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400『ウォーター( 味噌 )ボール。』

 

「御先祖様と、会話したい気持ちは有ったのです。

お薬レシピ・・凄く興味あるのですよ」


「ワタクシは・・い、今を生きる人達が大事なのですわ!」




城から出て、城前に作ったキャンプ地で一旦休憩。


人花じんか】と【人狼じんろう】達にとっては直系の先祖、ガロスと騎士団にとっては国父の妻達との会合に・・皆、興奮している。


人花じんか】はともかく・・【人狼じんろう】は若干、冷や汗のようなモノが流れているが。




「・・『三者を超えし者』」


『ん、大丈夫だ。

彼女達も言っていたが、魔女にとって死とは一時的な・・治る怪我か病と同等。

直に会える』


「そうか」


『ソレに・・』


「?」


『・・いや、今は良い。

たぶん気のせい』




寂しそうに、「 フッ 」 と笑い・・『三者を超えし者』は芋を手にとり皮をむく。


城の探索を終え、現在は昼過ぎ。

やや遅い昼食の準備中。


この【銀星王国世界】にいる都民は、全員生身の人間で・・食材もおそらく、持ち込まれた普通の食材のハズだけど───

やっぱ何となく恐いんで、俺達が自分で持ち込んだ食材のみ使う。




『本来の計算では明後日の今頃、【空の口】が顕現するはずだった。

けど王族のチョッカイにより、多少伸びる』




王族が己の目的のため・・魔女や【空の口】の魂を削りとり、実験材料、もしくはエネルギー源にしていた。




「魔力獲得法としては、【人土じんど】の魔力吸収のほうが量は上だけど・・魂から直接奪う分、ダメージは遥かに王族の方が上だなあ」


『貴女達【三種族の巫女】が『対【空の口】装置』だと言ったのは、『ソレ』に近い』


「なるほど」




【空の口】の洗脳魔法を千切る、あの感覚か。




『今までは、【空の口】が何処で顕現するか分からなかった』


「千年前は?」


『世界中・・ここ以外の大陸にも、莫大な空間の歪みが発生し───結果、【空の口】的にも、魔力的にも、何の所縁も無かった場所で復活した』




ジート砦を襲った、【空の口】復活の前兆たる空間の歪みから起こった地震。

アレが世界中で起こったのか。




「今回は?」


『明らかに、地震が【銀星王国】だけに集中し過ぎている。

【銀星王国】で復活するのは間違いない』


「ふーん・・何か千年前と違いは有んのかなあ?」




と、ソコで・・何人かが俺をジィーッと見つめてくる。

・・なんなん?




「世界中で百年に一度しか出現しない『街破級』が、【銀星王国】だけで最近二匹も死ンでるんだゼ?」


「その『街破級』より強い存在が、【銀星王国】に留まり魔力を垂れ流し続けているのだがな?」


「【銀星王国】だけで、何度も異世界との扉を開かれているわねぇ~」


「ンな国、世界中を探しても【銀星王国】にしか無ェよ」




ディッポ団長達にまくし立てられるけど・・。




「俺のせいで、この国に【空の口】が顕現するって事ですか?」


「御姉チャンだけのせい、とは言わねエ・・つうか、御姉チャンこそ被害者だろうさ。

おそらく御姉チャンの居る場所、ソコが戦場になる」


「・・そうねぇ。

他の誰が逃げられたとしても・・カンタさんだけは【空の口】から逃げられないと思うわぁ~」


「無論、カンタを置いて逃げるつもりは無いが」




ガロスが、「 それに 」 と・・水球を浮かべながら語りかけてくる。


昨日、俺が一度に数百個のタコ焼きを空中で作ったのを真似ているらしい。

水球は一つ、使う魔法は水魔法と火( 加熱 )魔法の二つだけだけど。




「ぎ、【銀星王国】の事を・・心・・配する必要も・・ない。

見知らぬ他国で・・ふ・・復活されるより・・事前情報がたっぷり・・ついで・・に・・腐った民や王族貴族を一掃・・出来・・・・」




産まれたての子鹿の如く、プルプル震えている。

貴重な食材と水分だからな・・御付きの騎士団員が、鍋を水球の下に構えて一緒にプルプルしている。




「複数同時魔法のコツは、別々の魔法を別々に操作するというより・・一つのそーゆー魔法を操作してるって意識した方がやり易いぞ」


「むっ・・そ、そうか」


「・・有難う、ガロス」


「───感謝す・・る・・のは、此方の方だ・・よしっ!

コツが掴めてきたぞ!」

 

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