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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
番外編・2
473/547

8『【銀製王国】はトイレが充実しています。』

 

「ゼレバ、準備は出来たか?」


「ええ。

" とらっく " に乗るのは初めてだから楽しみです」




イースト総監の子供? による『パパおしっこ事件』で、教師の列に並んでいた女性が、幼女をトイレに連れて入学式は中断することなく・・なんとか恙無く終えた。




『80年前から、その存在は確認されていた反社会的組織が最近、入出制限中のトイレで目撃され───

ああ、うん・・【ジート砦】で目撃され、その目的は全ての個室の占拠───

ああ、うん・・反社会的組織は別のトイレに連れていって、個室を不当占拠する集団を総戦力を以て排除───』




・・との事で、【ジート砦】付近で目撃された反社会的組織の排除が、今回の作戦となる。


・・と、校長が言ってた。




「えっ!? 先輩が運転手を?

まさか先輩、免許持っているんですか?」


「ははは・・意外か?

コレでもオレはインテリなんだぜ」




トラックやバスなどの大型車は、公共機関や大手運送屋が。

乗用車などは、VIPの乗る車で・・まだまだ一般人に車は高嶺の花だ。


当然、免許証も一般人には縁遠い物だけど・・。




「昔、アスェベタって貴族の所で働いていたんだよ」


「アスェベタ・・って、【ジート砦】近くの【ジート村】の初代村長の───」


「・・の、弟の家だな。

魔王討伐隊だった兄貴は弟に家督を譲り、自分は補佐にまわったそうだ」


「へえ・・」


「まあ、その縁で貴族相手の個人運転手や運送業をやってたんだよ」


「ソレで運転できるんですね」


「まあな」




今は、貴族といっても───


『○○村の○○館が壊れかけ』と、各村々から訴えられたら国に報告し・・国から『ハイ、修繕許可と修繕費を村に渡してね』といった、橋渡しぐらいの仕事で、大した権力はない。


一つには、差別・汚職を減らすため・・ではあるが、もう一つには『貴族の貴族たる理由』の消失にある。


貴族の貴族たる理由・・ソレは、

『如何に強い魔力を持つか』

『如何に魔法使いの子供を産むか』

に、有るのだが・・ハッキリ言って、その二つは【人土】に負ける。


昔で言う、血継断絶ってやつだ。

しかもその【人土】が、個人的欲望にさほど興味がない。


自分の欲望より【巫女】のため。


【巫女】が良い国を望むなら良い国を。


其処に汚職は要らぬというなら、汚職のしようが無い ( 旨味が無い ) 環境を作る・・という訳だ。




「・・受付場、ソレっぽい人が居ませんね」


「ああ、おっぱ───下種に目ぇつけられてた女性か。

下らん連中に言い寄られて逃げたか・・」


「あっ、すいませーん!

そのトラック待ってぇ!」


「ん?」




女性が二人、駈けよってくる。

一人目は黒髪、二人目は金髪。

黒髪の女性は申し訳程度の武装で、金髪の女性は・・妊婦!?




「このトラック、【ジート砦】の作戦に行くトラックですよね?」


「そうだよ、キミ達は・・傭兵?」


「リリです。

アタシは魔法使いってだけで雇われた新人ですけど。

コチラは・・」


『自分は『三者を越えし者』。

【人土】で、傭兵ではないが【ジート砦】に用がある。

済まないが、乗せてもらえないだろうか?』




さ、『三者を越えし者』・・?

【人土】は変わり者が多いとは聞くけど・・。

( ドショタとか仮面とか淫乱とか。)


まあ良いや。

・・二人とも、可愛いし。




「良いですよね、先輩?」


「コッチは構わんが、ゼレバ。

狭いからって、変な気おこすんじゃ無いぞ?」


「もう、何言ってんですか!

ほら、乗って乗って」


「有難うございまーす」


『助かる』




荷台から二人を引っ張りあげる。

あっ・・良い匂いだな。

───って、違う。




「二人は魔法使いと【人土】なら、後方支援陣に降ろせばイイのかな?」


「お願いします」


『頼む』

 

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[気になる点] 誤変換:受付嬢 「・・受付場、ソレっぽい人が居ませんね」
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