423『4<・・?』
「弾丸に、魔力を込めたのかいっ!?」
「「「 ハイっ! 」」」
「全く・・我が最愛の弟デロスを殺した技術を使うとはな。
・・矢束や剣槍に魔力を込めたぞ?」
≪くっ・・面倒な手法を───
そんなのは、唯の魔法擬きではないか!?≫
「そうしなきゃ、魔法弱点の【ファフニール】とはいえ・・カンタさん抜きの魔法使い達だけじゃあ殺しきれないッス」
「それに直接的な魔法でない以上、【アジ・タハーカ】に魔法を奪われる心配は在りませんわ」
≪・・っ≫
「行くゼ?
|銃弓矢部隊の、傭兵団と【人土】は【ファフニール】上半身と、空中の【アジ・タハーカ】を攻めやがれ!」
「剣槍部隊と【人狼】ォ!
【ファフニール】の下半身を攻めるわよォ!」
「【人花】は【ファフニール】の足を完全に固めるのです!!」
「彩佳ちゃん、私達は全体の指揮・準備・魔力付与武器の用意だよ!」
「はい、オジさん!」
◆◆◆
『ふう・・取敢ず、龍虎乱───』
≪フザケるなあ!
唯、殴って殴って殴りまくるだけではないか!?
何故、その土砂を纏った姿を吸収できない!?≫
『此は【魔王の粘土】で、土砂を固定しているだけ。
自分自身。
だから、魔法では無い』
≪そ・・其は貴様のチカラでは無いだろうが!≫
『自分は一人で【魔王の粘土】と戦い、勝ち、食った。
自分の糧は、自分のチカラ』
≪・・魔女の裏切り者めェェ!≫
◆◆◆
≪貴様の子が【魂の銀星王国】から戻ってきた時・・貴様と行動を共にしていた魔女はどうした?≫
「幹太に・・『喰わせ』ました」
≪喰わせた、だと・・?
まさか・・『クキの作戦』とは───≫
「・・ええ、ド天然のあの娘らしいムチャな作戦です。
───ですが、この方法なら幹太と【空の口】の二人が救えます」
≪・・・・・・。
貴様・・ラカ様の事を、よく言えたな!?
貴様の方が余程、魔女の敵ではないか!≫
「私は、魔女の敵では在りません。
家族第一なだけです。
・・その為には、全てを利用します」
≪助ける側すら、利用するというのか!?
・・・・この悪魔め≫
「悪魔・・では在りません。
私は───魔王です」
◆◆◆
「颯太ぁ、どうじゃあ?」
「さっき言ったとーりィー!
前も戦った相手だしィー・・負けないよォー!」
「うむ。
・・しかし、負けはせんが───
中々には勝たせては貰えんのォ・・」
≪なめるなあああああああああっ!≫
「えいっ!
その動きは見たよぉ?」
≪貴重な女魔法使いだから手加減して貰えると、思うなああああああああああああああああああああああっ!!!≫
「しとらんよ・・。
・・ハァ、全く・・。
【ファフニール】を見たガロス殿の気持ちが分かるわい。
アレがアレとはちゃう、っちゅうんは分かるが───
【ニーズホッグ】・・か」
◆◆◆
「【ファフニール】【アジ・タハーカ】【ニーズホッグ】【フレズベルグ】か・・皆、劣化版とはいえ───
勘弁してくれよなあ・・」
多少、弱い・小さい・・つってもな。
『街破級』が四匹。
【ファフニール】と【フレズベルグ】を倒した極大爆発魔法なら、【ニーズホッグ】も倒せると思う。
けどなあ・・。
防爆衣魔法を使った【アジ・タハーカ】は倒せるか?
「・・いや。
俺自身が、俺の最強魔法を防げないか」
遮蔽物の無いこの空間で、全力・攻撃力は防御力を上回る。
それ以外の攻撃手段・・颯太や源太ちゃんみたく、超速歩魔法を使った格闘攻撃───
・・ぜってぇ無理でゴザル。
≪アキハラ カンタ、我々は君を苦しめるのが目的ではない。
大人しくさえしてくれれば・・楽になるのだよ≫
「しねぇっつうの」
【アジ・タハーカ】・・か。
日本だと【巫女化】のせいで、途中で記憶を失ったけど・・本来は魔力を食い、魔法を奪う敵に対し───どうやって倒そうとしたっけな?
「───・・やるしか無い、か」




