新種の魔物が『旧世代』と関係有るのか分からねえが・・たぶんコレで終わりじゃないと、勘が告げてやがるぜ。




