426『ラカ・a2ルート ( a1ルートは魔女達によるハーレムクイーン、bルートは何も遺さず傀儡エンド )。』
「幹太さんを・・【巫女】様を助けるよ!
【人土】は、扉魔法の準備を───」
≪其には及ばない≫
魔女達が・・俺を、皆を、取り囲む『壁』───簡易【核】作成魔法を解除する。
と同時に、俺は全魔力を防壁魔法へ。
颯太と源太ちゃんが、何らかの魔法を使う前に【アジ・タハーカ】を瞬殺。
やっぱ二人はスゲェな。
残りの【ファフニール】【ニーズホッグ】【フレズベルグ】も母さんと『三者を超えし者』が討ち倒す。
「・・どうゆうつもりだ?」
「諦めた、のですか?」
≪≪≪・・・・≫≫≫
魔女達は、やりきった顔。
その表情からは・・喜びも、絶望も、何も見出だせない。
憔悴。
ゆっくりと、ラカの下に集まる。
≪我々は、我は・・わたしは≫
ラカは、語る。
嘘偽り無く。
≪魔女だけの世界を作りたかった。
此方の世界も。
彼方の世界も。
男は一握りのみ残して・・。
屑は、男も女も・・永遠に青い世界に閉じ込めたかった≫
「屑は・・女性の屑も、そりゃあ出るだろうけど男女問わず【人茸】化させるなり、あるしなあ」
「犯罪奴隷という考え方もあるわね」
俺達の科白に、微かに笑う。
≪君の・・君達のような───
優しくて恐ろしい者達ばかりだったなら・・世界は違う歴史だったのかな≫
「みんながみんな、幹太みたいな性格の世界・・?
・・ゾッとするわね」
おい。
≪世の中、勧善懲悪だとか・・明確な善悪なんて無いって話かな≫
「どっちが屑か、って話か?」
【人茸】にされた側からすりゃあ、
『自分達は英雄ヨランギ様の教えを守っただけ』
・・だろう。
「屑は俺達の方だ・・っつう考えも有るだろうさ」
「宗教がそうですね。
如何に信者は素晴らしいか。
如何に異教徒を苦しませるか。」
≪もっとこう・・概念の前だよ。
ただ優しいだけ。
ただ恐ろしいだけ。
ただ無関心なだけ・・。
そんな人間は、須らく残酷になる≫
人が人を殺せる理由なんて、確かにそうゆうモンかもな。
俺が残酷じゃない、とは思わんけど。
「一番残酷なのァ、神様って奴等だろうゼ。
結局どんな高説たれようと『殺す死ぬ』なンてな、運の善し悪しで決まるようなモンだ」
まだ酷い目に会ってない屑は居る。
まだ酷い目に会っている善人は居る。
ソレを『試練』と呼ぶ詐欺師が居る。
≪其を。
神様とやらの決定を。
覆すチカラの持ち主が、【空の口】様と君なんだよ≫
「俺にそんなチカラは無いよ。
せいぜい、辺りを焦土にするぐらいさ」
≪すれば良いじゃないか!
君の仲間は生き残るといい。
屑は青い世界に閉じ込めて。
可哀想な女は魔女にすれば良い!≫
「ソレ・・赤ちゃんの俺を殺す派と、なんか違うのか?」
≪彼女等は何も考えていない!
ただ面倒だから、全部を恨むだけ!
自らの誇りを忘れたソイツ等、安寧派より質が悪い!≫
いきなりディスられた『三者を超えし者』が、ムッとする前にシュンとする。
コレに関しては、ちょっとだけ御互いの言い分が分かるんだよな。
たぶん、俺一人で魔女に成っていたら安寧派だった気がする。
けど、颯太が魔女に成ったら・・恨む派に成ったし、颯太が安寧派だったら颯太に怒りを感じるかもしれん。
≪───最後に聞こう。
アキハラ カンタ・・【空の口】様の糧に成ってくれ。
苦しくは無いよ、すぐ魔女に成るだけさ≫
「断る」
≪なら、わたしの糧に成ってくれ。
魔女には成れないが・・死にはしない。
勿論、君達の仲間には手を出さないと誓う≫
「断る」
≪なら、君が【空の口】に成ってくれ。
殺す人間は君の判断に任す。
わたしは君についてゆく≫
「断る」
≪どうして?
今まで君がやってきた事と、違いは無いよ?≫
「人間は人間として助ける。
人間は人間として罰する」
≪人間讃歌かい?≫
「んな気色悪いもんじゃ無いよ。
正義の味方みたく、【空の口】の洗脳を全面否定してる訳じゃないし」
じゃなきゃ【人茸】化による洗脳や、魔力付与料理による洗脳なんて、ヤレた義理じゃない。
≪どうしても・・という訳だね?≫
「どうしても・・だ」
≪・・仕方がない≫
ゆらり、と・・揺れるラカ。
魔力吸収により、魔女達を吸収・消滅させ・・ようとして───
吸収する前に、魔女達が消えた。




