37『神か悪魔か。』
う~ん・・。
傭兵に対する悪感情がシャクで、つい受けちゃった決闘だけど・・御互い利がないっつうか、本来の護衛仕事もあるしサッサと終わらせないと。
相手はレイピアを前に突きだし突進。
俺は颯太ほど才能もないし真面目にやってこなかったけど、秋原甲冑柔術を習ってきたんだ。
このぐらいなら見切れる!
颯太やディッポファミリー傭兵団の皆より遥かに遅い一撃を半歩身を引いて避け、相手の首にヒジ ( 本来は掌底 ) を持っていく。
もしカウンターになってたら咽を潰すぐらいの威力はあるが、今のはちょっとむせる程度。
「げほっげほっ・・くっ!」
相手が構えを変えて刺突に斬撃を混ぜてきたが防壁魔法付きの水筒でいなす。
「な、なんなのよ、その水筒!?
どんな素材!?
・・いいでしょう、トッテオキを見せてあげますわ!
【グラウンドボール】!!」
言って、彼女の足下の地面から・・野球ボールサイズの土球が普通に放り投げたぐらいのスピードで飛び出す。
たぶん、直撃しても多少痛いで済む。
石でも投げた方が早くてダメージもデカイ。
「ふふん、実はワタクシ魔法使いですのよ!」
・・魔力の流れを見りゃあ一目見た時から分かってたし。
颯太も「 何言ってんの? 」って顔をしてる。
この娘は魔力の流れが見えない・・?
そうゆう魔法使いも居るのかあ。
今度、ソコら辺をジキアに聞きに行こう。
( ちゃんとノックをして。)
・・ん?
ってコトは俺達が魔法使いって気づいて無い?
最初、颯太の逃げ足を見たら・・ああ、学園長が魔法使いでもないのに見せたあの動き・・あんなん見てたら魔力の流れが分かんない奴は気づかないか。
「ふっ!」
土球は変化球的な魔力も込めてなかったし、蹴って落とす。
「今のだったら不意打ちに織り混ぜると良いですよ」
「う、うるさいですわ!
傭兵のクセに!
人を傷付ける男達の仕事をしているクセにィっ!!」
──・・ああ、ソレか。
ソレが心に噛みついていたのか──
下種傭兵共に対し激しくムカついた。
アレは、俺達をどうこうしようとしたから・・ってのも有るけど・・本当の理由は奴等が『傭兵という仕事』を汚したから。
今、気づいたが・・俺は『傭兵という仕事』を神聖化でもしてるんだろう。
この娘はその逆、『傭兵という仕事』を『悪魔化』にでもしてるっぽいな。
俺は元男だ。
だから全部は分からない。
「【グラウンドボール】っ!!」
・・不毛だな。
サッサと終わらせよう。
武術だとコレ以上本気を出せば怪我をさせるし・・デカイ花火を上げて魔力差を見せつけ・・駄目だ、チートを隠す目的が果たせない。
学園長の方を見るとニコニコと微笑み、他の女生徒達は彼女を応援している。
周りは止めそうもないな。
ん~・・。
・・あっ、そうだ!
ちょっと考えてた新魔法を試してみよう!




