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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
その姉妹品、危険につき──
424/547

424『都合イイ女。』

 

≪君は【空の口の巫女】なのだよ?

もう少し、彼女の事も考えたまえ≫


「【空の口】殺す、つっといて・・どのクチが言うんだよ」


≪ソレはソレ。

コレはコレ、という奴だね≫


「都合イイなあ」




・・【三種族の巫女】とは。


洗脳魔法ふくめ、『対【空の口】』とした【空の口】の魔力 ( 魂 ) を封印する目的で作られた。


その他、『三者を超えし者』は二千年間生きのびた故、皮肉にも気付いてなかったそうだけど・・『寝所(青い世界)』で眠る『三者』を癒し保護する役割もあるそうだ。




≪王族が【空の口】様の魂を傷つけようと、君のお陰で無事だったのだ。

【巫女】を自覚するべきだ≫


「【巫女】っつってもなあ・・。

勝手に俺の魔力を啜っているだけじゃん」




【空の口の巫女】として期待されてんのは、コッチ(癒し)の効果だな。


他にも・・。

人狼じんろう】の元長が襲ってきた時、【巫女】のチカラは・・種族へも流れる云々の話があった。


コレは、【空の口】へは魔力が流れているんだし・・たぶん【人土じんど】の皆にも流れているんだろうけど、意識した事は無い。


山柄さん達【人土じんど】の皆さんには、世話になっているんだから魔力を渡すのは良い。


だけど元々、【人土じんど】じゃ ( もっと言えば、魔法使いですら ) 無い俺には・・【人土じんど】達とのパスと、他の皆とのパスとの違いが今一つ分かんないんだよ。


まあその辺は、ザレ(人狼の巫女)ビタ(人花の巫女)もピンと来ないらしいけど。


ただ・・『似た』事は、やっている。




「ようは───

俺が魔力付与料理を作って、皆がソレ食ってチカラを上げてんのと同じっぽいんだよなあ・・」




人土じんど】へのパスと、皆へのパスが同じ。


この場に居る皆は、俺の魔力付与料理を食わしている。


・・・・。




「───魔法の奥義は想像力。

想像さえ出来れば、魔力は応えてくれる」


≪・・何だい、イキナリ?

想像力だけで、魔法特化の【アジ・タハーカ】を倒す魔法を作ろうとでも?

流石に無謀だよ≫


「【巫女】のシステムもまた、魔法って聞いた」


≪・・?

そうだね、だから?≫




・・なら。

ソレならば。




≪まさか・・【空の口】様の【巫女】を辞め───≫


「いいや。

もうちょい、【巫女】を兼任しようかな・・と」


≪は?≫




つー訳で・・。




「ディッポ団長ぉー!

彩佳ぁー!」


「・・・・」


「だが断る」




まだ何も言ってませんが?




「・・って、言いてェけどな。

ぜってぇまた(・・)俺の寿命を縮める事を思いついたんだろうがな。

・・ヤりな、御姉チャン」


「もうアンタの幼馴染みである時点で、その辺覚悟してるから」




酷ない?

まあ良いや。

・・そういや以前、ジキアに冗談で言ったなあ。




「俺は!

【ディッポファミリー傭兵団の巫女】に成ります!」


「───ぐおっ!?

何だこりゃ・・俺に、馬鹿げたチカラが・・!?

・・見える、魔力が見えるぞっ!?」


「『魔力譲渡』とも違う・・魂と魂が直接繋がったみたいッス!」


≪ば・・馬鹿なっ!?≫




・・成功したか。


俺の魔力付与料理を食べた【人土じんど】は、物流回復の旅で著しく魔力が上がった。


彩佳の説では、「 【スライム】がそうゆう生態なんじゃない? 」 といった感じだったけど・・。


もし、そうなら───

人土じんど】が、俺の料理を何でも(・・・) 「 美味い 」 と言うのは有りえる。


・・けど、ソレ以外の人間が美味いというのはオカシイ。


異世界転移した【人土じんど村】に辿りついた時、【人花じんか】に与えた魔力付与野菜を彼等は 「 美味い 」 と言った。


死んだ(・・・)魔物肉の魔力でもないのに。

生きた(・・・)俺の魔力なのに、だ。


・・アレが最初のヒントだな。


【巫女】システムのこの辺、かなりシンプルというか大雑把というか。

単純なモンだ。




「御姉チャン・・コレ、魔力汚染とか起きねェだろうな?

そんなに俺の心臓に怨みでもあんのか?」




ディッポ団長って、たまにビビりだよなあ。




「慎重って言え!

感情が流れ込ンでやがるぞ!」




ごめんちゃい。

・・さて。




「俺は!

【ウェスト傭兵団の巫女】に、

【ペリオラ傭兵団の巫女】に、

【白百合騎士団の巫女】に、

【ガロス騎士団の巫女】に成ります!」


「「「コレは・・こんなっ!!?」」」


「カンタ・・オレはオマエに会えて良かった。

生涯をかけてオマエに忠誠を誓う!」


「ふん・・対街破級傭兵団が唯の手駒か。

構わん、好きに使え!」


「ああ・・初めて会った時の直感に従って良かったわ・・。

貴女こそ私達を導く者よ・・!」


「はっ・・!

世界征服───ソレも、我が知る以上の世界の・・貴族だ王族だは関係無い、か」




もういっちょ!




「改めて!

『三者』の意思は関係無い・・俺の意思で、本当の意味での【人土じんどの巫女】に成ります!」


「幹太さん・・」


「「「我等が【巫女】の御心のままに!」」」




まだまだ!




「ザレ、俺はザレ達も救いたい!」


「御姉様っ!?」


「俺は、ザレと共に【人狼じんろうの巫女】に成る!」


「御姉様・・ワタクシは御姉様と共に!」


「「「ザレ様が認めたのならば・・我等は、ザレ様と貴女と共に」」」




もっとだ!




「ビタ・・俺達は親戚同士だったんだ。

家族は助け合わなきゃな!」


「私も、カンタお姉さんを助けたいのです!」


「俺は!

ビタと共に、【人花じんかの巫女】に成る!」


「「「美味い料理で魔力譲渡でも良いんですけど・・まあ良いか」」」




≪重ねて、【巫女】に成るだと・・!?

そんな・・そんな馬鹿な!≫


「知らなかったのか?

世の中大概は『成るように成る』んだぞ?」


≪フザケるなあァァァァ!!≫


「フザケちゃいないさ!

『三者を超えし者』、オマエの【巫女】にも成るぞ!」


『【巫女】を作った自分が【巫女】の上に【巫女】が【巫女】ってる・・??

や、やはり貴女は・・(コトワリ)の外にある』


≪止めろォォォォ!≫




空間が揺らぐ。

今度こそ本当に『壁』が軋んでいるらしいな。




「安心しろ、コレで最後だ!

俺は!

【秋原家の巫女】と【彩佳の巫女】に成る!」


「幹太姉ちゃん!」


「" ちいと " の上から更にチカラが湧きよるのォ」


「幹太・・無茶はして欲しく無いが・・この繋がりは、暖かいな」


「ああ・・いとおしい幹太。

アナタは。

家族仲間を守る事を至上に思うアナタなら・・その魔力は無限大です」


「何でアタシ最後?」




秋原家の、家族の皆から、とても暖かいモノが流れ込んでくる。

もっと早くにヤれば良かった。


彩佳からは、目を背けたくなる感情が流れ込んでくる。

もっと最初にヤれば良かった。




「す、すまん。

今回の鍵は彩佳だから」


「あ、アタシ?

アタシが何なのよ」


「彩佳の最強の武器・・対【アジ・タハーカ】に向けて ( ? ) 作られた『キノコ』を使う」

 

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