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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
その姉妹品、危険につき──
420/547

420『フッ・・それは残像じゃない。 本物だ。』

 

「ラカさんが、赤ちゃんの俺を救った」


≪そうだよ≫


「でも───

俺の味方じゃあ・・無い」


≪・・・・≫




胡散臭さMAX。

母さんが

「【空の口】だけが悪い訳じゃない。

黒幕が居る」

と言って隠れた。


胡散臭さ、更に倍率ドン! だ。

( 元ネタ知らんけど。)




≪・・確かに【空の口】様へ魔力を捧げる過程で、人間としての君は死ぬ。

だが魔女に産まれ代わる以上───≫


「ソレ以外だ」


≪・・なに?≫




今この場に『赤ちゃんの俺を殺す派』が居らず『母さんに任す( と言いはる )派』のみ(・・)


その理由は。




「メーラ」


≪!≫


『!』




俺がポツリと言った『メーラ』という名前に、『三者を超えし者』を含めて魔女達が反応する。


王族の端っこに位置する女性から産まれた『子』にして、人間に転生した『魔女』の名だ。

魔女達はザワめき始め───ラカさんの目は、スウッと、細まる。


カマカケでは在ったけど・・当たりか。




「王族が青い世界を生身でウロチョロする内、妊婦だった女性に宿った魔女だそうだけど・・この話を聞いてた時から、違和感は在ったんだよな」


「動物的カンね。

ソレ以外は、異様に鈍いのに」




彩佳から謎のツッコミ。

誰か別人のことを言ってる。

俺は鈍くなど無いのだから。




「王族に都合が良すぎんだよな」


≪・・・・≫


「『三者を超えし者』。

彼女(メーラ)は、『世間を恨む者』『新しい人生を楽しむ者』『安寧を求める者』のドレなんだ?」


『・・・・。

世間を恨んでいた。

【空の口】と共に、人類と戦争をしていた』


「ラカさん。

彼女(メーラ)は、『母さんに任す派(アンタ等)』とは別の派閥だったんじゃないのか?」


≪・・彼女が転生してから()、連絡をとっていなかったからね。

彼女が『赤子の君を殺す派』だったかは───≫


「ソレ以降、王族に渡った魔女達は?」


≪・・・・≫




ラカさんが、黙る。

魔法使い・魔女の間で、嘘が通用しない以上・・もはや 「 知らない 」 とすら言えない訳だ。


「 沈黙は金 」なんて言葉が有るけど・・その沈黙は、な。





「オマエ等が『下劣』と呼ぶ、王族に・・仲間を売ったんだな?」


≪貴様!≫




あそこの魔女、さっきから≪貴様!≫としか言ってないよ。

ディッポ団長が腰に手をやり、盛大なタメ息をつく。




「俺ら傭兵にゃア、裏切り者を絶対に許さねェっつう掟が有るがよう・・」


≪奴等が裏切り者なのだ!≫


「だからその『裏切り者』が、どンな『裏切り』をヤったか、言ってみるンだな」


≪貴様!≫


≪待て・・今は───≫




ラカさんは・・一応止めようとした、が───貴様魔女が、ディッポ団長めがけ炎を、飛ばしてくる。




≪死───≫


防爆衣魔法ボムスーツ

アンド、魔力吸収」




炎を、消す。

ついでに(・・・・)、貴様魔女も消す。




≪なっ・・!?≫


≪消えた!? あ、アレが・・!?≫


「俺の仲間を狙ったんだ。

反撃は当然だろ?」




ディッポ団長を狙った魔法は・・少なくとも、村破級を一撃で殺る魔力が込められていた。

俺の仲間を『殺すつもり』で撃った。


母さんの懸念の正体は、未だ分からない。

・・だけど、もうイイ。




「───オマエ等は、俺の敵だ」


≪よ、よくも我等の仲間を・・!≫




ラカが(・・・)逸る仲間魔女を手で制し、俺達の前へ出る。

・・全ての表情を消して。




≪・・今のは、此方が悪い。

けどね。

仮にも世界の被害者たる我々を消す事に、そんなにも躊躇いは無いものかね?≫


「今まで、俺のエゴで【空の口】の洗脳を都合よく上書きしているんだ。

出来る限りは助けても・・敵まで助ける気はない」


≪そうか・・残念だ≫




魔女たちが、離れつつ散開する。




≪まあ・・どっちみち、君は死ぬんだ。

【空の口】様に殺されるか、我々に殺されるか、の違いだよ≫


『ラカ』


≪・・っ!≫




ラカを、呼び止める声。




≪ソラ・・≫


「母さん・・」




隠れていた母さんが、ラカを呼び止める。




≪我々の加勢に戻ってきた───

訳では無いよね≫


「ええ」


≪君は・・そうか、ハナから君は我々を疑っていたのか。

・・何時からだい?≫


「私が、此方の世界へと来て・・貴女と話した時ですよ、ラカ。

貴女・・幹太だけでなく、【空の口(いもうと)】も殺す気でしょう?」

 

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