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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
477/547

12『草も樹も、街破級も魔王も残らず。』

 

「はーい、第2628回兄妹会議ぃ。

今回の議題は、『過激思想集団『旧世代』をどうするか?』でーす」


「前回の───

『バナナはオヤツに含まれますか? という質問ボケを誰がやるか?』と、落差が酷すぎる・・」


「ラカちゃんが産まれる前はねー、『誰のオナラが一番クサイか?』とか、もっと下らない議題だったんだよー」


「このインチキ幼児どもが、ホントの幼児だった頃か・・」




6歳児くらいの(・・・・)、二人上の姉が語りかける。

10歳児である(・・・・・・・)私の、10歳歳上(・・・・・)ではあるが。


兄妹が、不定期に開催する兄妹会議。


議題内容はバラバラ。

その時々で、気になった内容を 『 会議 』 と格好つけてダベるだけだ。

( ちなみに前回のは、クジ引きの結果・・私が選ばれてしまい、家族ピクニックの前日に大恥をかかされた。)


・・今までは。

今回は、やや重い雰囲気が ( イーストの所に居る末妹以外の ) 兄妹全員に漂う。




「大別すると、やはり『かんママ組』と『あやママ組』で別れるのか?」


「そうだねー、ラカちゃんは『かんママ組』かな?」


「・・・・」




私たち兄妹は、末妹以外【人土】で【人茸】だ。

が・・どちらが母親か(・・・・・・・)で、多少割合が変わる。


『かんママ組』は・・私たち家族の、家族の仲間の『敵』は皆殺しにすべきという考え。


『あやママ組』は、【人茸】にすべきという考えらしい。




「って言うかさあ、全人類【人茸】にしちゃわない?」


「三種族には手をださない約束だろ?」


「あと、魔王討伐隊とその子孫にはね」




魔女として言わせて貰えば、『敵』が『敵』なので詮無き事ではあるが。

( というか、地球人類を皆殺しにしようとしたぐらいだし。)


『ウチの一族』のチカラは異常すぎる。

ソレでいて、正義感というモノが欠落しているしな。

・・節度というモノは持たなければならない。




「兄妹全員に聞くが、母たちに秘密でいく・・コレは共通意識か?」


「もちろん!」




全員が頷く。




「今回の・・三年ぶりに颯太叔母さんと会う旅行の邪魔に成らないようにね」


「ホントはずっと会いたがっていたのに・・先ずは僕たちを優先してくれたんだもん。

ソレは絶対だよ」




まあな。

ソレには私も異論はない。




「【銀製王国】も外の国も・・【空の口】さんの洗脳魔法と【人茸化】してたのは、80年前の人間だけだしね。

ソレが『旧世代』を産む原因だよ」


「確かに、当時の女性は男尊女卑から開放されて感謝してたらしいけど・・次世代からは図に乗る女も居たらしいし───全人類【人茸化】すべきさ」


「そもそも【銀製王国】の外の人間は・・仲間以外、要らないよ。

【人茸】にする間でもないから」


「えー?

居たら便利よう!」




やれやれ。




「みな、議題がズレている。

『人類』が、ではなく『(旧世代)』が、だ」


「・・はーい」




あんまり変わんないよね、といった顔だな。




「みな、忘れるな。

我等の母を助けた人類もまた、そんな(・・・)人類だった事を。

魔女は(・・・)そんな人類に負けた事を。

母は、人類をどうこう(・・・・)しようと怒りはしないだろうが・・悲しむ」


「「「・・・・」」」




兄妹がみな、シュンとする。

どのクチ(・・・・)が言っているのかと言われそうだが・・コレで良い。




「『旧世代』は『捕まえる』、コレを念頭に私たちは動こう。

殺すにしろ【人茸化】するにしろ・・この人数のチートが本気を出せば、騒ぎが大きくなる」


「ママたちにバレちゃうね」


「ああ」




街破級も泣いて逃げだすチート集団だけで片をつける。

ヤバそうな敵に、他の誰も近付けさせない。

 

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