41『オタク知識のある幹太より余程漫画的動きをします。』
「えっ・・今、空中を走・・!?」
女生徒達が目を丸くする。
俺も目を丸くする。
颯太ナニやってんの?
ドコの立体○動装置??
( あとでやり方を聞いたら「 う~ん、分かんない! 」って言われた。)
自分も自分もと、ザレに触発されて戦闘訓練をしたがる女生徒達と颯太が一対多で闘うことに。
囲まれての同時攻撃に、颯太がその場で10m以上ジャンプ。
( まずソレで飲んでた水吹いた。)
逃げ場を無くしたと見た女生徒達は颯太から 「 どんな攻撃でもイイよ 」 と、言われてたんでザレは魔法を、何人かは投げナイフや弓矢を使う。
・・が、有得ない軌道で避けられ、弾丸の如き速度で背後に回りこまれた女生徒が背中を平手打ちされる。
あー、アレ痛いやつだ。
「はい、一人死亡~♪」
「くっ!」
今まで・・父さんと爺ちゃんに、ディッポファミリー傭兵団戦闘系の人に、( 一応俺にも ) 教わるばかりだった颯太だけに、結構ノリノリっぽい。
少女達と戯れる美少女可愛いなあ♡
【※幹太は天然変態ですが害は ( 多分 ) 有りません。
けど颯太以外に『美』を付けない辺り空気は読めません※】
その後も女生徒達は颯太の動きに翻弄させられたまま、全員背中を叩かれた。
◆◆◆
「あら~♡
昔を思い出すわね~♡」
「リャター夫人は何をなさってたんですか?」
俺達の胸を揉もうとした時の、あの動き・・最初は傭兵経験者かとも思ったが、代々商家だったなら他に選択肢の無い人がなる職業なんて選ばないだろうし・・。
「騎士よ~?」
「・・騎士・・貴族しか成れないんじゃ?」
騎士とは魔法使いでない貴族 ( 親が家が、は関係無くあらゆる貴族の中で地位が低い ) が所属する場所、とは聞いていたんだけど。
「複数の騎士団があるの。
私が所属していたのは平民からも集められていた女性だけで構成された騎士団よ」
「・・この学園はその騎士団に入団出来る人材育成も視野に入れていますの」
颯太との戦闘訓練を終えたザレが俺とリャター夫人との会話に入ってくる。
「学園の卒業生はリャター家の会社に就職するか、その騎士団に入るかが殆んどなのですわ」
「そんなコネがあるってことは・・」
「私、初代団長なのよ~♪」
・・・まあ、この話だと、そうだろうな。
以前言った通り、この世界の人は魔法使いでなくとも身体強化魔法をもっている。
その中でもリャター夫人は飛び抜けている。
『魔力量・魔力操作技術』は魔法使いの颯太の方が上だけど『肉体その物の強さ・戦闘術』は流石にまだ子供の颯太では敵わない。
強さ・気品・美貌 ( あと多分、家の金 ) を持つリャター夫人を当時の貴族が請うて平民女性騎士団団長に推薦し、その時のコネで才能ある娘を騎士団入りさせている訳か。




