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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
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9『『そんなつもりなら・・自分はもうちょっと良い思いが出来た・・』「三者を越えし者さん?」。』

 

「へえ、リリさんは日本人なんだね」


「ええ。

だから異世界物質ヴォイドが苦手で・・」




日本で魔法使いが産まれる ( 妊娠中に分かるらしい ) と、【人土】から【変換器】っていう機械を無料配布されるわ。


80年前・・英雄を、嘗ての政治家や権力者が政治利用しようとしたり犯罪者にしようとした結果───彼等は権力を失い、今の日本は【人土】が支配していると言っても過言じゃないわね。


だから各病院にも【人土】の耳目が有るし、魔法使いが産まれたら一瞬で【人土】達に知られるってワケ。




「やっぱ魔法使いだと、世界移動許可が簡単に取れるのかい?」


「まあ、程度によっては命に関わりますから」




アタシはソコまで強い魔法使いじゃないから、【変換器】が無くても直ぐ死ぬって程じゃあないけど・・。


【人土】が地球で【変換器】を失った場合、真っ先に体内の【スライム】が死んじゃって・・その死に母体も引き摺られるらしいわね。




「ボクも日本はちょっと興味は有るんだけど・・【ジート砦(コチラの世界)】も【人土本部(にほん)】も、魔王討伐隊関係者だけで固められているからさ」


「特別な事情が無いと・・最近は特に、ちょっと無理ですからね」


『自分は元ドイツ人だが・・』


「あら、そうだったの?」




コッチの人で金髪や銀髪は珍しくないから、『三者を越えし者』さんもコッチの人だと思ってたわ。




『地球の人々は異世界人や魔法使いに、やはり差別的だ。

個人的には彼方に思い入れは無い』


「まあねぇ」




あー・・親友だと思っていた娘に言われた事を思いだして、腹たってきたわ。




「俺は───」


「先輩?」


「俺は、偶に・・思うんだ。

英雄達は正しかったのか?

今、【ジート砦】に居る連中は本当に悪だったのか・・とな」


「・・どの角度から見るか、でしょう。

80年前と比べて、『村破級』『街破級』魔物による被害は格段に減りましたし」


「女性の立場から言わせて貰えば、男尊女卑はちょっとねー・・お爺ちゃんが【人茸】になる前の話を聞くと、英雄様に感謝しちゃいますよ」


「・・そう、だな」




この先輩さんは貴族に世話になっていたみたいだし・・今回の作戦でブルーになってんのかしら。




『まあ、英雄なんて崇められる人間は・・皆、どこかポンコツだ』


「さ、『三者を越えし者』さん?」


『彼女は・・ただ、家族が大好きだっただけ。

仲間が大事だっただけ。

彼等のために動いていたら、こんな世の中になっただけ。

結果論。 彼女本人は誉められるつもりで動いていない』


「『三・・───」


『見えてきた』


「え?」




『三者を越えし者』さんの指差す先・・見えてきたのは巨大な『扉』。


何度見てもスゴい・・。

魔法使いだから分かる、アタシなんかじゃ何億人居ようと開けない『扉』。

ソレを・・80年以上も消えずに維持され続けて。


そりゃ、こんなチカラの持ち主が意見主張してきたら───

悪人も・・善人も。

その全てがねじ伏せられるんでしょうね・・。

 

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