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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
その姉妹品、危険につき──
434/547

434『置いてけぼりの、ディッポ団長。』

元434話を、434・435話に別けました。

内容は変わっていません。

 

 

「【空の口(いもうと)】の心は、【空の口(いもうと)】の中でしか癒せません。

・・行きましょう、【空の口(いもうと)】の青い世界へ」



「へっ・・【青い銀星王国世界】から戻ってきたと思ったら───

直後に、青い世界へトンボ返りたァな」




ヤレヤレといった感じのディッポ団長に・・母さんは首を横に振る。




「【空の口(いもうと)】の中へは、貴方方を連れて行きません」


「あ?」




母さんの言葉に・・ディッポ団長の口調が、機嫌悪げになる。


クチでは面倒クサがりのような事ばかり言うディッポ団長だけど・・その面倒見の良さは、俺の知る人の中でも一番だ。


唯でさえ大変な事態なんだし・・俺達を放っておけはしないんだろう。




「・・どうゆう、こった?

愛しい妹に、他人なンざァ近付けたか無ェってか?」


「ココまで来て仲間ハズレは嫌ッス、カンタさん達だけに任せられないッスよ!」




けど母さんは再度、首を横に振る。




「申し訳有りません。

今の【空の口(いもうと)】は非常にナイーブで・・連れていける人間は、限られてしまいます」




母さんの言葉も理解出来る。

話を聞くに、今の【空の口】は破裂寸前の風船みたいな " 危うさ " を感じるしな。


納得しかねた様子といえど・・ディッポ団長は頭をガリガリと掻きむしり───




「・・ちっ。

御姉チャン、御嬢チャン、任せたゼ」


「・・はい」


「まあしょうが無いかの。

ディッポ殿、ココは儂等に任せて・・」


「あ、源太さんも駄目です」


「何でじゃ!?」




何でや!?

てっきりチート(女魔法使い)組は全員、連れていく・・と、思っていたんだけどな?




「昊の妹だと言うなら、儂の娘も同然!

幹太ほどの魔力は無くとも、女魔法使いとして助けようぞ!?」




源太ちゃんは『俺達の元・祖父』という───女体化に加え、『若返り』を隠そうとした結果・・ウチ(秋原家)の中でも、『謎』扱いだ。


最初は俺達姉妹の母親か? と思われていたり・・( 見た目は ) 遥かに年上の父さんがペコペコしたり・・。

今の 「 儂の娘 」 発言で、どよめきが一瞬で広がった。


中には、父さんと良すぎる(・・・・)仲に・・父さんと付き合っていると思っている人も居るんだよなあ。


そんな中、母さんは冷静・・というか、やや呆れた感じで源太ちゃんを見つめ───




「源太さん・・熱っぽかったり、ダルかったりした事は有りませんか?」


「うん?

んなモン、戦おとったら多少有ろうが・・何じゃ!?

風邪なんぞ、引いとらんぞ!?」


「では幹太・・先程、ラカ達の接近に気付いた魔法を使ってみて下さい」


「ん? わ、分かった。

元々は、肉や魚の中の寄生虫を探す『寄生虫探査魔法』として作った魔法を生命探査魔法にして───」




だからあのパニックの中で咄嗟に作れたってのも有る。




「ああ、ならばソチラを。

寧ろ、ソチラの魔法の方が分かりやすいかと」


「う、うん・・?

いくよ、生命(寄生虫)探査魔法!」




やっている事は同じなのに、何故か寄生虫探査という名前を嫌がる人が多いんだよな。




「───って・・え?」


やはり(・・・)、そうですか」


「え? はっ? あの・・ええっ!?」


「か・・幹太が、ココまで動揺すんのも珍しいわね。

どうしたの!?」


「ま・・まさか敵ですの!?」


「えっ、いや・・その」




うー・・あー・・・・。




「源太さん」


「な、何じゃ?」


「生理・・来てますか?」


「「「「 !??? 」」」」




皆が、呆気に取られる。

・・だよなあ。


分かる人は、一瞬で母さんの言わんとする事を理解し───いや・・理解したからこそ理解しかねて(・・・・・・)、呆気なんだが。


・・俺も自分で何を言っているか、よく分からんの巻。




「げ・・源太ちゃんが───に、妊娠してるっ!!!」


「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

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