表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
その姉妹品、危険につき──
435/547

435『チベットスナギツネみたいな表情の秋原家( -1 )。』

元434話を、434・435話に別けました。

内容は変わっていません。

 

 

「げ・・源太ちゃんが───に、妊娠してるっ!!!」


「「「はああぁぁぁぁっっ!!!?」」」




改めてクチに出して言う事で・・改めて、周囲に動揺が走る。

慌てる人。

嘆く人。

ニタニタする人。




「んぅ? んぅう??」


「お、おおお御お義と父とととうささんんん!!?」




父さんが、日本時代の源太ちゃんの呼び方に成っている。

成るよなあ・・。


カミカミで、誰も 「 御義父さん 」 とは聞こえてないけど。


聞こえた所で、そもそも『妊娠』という事実の前には・・父さんが御義父さん呼びしようが、誰も気にしないけど。


そんだけのパニックだ。

このメンバー・・三種族や傭兵団の中には、源太ちゃんに惚れていたっぽい人は居る。


そうゆう人等は 「 嘘だろォォ!? 」 と叫んだり。




「─────────」




あーあ・・源太ちゃんが呆けを通りこして、固まっちゃっている。




「かかか、幹太?

ど、どゆこと?

Do you knowって、どーゆーの??」




彩佳が、古文書レベルのボケをする程にパニくっている。




「あらあら、まあまあ~♡」




リャター夫人は嬉しそうだ。

不幸な少女を人生をかけて救っているからその分、幸福な話が好き・・いや、関係ないな。

ただ、恋愛話が好きなだけだ。




「御相手はザラクスさんかしらぁ~♡」


「ザっ!!?」




一瞬で反応し、真っ赤になる源太ちゃん。

・・まあ、そうだろうなあ。




「ししししし知らん知らん知らんっ!?

だだだだ誰が、あんなデカイ図体と、無駄に知識豊富な所と、変に気ぃ回せる所と、子供を助ける為に一人で【にいずほっぐ】に戦いを挑む所ぐらいしか、取り柄の無い男に抱かれるか!?」




取り柄・・いっぱい有るね。




「・・あの、御姉・・様?」


「な、何? ザレ?」


「ワタクシが・・【人狼じんろうの巫女】かどうか云々の話の時───

確か、【人狼じんろうの巫女】候補は他に居る・・と」


「ああ、そういやあ・・そんな話も有ったな」




・・って事は・・??

母さんが、「 閃いた! 」 って顔で言う。




「想像力だけで【皆の巫女】になれる幹太ならば、【人狼じんろうの巫女】だけ元のシステムに出来るのでは?」


「んー・・??」




理屈では分かるけどさ・・。

割と無茶を言う母さんの言葉に従い【人狼じんろうの巫女】の事を色々想像。




「えーっと・・。

一時的に【皆の巫女】から【人狼じんろうの巫女】の全権利を『覇者』が本来想定した形でザレに戻───」


「「「 うぉっ!? 」」」




想像の完了と共に・・【人狼じんろう】達が騒ぎだす。




「かっ、感じるぞ・・【巫女】の気配だ!

ザレ様以外に、ゲンタ殿から・・いや、ゲンタ殿の中から【巫女】の気配を感じるぞっ!」


「へぅっ!?」




俺達と【人狼じんろう】は元々、敵として出会ったんだよな。


源太ちゃんが元長の息子ザラクスさんと縁が有った事から、源太ちゃんには【人狼じんろう】達の【人土じんど村】における保護者のような役割を担当して貰っていた。


反省してからは、強さを信奉する【人狼じんろう】は源太ちゃんをリーダーとして認めていたのが・・。




「ゲンタ殿・・お主は、いや貴女は貴女こそは・・!」




歴代の【人狼じんろうの巫女】は、長の娘として産まれてきた。

人狼じんろうの巫女】を宿すという事は───




「いやいやいや・・流石にもう言い逃れ出来ないよ。

吐いちゃえば楽になるよお?」


「好きな相手に抱かれる・・恥ずべき事じゃあないわぁ~♡」




よたよたと、半泣きで後退り始める源太ちゃん。

まるでイヤイヤする赤ちゃんだ。


ちなみに・・颯太とビタは、白百合騎士団がどっか連れてった。




「げ・・ゲンタ殿。

も、もしやザラクスが不義理でもはたらいたか!?

ならば我等【人狼じんろう】一堂は何としても───」


「ちっ、違うんじゃ!

アレ(・・)は・・・・」


「「「「「 アレ(・・)? 」」」」」


「ぐうっ!?」




源太ちゃんは父さんに助けを求める視線を送るけど───




「御義父・・源太ちゃんさん」




首を横に振る父さん。

そりゃそうだ。

たぶん、こん中で一番気に成ってんのは父さんだしな。




「て───」


「て?」


「テリトリー型の・・儂がコッチの世界へ来て初めて苦戦した、パワーより特殊能力に特化した魔物の群を苦労して倒した晩───

ついつい、酒が進んでのう・・」




源太ちゃんは酒はあまり得意じゃない。

婆ちゃんは飲む人だったので、付き合い程度には飲むんだけど・・。


そんな源太ちゃんが浴びる程飲むなんて───




「あ・・朝、起きたら・・その。

───す、素っ裸になっておった」


「「「「「 ・・・・ 」」」」」




颯太とビタだけじゃなく、彩佳にも聞かせたく無い。

彩佳は・・顔を赤くして、鼻息が粗いけど。




「あ・・慌てて服を探そうと、辺りを見渡したら───」


「・・隣にザラクスが、居たのだな」




あの、【人狼じんろう】の長さん。

せめて、真顔で問わんといて。




「眠るザラクス殿を、慌てて部屋から蹴とばして・・後は無かった事に───」


「「「「「 成らないよ!!? 」」」」」




ついに、源太ちゃんは体操座りの姿勢から動かなくなり・・辺りには、源太ちゃんのすすり泣く声しかしなくなった。


・・・・。


ザラクスさんの性格を考えるとなあ・・。

無理矢理ってのは無さそうだなあ。


源太ちゃんの酒を考えるとなあ・・。

好きな人を『食っちゃった』可能性の方が高いなあ。


結局、源太ちゃんは父さんに連れられ・・医者の所へ。

何らかの検査の最中、怪鳥の如き怪声をあげ・・俺達の『【空の口】の中への移動』を見守る事となる。




「・・え?

こんなオチで良いの?」


「お、オチとか言うなよ」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ